2007年02月19日

日本は核武装せよ…U

北朝鮮と日・米・中・韓・露の6カ国協議が、2月8日〜13日にわたって行われました。
今回の合意では重油5万トンの緊急エネルギー支援、さらに核施設の無力化が実行されれば、重油95万トン相当のエネルギー支援が北朝鮮に対してなされることになります。

北朝鮮は協議のたびに要求のハードルを高くし、合意を履行せず、ついには核保有を宣言するに至りました。
そんな6カ国協議なんて、する必要があるのでしょうか。北朝鮮が「どうか経済援助してください」って泣きついてくるまで待てばいいんじゃないの…と思うのですが。
「拉致問題はどこで議論するんだ!」とのご批判はあるでしょうが、それこそ人権問題として国連でやったらいいと思います。
…素人考えでスミマセン。

当blogでは以前「日本核武装」の論点をご紹介しましたが、bk1でこの本の書評をしている佐伯洋一さんが、中川八洋氏の著書の併読をすすめていたので読んでみました。


日本核武装の選択



中川 八洋著



一般に核武装を論じる場合、核の抑止力・核による防衛のことだと思いますが、この本は違います。
日本による、北朝鮮の軍事施設への核先制攻撃を主張しています!
日本にとって真の脅威は、北朝鮮の核よりもミサイルです。いくら核兵器があっても、それを飛ばすミサイルや航空機がなければ、たいした脅威とはなりません。
射程1200qのノドンミサイルは日本に向けて実戦配備されており、これを破壊することは国際法上許されている「自衛の先制」の行使であると、中川氏は言うのです。
アメリカによるイラク攻撃は、大量破壊兵器が発見されず「自衛の先制」の根拠がなく違法となったが、北朝鮮の場合、その脅威は明白であると。
通常兵器ではなく核攻撃(米軍の核トマホークを日本へ導入)なのは、核ミサイルでなければ地下の軍事施設までは破壊できないからだそうで…
憲法上の問題は、第98条第2項において“合憲”であるとしています。
日本国憲法第98条第2項
日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

…いくらなんでも先制攻撃しては、日本が逆に極東の「ならず者」になってしまうではありませんか。

しかし中川氏の唱える核武装プロセスは、とても現実的です。
・すべての核兵器はアメリカに発注する
・ICBM(大陸間弾道弾)は持たない
・核のボタンはアメリカとの二重鍵とする
あくまで日米同盟を堅持し、アメリカの核の傘を補完するための核武装です。
日本の核はロシア極東と中国が標的であり、ICBMは必要ありません。またICBMはアメリカへの脅威ともなるため、反米政治家が政権を握ってパール・ハーバーの愚を再び犯さないためにも、持つべきではないと言います。
中川氏は、日本が核兵器を独自開発することを否定しています(ただし技術的には可能であり、その場合、核実験が必要なプルトニウム爆弾ではなく濃縮ウラン爆弾とし、実験は行わないとします)。

一方で、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を搭載した数隻の潜水艦だけで日本が独自に核武装することを主張する兵頭二十八氏や、兵頭氏を支持する福田和也氏の論を、ナンセンスであると徹底的に批判しています。彼らはそれで、アメリカ・ロシア・中国に対抗しようと言うのですから。
アメリカと一戦交えることも辞さない勇ましい方々がいらっしゃいますが、現実には日本の平和はアメリカとの協調なしでは維持できないようです。

日本は、ロシア・中国という軍事超大国および独裁国家・北朝鮮に近接しています。
特にロシアは、冷戦が終結したとはいえ、依然として数千発もの核弾頭を保有しています。
中川氏によると、日本に対する脅威の度合いは「ロシア100・中共10・北朝鮮1」だそうです。
だったら北朝鮮を先制攻撃しなくとも、自滅するのを待てばいいと思うのですが…

(2月19日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
日本は核武装せよ


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:15| Comment(2) | TrackBack(4) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月18日

新型プリウス?「ハイブリッドX」

【次期プリウス】最新スクープはこちら

管理人は現在、プリウスと交遊中です。
HP『不純文學交遊界』に、プリウスのお食事を掲載しています。最新の燃費データ(2月4日給油)をUPいたしました(←遅い)。

さて、ここで気になるニュースが…
3月に開催されるジュネーブモーターショーに、トヨタが「ハイブリッドX」という名のコンセプトカーを出品するようで、そのスタイルの一部が公開されました。
【ジュネーブモーターショー07】トヨタハイブリッドXはプリウス新型
これが次期型(3代目)プリウスのコンセプトカーであると報じられていますが、果たしてその全貌は…
画像では、非常に幅が狭く感じられます。プリウスというよりは、二人乗りのミニカーみたいです。

海外サイトでは、このような新型プリウスの予想図が掲載されていました。
WORLD CAR FANS
こちらは現行型とあまり変わり映えがしませんね(笑)

トヨタは、2008年中に次世代ハイブリッドシステムを搭載した新型車を発表するとしており、これが新型プリウスだと見られています。


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 10:44| Comment(0) | TrackBack(6) | 不純自動車交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月12日

不確かな真実

今世紀末に地球の平均気温が最大で6.4℃上昇する
2月1日、パリで開催された国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、このような報告書をまとめました。
地球の平均気温と大気中の二酸化炭素濃度は現在上昇傾向にあり、これが地球温暖化論の根拠となっています。
地球が温暖化すると、その影響が最も大きく現れるのは極地です。北極圏研究の第一人者は、地球温暖化問題をどう考えているのでしょうか。



北極圏のサイエンス

赤祖父俊一氏は、アラスカ大学にある国際北極圏研究センターの所長です。
アラスカは厳寒の地というイメージが強いのですが、夏の気温はなんと30℃を超えます。
本書のサブタイトルは「オーロラ、地球温暖化の謎に迫る」です。

北極圏の最も美しい自然現象は、なんと言ってもオーロラでしょう。
オーロラの光は緑白色が酸素、ピンク色が窒素の発する色です(酸素は暗赤色の光となることもあります)。
オーロラは、地球に磁場があるために発生します。地球と同様に磁場のある木星や土星でも、オーロラは観測されます。火星・金星には磁場がないためオーロラは発生しません。また水星には磁場があるのですが、大気が無いためオーロラは発生しないのです。

北極圏に、地球温暖化の決定的な証拠はあるのでしょうか。
永久凍土に建てられた住宅が傾くのは、温暖化によって凍土が融けたからではありません。凍土に直接家を建てると、暖房の熱で凍土が融けて家が傾き、数年で住めなくなります。永久凍土上で暮らすには、柱を立てて床と地面の間を空けなければならないのです。
氷河の後退こそ、地球温暖化の証だという意見があります。しかし北極圏の氷河の後退は17世紀から始まっており、逆に最近になって急に前進を始めた氷河もあるのです。また、氷河は数千年の気候変動とともにあり、ここ数十年の気温の変化を反映するものではありません。

過去100年間で、地球の平均気温は0.6℃上昇しています。
その間1940年から1970年までの気温は逆に降下しており、その後再び急上昇し現在に至っています。
1940年からの気温低下の原因は未だはっきりしておらず、かつては地球は氷河期に向かっているとの意見が主流でした。寒冷化は、人類にとって温暖化以上の脅威です。寒冷化による凶作は、地球規模の大飢饉を招きます(温暖化は農作物の収穫にはプラスです)。

現在の気温上昇のうち、どこまでが自然変動でどこからが人間の文明活動に起因するのか、実は全くわかっていないのだそうです。
気温の上昇によって、海洋中の二酸化炭素や永久凍土に封じ込められたメタンガスが大気中に放出され、温暖化が加速されたのかもしれません。
過去100年間の気温上昇のうち、0.2℃は太陽の活動の影響だとする計算もあります(すると人為要因による上昇は0.4℃)。だからといって、人間の文明活動が環境に与えている影響は無視できません。

本書はサイエンスと銘打っていますが、アラスカでの生活や北極圏探検史も交え、たいへん易しい本に仕上がっています(ただ、複数の連載をまとめたために、各章に重複した話題が多いです)。
美しいカラー写真も豊富で、地球の神秘に触れたい人にはオススメです。
地球温暖化についてじっくりと考えてみたい方も、是非!

(2月12日読了)
ラベル:地球温暖化
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:51| Comment(50) | TrackBack(1) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月10日

アニミズム革命

メデューサメドゥーサ)といえば、髪の毛は蛇で、その姿を見た者は石になるという、恐ろしい女の怪物です。
ところが本来、メデューサは豊穣をもたらす大地の女神であって、キリスト教の普及とともに禍々しい怪物の地位に貶められてしまったのだそうです。
随分昔の話ですが、TBSテレビの『日曜特集・新世界紀行』で、このような内容の番組が放送されました。番組終了時のテロップでネタ本として紹介されていたのが、安田喜憲氏の『大地母神の時代』で、この本によって環境考古学という学問の存在を知りました。
環境考古学とは、遺跡から発掘される植物の花粉を分析し、当時の自然環境を再現する学問です。その結果、気候変動や環境破壊と古代文明の盛衰の関連が明らかになってきました。
安田氏は環境考古学のパイオニアであり、自然と文明が共存するためにアニミズムの復権を主張しています。


一神教の闇



安田 喜憲著



自然そのものを神として崇めるアニミズムは、山・川・動植物など、ありとあらゆる事物に神が宿ると考える多神教です。
ユダヤ教キリスト教イスラム教は、唯一絶対の神を戴く一神教です。一神教が生まれたのは、厳しい砂漠の環境でした。自然は、人間が支配し生活に役立てるために、神が創り賜いし物だと考えます。
一神教的世界観は、文明を発展させ科学技術の進歩をもたらしました。しかし、自然は征服されるべきものとの思考は、環境破壊・資源の枯渇を招いています。また、他の宗教に対する非寛容さは、戦争の原因ともなります。

あらゆる宗教を否定した共産主義もまた、一党独裁を是とする一神教的世界観の産物です。著しい経済成長を続ける中国の地球環境への影響に、安田氏は随所で強い懸念を表明しています。一方で、中国にはまだアニミズムの精神が生き残っていると、期待もしています。その象徴がドラゴン)の信仰です。
なお安田氏は本書で中国を「わけなし」の国と呼び、「日本は憲法を改正し、中国や韓国からの不当な内政干渉があった時は、日米同盟を基軸として、断固としてはねのけるべし…」と書いています。

人類の二大脅威である環境問題と国際紛争を克服するには、一神教的世界観を見直し、かつて人類が普遍的に持っていたアニミズム的世界観を取り戻さねばなりません。
ただ、こうした主張は“ベタな西洋近代文明批判”と受け取られる危惧があります。
実際に安田氏は「二項対立論者だ、西洋文明との対決を言っている」と批判されたり、「西洋ではアニミズムとは野蛮な概念である、別の用語にしてはどうか」とありがたい忠告を受けたこともあるそうです。
この本の文章には、攻撃的な感じが否めなかったことを記しておきます。

「あなたの信教は何か?」と問われたなら、私はアニミズムだと答えます。
アニミズムの復権を唱える安田氏とは、共感できる部分が多くあります。
ただし、アニミズムの復権と言っても、人間中心主義自然中心主義を置き換えただけでは、佐倉統氏が指摘するように「自然VS人間」の二項対立の構図を裏返したに過ぎません(現代思想としての環境問題)。
環境問題とは、人間が今後も文明を享受したいがゆえに生じる問題です。文明を放棄すれば良いとか、地球の敵である人間は滅びてしまえば良いと言うのなら、そもそも環境問題は存在しません。
環境問題は、人間中心主義でしか有り得ないのです。
しかしこれからは、人間も自然界の生物の一員に過ぎないことを自覚した“謙虚な人間中心主義”です。
私たちが生きている限り、環境問題は「解消」しません。「緩衝」するしかないのです。

(2月8日読了)
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:50| Comment(16) | TrackBack(1) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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