2006年07月10日

女帝・かぐや姫

スラリとした長身の優美な仏様、国宝・法隆寺百済観音像
図書館で「百済観音のモデルは誰なのか」というタイトルがふと目に入り、手にとってみました。
また新手の聖徳太子論が出たのか…と。

カラーの口絵を開いてみると、百済観音の写真に続いて、有名な聖徳太子画像、そしてなぜか竹取物語絵巻が…?

本書では百済観音のモデル候補として、5人の人物の名が挙げられています。
推古天皇厩戸皇子(聖徳太子)、竹田皇子(推古天皇の子)、斉明天皇天智天皇です。

そして百済観音像の特徴として、普通の仏像は光輪が後頭部か背中に直接取り付けられているのに対し、背後の支柱に取り付けられていることを指摘しています。
しかも、この支柱が竹を模していることから、光り輝く竹=竹取物語と関連があるというのです。なんとも唐突な…
さらに竹取物語の作者は紫式部であるとの、大胆仮説が飛び出します。
紫式部の源氏物語には、竹取物語を「物語の出で来はじめの祖」と評した一文があり、一般には竹取物語が源氏物語に先行する文学作品であるとされているのですが…

竹取物語では、かぐや姫の前に五人の求婚者が現れます。五人の名前は白鳳時代に実在した人物に由来するといわれています。

石作皇子=丹比嶋
車持皇子=藤原不比等
阿倍御主人=阿倍御主人(全く同姓同名!)
大伴御行=大伴御行(これまた同姓同名!)
石上麿足=石上(物部)麻呂

倉西説では、竹取物語の登場人物の描き方に彼ら個人のみならず、それぞれ皇族・藤原氏・阿倍氏・大伴氏・物部氏の氏族全体の来歴や事績が隠されているというのです。その隠された歴史とは、大和朝廷における仏教受容史でもあると。
さらに、かぐや姫にも実在のモデルがいたといいます。それはなんと持統天皇です。

春過ぎて 夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ 天の香具山

有名な小倉百人一首が思い出されます。なんとも出来すぎ!

さて、肝心の百済観音のモデルとは…?
聖徳太子ではありません。それは百済救済のための白村江の戦いで知られる、中大兄皇子こと天智天皇でした(ちなみに持統天皇の父であります)。
それよりも、古代日本の仏教受容をめぐる争いの方が、複雑ですが楽しく読めました。
特に物部氏の奉じる神道が、男性をシャーマンとする出雲神道であるという説が面白いです。

(7月9日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:20| Comment(35) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

まだ何かあるのだろうか…

東京の地下には、知られざる空間が広がっている。
地下鉄網は戦前すでに整備されており、現在の地下鉄や地下施設は戦前からあるものを再利用しただけである。その事実をなぜか政府や都は、ひた隠しにする…
秋庭俊の帝都東京シリーズ、またまた出てしまいました。



池袋サンシャインシティの地下駐車場のさらに下には、公式には存在しないことになっている、豊島変電所が存在する。
高輪の高野山東京別院地下にも、高輪変電所が存在する。こちらは別に秘密ではないが、お寺の地下をどうやって掘ったのか…?
豊島区役所の冷暖房は、500メートル離れたサンシャインシティの冷暖房施設でまかなっている。わざわざ500メートルもの洞道を掘ったのか、もともとトンネルがあったのか…?
新宿プリンスホテルの地下駐車場は、アドホック地下駐車場とつながっている。
…などなど、奇妙な帝都・東京の地下事情。
複雑怪奇な東京地下鉄誕生の歴史を、解き明かしてゆくのですが、その経緯には軍部の思惑が絡んでいるというものです。
最新版の結論は、東京は五角形の要塞都市である!

秋庭は国民の税金が、公に出来ないものに使われていることを批判しています。
でも、私はむしろ安心しました。おそらく都心の地下には、有事の際に要人がスムーズに移動するための道路があるのでしょう(あって欲しい)。万が一のテロに備えるには、それを明かすことはできません。日本が普通の国ならば。

(7月10日読了)





posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 19:14| Comment(4) | TrackBack(1) | 社会・思想交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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