2005年09月11日

ニッポンの、3分の2


日本の山村は、急激な過疎化に見舞われています。その一方で、高齢者が一度は捨てた村に回帰する動きも見られます。山が単に貧しく不便な地なら理解できない現象ですが、そうではないと著者は考えました。
村の経済規模を米の石高で表すなら、水田の少ない山村は非常に貧しいことになりますが、実際には林業や狩猟といった豊かな山の幸に恵まれていました。福井県名田庄、山梨県早川、長野県秋山などの古文書から、豊かな山の世界が浮かび上がってきます。
山の幸は交易によって他の村々にもたらされ、人的交流も活発であり、山村は閉鎖的であるという見方にも異を唱えています。
日本列島の約3分の2は山地です。稲作中心・平地中心の歴史観からは見えてこない、もうひとつのニッポン。民俗学好きの方も楽しく読めると思います。


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 19:23| Comment(4) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

世界は○○で出来ている

温度から見た宇宙・物質・生命
ジノ・セグレ著 / 桜井 邦朋訳

古代の哲学者たちは、万物の根源は何かを考えてきました。
もし「世界は何で出来ていると思うか」と聞かれたら、私なら「世界は熱で出来ている」と答えます。

熱力学の第一法則=宇宙のエネルギー量は一定である
熱力学の第二法則=宇宙のエントロピーは極大に向かう

自然界の現象はすべて、熱力学の法則に従っています。まさに本書のタイトル通りです。これは読まずにいられません。
人間の体温からはじまって、熱力学、地球温暖化、熱水噴出口に棲む生命、太陽とニュートリノ…世界的な物理学者が、温度を切り口に様々な科学の話題をわかりやすく語ります。
科学者たちのエピソードもふんだんに盛り込まれ、科学史読み物としても楽しめます。

(9月10日読了)
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 18:08| Comment(9) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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