2005年05月05日

主語を無くした日本人


著書放送禁止歌やオウム真理教の内部を撮った映画『A』(スミマセン、映画は守備範囲外なので見ていません…)で知られる森達也は、皆が見て見ぬ振りをする“臭い物の蓋”を取ってしまう人なんだと思います。そんな彼の行動原理は、場の空気を読めない「鈍さ」にあると言います。本書でも「ドキュメンタリー番組にだって編集はある」という身も蓋も無い発言(けれども事実)が飛び出します。
最近一人称の主語が失われている、という指摘には考えさせられました。「私」の主張が「我々」になったり「国家」に拡大していく過程で、思考や発言の主体・責任が曖昧になっていく姿は、このたびのJR福知山線脱線事故におけるJR西日本の企業としての対応のまずさに、端的に現れている気がします。
(5月5日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・思想交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

助教授の生き様U



前作工学部・水柿助教授の日常で、研究者のおかしな生態を惜しげもなく披露してくれた水柿君と妻の須磨子さん。第二作で水柿助教授はなんとミステリィ作家デビューを果たしてしまいました。大学で本業以外の雑用に追われつつ、小説を書き続ける水柿君。
ますます森助教授・ささきすばる夫妻を連想してしまう…これって、もしかしてノンフィクション?
(5月4日読了)
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

もう、騙されない!

世間のウソ
日垣 隆著


殺人者と刑法39条の問題に果敢に取り組み、大ベストセラーとなった消費者ガイド本を斬る、気骨のジャーナリスト・日垣隆。本書は身近で且つタイムリーな話題を取り上げ、常識のウソを次々と暴いてくれます。

宝くじの本当の当選確率は?
中央競馬の収益はどこへ消える?

第一章に興味を引かれたら、もう最後まで一気に読むしかありません。これから始まる裁判員制度についても章が割かれています。
(5月3日読了)
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4・1/2の神話

四畳半神話大系
森見 登美彦


どこの大学にもいますよね、4年で卒業せずに学園に居座り続ける“キャンパスの主”のようなお方が…。
そんな大先輩や、唾棄すべき人格の同級生に魅入られてしまったお蔭で、薔薇色のキャンパスライフを放棄せざるを得なくなった不幸な(?)男の物語。
新入生の彼は、どんな選択をしたって結局同じような大学生活を送ることになるのです。
四畳半アパートの矮小な宇宙で、終わりなき壮大な神話が繰り返される…
♪いい加減にして〜♪(判らない人が多いでしょう…すみません)
(5月3日読了)
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本当の“リベラリズム”

日常・共同体・アイロニー
宮台 真司 / 仲正 昌樹


宮台真司と仲正昌樹の、4度に渡るトークセッションです。
第1・2回はちょっと難解な思想論ですが、第3回でイラク人質事件、第4回で仲正自身の宗教体験が語られ、徐々に論点が具体化してゆきます。
宮台の語る“自己決定”や“共同体”に、仲正がひとつひとつ意味を問い質していくことで、リベラリズムのあるべき姿を浮き彫りしていく…といった印象です。
宮台の他の著書でも語られていますが、
『憲法とは民から国への命令/法律とは国から民への命令』
『田吾作による天皇利用批判』
『愛国教育で国賊官僚/売国政治家を誅せよ』
にはいつも同感します。自己決定こそ、右翼の本義なり。
(5月1日読了)

追記;以前採り上げた嗤う日本の「ナショナリズム」は、読み終えて「だから何?」という感じで共感を得られなかったのですが、それに比べると本書は(対談形式というのもあってか)すっきりとした読後感が得られました。
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・思想交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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