2006年02月05日

暴走するタンパク質

BSE問題で停止されていた、米国産牛肉の輸入が再開されたのが、昨年12月16日。ところがわずか一ヵ月後の1月20日、特定危険部位の脊柱が混入していることが判明し、再び輸入停止処置がとられています。
BSEの原因とされているのが、プリオン。このプリオンとは何者なのか、おさらいしてみることにしました。


BSEとは牛海綿状脳症bovine spongiform encephalopathy)の略です。これまでBSEは狂牛病と呼ばれていましたが、ウシが狂ってしまうわけではないですし、不気味さばかりが強調される狂牛病の呼称を、著者・山内は全廃を強く訴えています。
BSEは1986年、イギリスで初めて確認されました。BSEに冒されたウシは脚がふらついて転倒し、脳にはスポンジ状の空胞が多数出来ていました。
同様の病気は、ヒツジでは古くから知られており、スクレイピーと呼ばれています。
海綿状脳症は、人間でも発症しています。最もよく知られているのは、クロイツフェルト・ヤコブ病(CDJ)です。
これらの海綿状脳症は、ウイルスでも細菌でもなく、異常なタンパク質によってもたらされていると考えられるようになってきました。プリオンとは、感染性タンパク質粒子(proteinaceous infectious particle)の略です。
BSEは、スクレイピーを発症したヒツジの肉が、餌としてウシに与えられたことに由来しているようです。ウシに肉骨粉を与えることが禁止されてから、BSEの発症は激減しています。
本書は、未知の病・プリオン病に挑んだ科学者たちのドキュメンタリーとして、非常に読み応えがあります。しかし、そもそも自己のタンパク質が、なぜ異常プリオンに変わるのか。残念ながらその起源は、読み終えても判りませんでした。
アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症なども、自己のタンパク質の構造変化で起きている可能性があるそうです。まだまだ謎の多いプリオンの研究が進むことで、これらの難病の解明や治療につながることを願います。
(2月5日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 21:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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