2005年12月31日

2005年は、宇宙の年!

小泉劇場、JR脱線事故、マンション耐震構造偽装・・・いろいろあった2005年は、間もなく過ぎ去ろうとしています。来訪者の皆様にとって、今年はどんな一年だったでしょうか?

私は、2005年は宇宙が熱い一年だった!と思います。
ディープインパクト計画小惑星探査機はやぶさ野口宇宙飛行士の活躍・・・さらに2005年は、アインシュタインの特殊相対性理論発表100周年を記念した世界物理年でもありました。



ホーキング、宇宙のすべてを語る

現代のアインシュタイン、スティーヴン・ホーキング博士。彼が難解な宇宙論の全体像を、最新の研究成果も交えて、門外漢にも判りやすく語ってくれました。
まずは古代ギリシャからニュートンに至る、宇宙論の歴史の講義です。
それから、あまりにも有名なアインシュタインの相対性理論。光の速度は観測者に関わらず不変である・・・これは特殊相対性理論。時間と空間は絶対的なものではないという、一般相対性理論。素人には、なんとも悩ましい世界です。
SFでおなじみ、タイムトラベルの可能性については、誰もが楽しめます。ちなみに私は、宇宙は生命および人類の生存に適した条件を満たしているという、人間原理をめぐる話題が大好きです。
皆さんご承知の通り、宇宙のすべてを記述できる統一理論は未だ完成していません。一般相対性理論と量子力学が相容れないからです。
悩ましく捉えどころのない、宇宙論の世界。いや、宇宙論の本は目眩を楽しむためにこそ読むのです!
(12月30日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 00:49| Comment(2) | TrackBack(1) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月25日

世界遺産のミステリ

世界遺産に登録された、熊野古道。正式には「紀伊山地の霊場と参詣道」と呼ぶそうです。
高田崇史の歴史ミステリ『QED』シリーズには、旅をテーマにした『ventus』というサブシリーズがあります。本編よりも軽めの作りで、殺人事件の解決よりも歴史の謎解きを楽しむことをメインとしています。その第二弾の舞台が、熊野古道です。



学校薬剤師会の研修旅行で熊野を訪れた、神山禮子。物語は彼女の視点で進行します。実は彼女、わけあって故郷を捨て、周囲には熊野出身であることを隠しているのでした。
旅行には『QED』シリーズの名物男“タタル”こと桑原崇と、棚旗奈々も参加していました。タタルは地元出身の禮子ですら知らない、熊野の歴史を巡る薀蓄を披露します。なんと彼は熊野三山…熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の参詣順番にこだわり、旅行のルートを無理やり変更させていたのです。
三山の祭神・・・本宮の家津御子大神、新宮の速玉大神、那智の夫須美大神の三神は、正体のわからない神々であるとタタルは言います。今回タタルによって解き明かされるのは、神武東征神話の真相です。熊野の深い森には、征服された者たちの悲しい歴史が眠っています。神武天皇の進軍を導き、日本サッカー協会のシンボルマークとしても知られる八咫烏(やたがらす)も、被征服者の一人なのだそうです。
熊野には、縄文の息吹が今も漂っています。

歴史の謎解きだけでなく、もちろんミステリとしての仕掛けもありますよ!
(12月25日読了)
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:24| Comment(2) | TrackBack(1) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月11日

ないものがあり、あるものがない。

事故や病気で切断したはずの腕や脚が、存在しているかのように感じる、幻肢。この奇妙な現象は、人体の小宇宙・脳が演出しています。
ラマチャンドランは、脳の学習機能を利用し、幻肢患者を鏡を使って治療しました。



脳のなかの幽霊、ふたたび

人の顔が認識できない相貌失認(京極夏彦の作品にも登場しますが、ネタバレになるのでタイトルは伏せます)、自分の母親を見て母親になりすました偽者だと訴えるカプグラ症候群、いずれの患者も情緒的な問題はなく、これらの症状は脳の視覚のプロセスから生じています。
自分の左側にあるものを無視し、花の絵を描くと右半分だけに花びらのある絵になってしまう半側空間無視という症状もあります(なぜか葉っぱは両側にあるんですね・・・)。患者さんにはお気の毒ですが、視覚の欠損を研究することによって、人間の視覚のメカニズムがよく判るようになったのです。
人間の精神活動は、すべて脳内の化学反応である・・・なんて言い方をすると(特に文科系の方は)反発を憶える方もいらっしゃるでしょう。だからといって、芸術作品の価値が低下したり、人間から笑いや涙が失われたりするわけではありません。かく言う私も文学部出身であります。

(12月10日読了)

↓脳の不思議に魅せられた方は、こちらもどうぞ


脳のなかの幽霊



V.S.ラマチャンドラン著 / サンドラ・ブレイクスリー著 / 山下 篤子訳


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:49| Comment(7) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

真の勝ち組(?)キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ

インターネット掲示板から生まれたベストセラー電車男 。映画・ドラマ・漫画化され、オタク趣味やアキバ系なるものが、一気に市民権を得たように見えます。しかし、それに対するオタク側からのアンチテーゼが提出されました。


電波男



本田 透著



ファッション・グルメ・クルマなどにお金を掛けて、モテ男・モテ女になろう…大手広告代理店主導のこの消費形態を、本田は恋愛資本主義と呼びます。
一方のオタク市場は、商品の受け手が作り手にもなり、作り手が受け手にもなる、オタク内部での永久循環経済です。
バブル崩壊以降、縮小の一途をたどる恋愛資本主義市場は、ついにオタクをターゲットにする最後の手段に出ました。『電車男』ブームとは、オタクを脱オタク化させて恋愛資本主義側へ取り込もうとする反オタク運動である、というのが本田の論です。
また、オタクのなかでも萌えオタクは、二次元世界を現実の三次元世界よりも価値あるものとする、平和的な人種であると本田は言います。さらに、自分たちが結婚できないのは男たちがオタク化したせいだとする『負け犬』女たちに対し、オタクの勝利宣言まで飛び出します。
いろいろと御託を並べているが、結局は自分の二次元至上主義を正当化する為の本じゃないの・・・とツッコミたくもなりますが、あとがきで明かされる彼の生い立ちには同情します。

(12月5日読了)
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術・娯楽交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月10日

衝(笑)撃、ふたたび!

統計やアンケート、日々のニュースなどから新たな社会問題を生み出し続ける、社会学。イタリア生まれで千葉県在住のマッツァリーノさんが、またまた社会学をお笑いのネタにしてしまいました。



反社会学の不埒な研究報告



パオロ・マッツァリーノ著


社会学者の目には、統計という数字の羅列から、なぜか社会問題という見えないものが見えてくるそうです。これはもしかすると、怪奇現象なのかもしれません。
マッツァリーノさんは、同じく統計データから、社会学者が黙して語らない、世の中の衝撃的な(なおかつ笑劇的な)事実を導き出すからです。

「くよくよ」することと「こだわる」ことは同じこと。
シンクタンクのレポートは、実質GDP祭り。
日本人は尊敬されたがっている。
武士道とは、ご都合主義だった。
ビジネス書は、お笑いである。

2005年の笑い納めは、この本で。今回は社会学の枠を超え、国語や歴史や経済までもがネタになっています。
私は「年金改革の最後の切り札」に、最も衝(笑)撃を受けました。

(12月4日読了)
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:19| Comment(0) | TrackBack(1) | 社会・思想交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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