2006年08月20日

白いカミサマ

富士山・立山と並ぶ日本三名山のひとつ、白山
石川・福井・岐阜の三県境に跨る霊峰です。

白山信仰の開祖は、奈良時代の僧・泰澄です(実在の人物ではないとの説もあり…)。
白山神社は、加賀国一宮・白山比め神社を筆頭に、全国に三千社以上あると言われます。
白山比め神社の祭神・菊理媛は、日本書紀にたった一度だけ登場する、不思議な神様です。黄泉の国へ赴き、イザナミの変わり果てた姿に驚いて逃げ帰ってきたイザナギの前に現れ、何かを言ったとされるのが菊理媛です。しかも、何と言ったのかは全く伝わっていません。



謎に満ちた白山信仰に挑戦した前田速夫は、元・新潮社の編集者です。
まずは、白山神が渡来神であるとします。
・泰澄の父・越前の三神安角は、渡来系の秦氏の出身であること。
・北陸は大陸交易の玄関口で、越前国敦賀にはツヌガアラシト渡来伝説があり、シラギ(新羅・白城・信露貴)神社が数多くあること。

白山信仰から「白」あるいは「シラ」にまつわる民俗学全般にまで、本書の考察は及びます。
・人魚の肉を食べて不老長寿になったという白比丘尼(八百比丘尼)。
・東北地方に今も祀られるオシラサマ
・沖縄地方の稲の産屋シラ
さらに、東国の白山神社が被差別部落に多く祀られていることを指摘し、天皇そして差別という日本の二大タブーに踏み込んでいます。

著者自身、本書の流儀を「無手勝流」と呼び、民俗学以外の学問や国内外の文学・絵画にまで言及し、脱線ついでに各章末にはコラムを設けるなど、内容は盛りだくさん。
予備知識のない私には、本書の読みどころを巧くまとめられないのが残念です。

(8月20日読了)

【不純文學交遊界】平泉寺白山神社


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:28| Comment(4) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。