2006年06月18日

異端の民俗学者たち

壱万円札の肖像でおなじみ福沢諭吉。明治期を代表する思想家であり、慶応義塾を創設した教育家として有名です。

異端の民俗学



礫川 全次著


異端の民俗学…そそられるタイトルですね〜
この本に福沢諭吉は、民俗学者として登場します。

福沢諭吉が民俗学者?…実は福沢の著者『旧藩情』には、彼の出身である豊前中津藩の武士の生活がリアルに描かれているそうです。
中津藩士には上士・下士という確固たる序列がありました。封建的身分制度を批判した彼の名言「門閥制度は親の敵」は、貧しい下士出身である福沢ならではのものです。
しかし幕藩体制下には、下士のさらに下に軽輩という限りなく身分の低い者たちがいました。明治維新の原動力となったのは、この軽輩出身者たちでした。

民俗学の世界に踏み込んでいくと、差別やタブーの問題にぶち当たります。
本書は、日本民俗学の祖・柳田國男が避けてきたとされる領域に果敢に挑んできた、異端の民俗学者たちの評伝です。
なかでも面白い人物が、無用学博士と名乗った尾佐竹猛(おさたけ・たけき)。彼の本業は大審院(今でいう最高裁判所)判事で、その著作は犯罪民俗学ともいうべきユニークなものです。犯罪集団のなかでのみ通じる隠語を集めたり、賭博でイカサマに用いるサイコロについて詳しく報告したりしています。

できれば南方熊楠についても、一章割いて欲しかったです。

(6月13日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 11:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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