2005年12月25日

世界遺産のミステリ

世界遺産に登録された、熊野古道。正式には「紀伊山地の霊場と参詣道」と呼ぶそうです。
高田崇史の歴史ミステリ『QED』シリーズには、旅をテーマにした『ventus』というサブシリーズがあります。本編よりも軽めの作りで、殺人事件の解決よりも歴史の謎解きを楽しむことをメインとしています。その第二弾の舞台が、熊野古道です。



学校薬剤師会の研修旅行で熊野を訪れた、神山禮子。物語は彼女の視点で進行します。実は彼女、わけあって故郷を捨て、周囲には熊野出身であることを隠しているのでした。
旅行には『QED』シリーズの名物男“タタル”こと桑原崇と、棚旗奈々も参加していました。タタルは地元出身の禮子ですら知らない、熊野の歴史を巡る薀蓄を披露します。なんと彼は熊野三山…熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の参詣順番にこだわり、旅行のルートを無理やり変更させていたのです。
三山の祭神・・・本宮の家津御子大神、新宮の速玉大神、那智の夫須美大神の三神は、正体のわからない神々であるとタタルは言います。今回タタルによって解き明かされるのは、神武東征神話の真相です。熊野の深い森には、征服された者たちの悲しい歴史が眠っています。神武天皇の進軍を導き、日本サッカー協会のシンボルマークとしても知られる八咫烏(やたがらす)も、被征服者の一人なのだそうです。
熊野には、縄文の息吹が今も漂っています。

歴史の謎解きだけでなく、もちろんミステリとしての仕掛けもありますよ!
(12月25日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:24| Comment(2) | TrackBack(1) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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