2006年01月23日

知られざる法典

女性天皇を認めるかどうか・・・皇位継承をめぐる議論が活発な昨今ですが、皇位継承を定めた法律が皇室典範です。
現在皇位の継承は、男性皇族に限られています。
今後も男系男子を維持するのか、女性天皇を認めるのか、さらに女系天皇をも認めるのか。愛子内親王殿下が即位すれば女性天皇の誕生ですが、女系天皇ではありません。内親王のお子様が即位すれば、女系天皇となります。


天皇家の掟



鈴木 邦男〔著〕 / 佐藤 由樹〔著〕



本書は、若手編集者の佐藤由樹が皇位継承をめぐる議論や歴史をまとめ、各章末におなじみ民族派右翼の鈴木邦男が自らの主張を述べるというスタイルをとっています。

ご存知のように日本の歴史上、八方十代の女性天皇がおられます。
皇位を男性に限定した皇室典範が生まれたのは明治時代です。富国強兵を国是とした明治政府にとって、天皇は軍の総帥でもありました。
では、最初から明治の皇室典範(旧皇室典範)は男系男子主義だったのかと言うとそうでもなく、制定にあたっては女性天皇や女系天皇も議論されていたようなのです(女帝を否定したのは井上毅でした)。

男系男子維持を主張する識者は、宮家の復活を提唱します。戦後皇籍を離脱し一般人となった、旧宮家の人々を皇族に戻すという案です。過去にはただ一度、一旦は臣籍降下し源氏を名乗ったものの、皇族に復帰して即位した宇多天皇(学問の神様・菅原道真を抜擢したお方です)の例があります。
しかし、神武天皇のY染色体を維持するには男系男子に限ると言う、八木秀次の意見はトンデモでは・・・。神武天皇の遺伝子を受け継ぐことが皇位継承資格なら、源氏や平氏の子孫もしかり、いまこのblogを読んでいるあなたも有資格者かも?

世界各国の王室の皇位継承基準では、女王や女系も認めている例が多くあります。その場合、男子優先の国(デンマーク・スペイン・イギリス・・・)もあれば、長子優先の国(ベルギー・オランダ・ノルウェー・スウェーデン・・・)もあります。長子優先だと、第一子が女子ならば他に男子がいても次は女王です。
それらの国々も、最初から女王を認めていたわけではなく、王位継承危機があったり(デンマーク)、女子差別撤廃条約を受けて(オランダ)、憲法が改正されました。日本も柔軟に対処すればいいわけです。

宮家を復活するのか。女帝・女系を認めるのか。あるいは養子を迎え入れるのか。議論は色々あっていいでしょう。しかしながら、新たな皇室典範を天皇陛下に押し付けたり、ましてや皇太子妃に「お世継ぎ誕生」のプレッシャーをかけるのは不敬ではないのかと、鈴木は疑念を呈します。
いろんな意見を参考にしていただいた上で、最後は天皇陛下ご自身がお決めになる・・・私もそれが一番良いと思います。

(1月23日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:28| Comment(11) | TrackBack(1) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

未来予想図

大気汚染にエネルギー問題、交通事故や慢性的な都市部の渋滞・・・私たちの生活を支える自動車ですが、その未来は今のままでは決して明るいとは言えません。



ITSの思想

清水 和夫著

ITSとは、Inteligent Transport System=高度道路交通システムの略です。
カーナビゲーションは現在1,800万台(4台に1台)が装着し、ETCの普及も800万台を超えました。これら自動車の情報化は、渋滞の緩和に効果があります。今後は情報端末を装備した車両同士がつながって、渋滞や工事などの道路情報を共有することができるようになるでしょう。

交通システムだけでなく、クルマのそのものの知性化も、大きく進んでいます。
赤外線で夜間の歩行者を感知するナイトビジョン、カメラで道路の白線を認識して車線を維持するレーンキープシステム、衝突を事前に予測し自動ブレーキを掛けるプリクラッシュシステムさえも、いまや実用技術です。

しかしながら、自動車の本質は運転者の意思で自在に移動できることであり、完全な自動運転が必ずしも理想ではありません。なんでもクルマ任せにして、運転者に技術の過信をもたらすことも好ましくありません。
清水はレーシング・ドライバー出身であり、クルマはあくまで人が操るもの、機械に支配されないITS社会を是としています。

本書のサブタイトルは「持続可能なモビリティ社会」で、ITSのみならず自動車の未来像全般についての入門書ともなっています。
エンジンの将来について清水は、ガソリンとディーゼルを複合したようなバイオマス燃料エンジンのハイブリッド車を理想としているようです(清水って、反ハイブリッド派じゃなかったっけ・・・)。

高度に情報化された安全でクリーンなクルマによる、持続可能な未来社会。
その一方で、ローテクだけど走って楽しい軽量コンパクトなスポーツカーというのも、燃費に有利だし、今後も求められるのではないかと思いました。

(1月23日読了)
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学技術交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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