2007年03月04日

お金に国境はない!

あなたが1,000ドルの外貨預金をしたとします。
その1,000ドルは一体どこにあるのでしょう?

あなたが預金した1,000ドルは、日本には存在しません。アメリカにあります。
米ドルを扱う日本の銀行は、アメリカの銀行に口座を持っています。このアメリカ側の銀行をコレスポンデント銀行コルレス銀行)、そこにある日本の銀行の口座をコレスポンデント口座コルレス口座)と呼ぶそうです。
※コレスポンデント=中継地

日本とアメリカを往き来するのはデータだけで、円は日本から、ドルはアメリカから動いてはいません。
世界各国の中央銀行が保有してるドル建て外貨準備高はすべてニューヨークのコルレス銀行に預けられており、アメリカ政府が自国の銀行に対しコルレス口座の凍結を命じれば、世界中のすべてのドル預金を差し押さえることができるのです。

アメリカは、マカオのバンコ・デルタ・アジアにある北朝鮮資金を凍結する、金融制裁を発動しました。
なぜアメリカは、外国の銀行にある資金を一方的に凍結できるのか。その秘密がコルレス銀行(コルレス口座)にあったのです。
また、国際的な金融取引はすべてSWIFT(The Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication=国際銀行間通信協会)に記録されています。
いわゆる“テロとの戦い”で、アメリカ政府はSWIFTに情報提供を申し入れ、テロ資金の流れを解明したのです。

世界を震撼させた、2006年の北朝鮮によるミサイル発射実験および核実験。
アメリカによる金融制裁は、北朝鮮に決定的なダメージを与えており、だからこそ金正日にはアメリカ本土を攻撃できる核ミサイルが必要なのだと、橘氏は言います。

本書には、2006年のライブドア事件や1998年のカシオ事件など、マネーロンダリングに関する数々のエピソードが克明に語られています。
国際金融のカラクリがわかる、目からウロコの一冊です。
脱税目的であったり、テロ資金であったり、犯罪で得た利益であったりと、匿名でやりとりせねばならないお金が世の中にはあるのですね。
最も匿名性が高いのは、もちろん今も昔も現金です。

世界にはタックスヘイブンと呼ばれる、税金のかからない国や地域があります。
富裕層は税金を払いたくなければ、いつでも日本から出て行くことが可能です。
相続税の引き上げなどの増税は、仕事や家庭を抱えて日本で生きていくことしかできない中間層を痛めつけるだけだ。それは控えめに言ってもかなり暗い社会に違いない…橘氏は、あとがきでこう書いています。

(2月26日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 17:20| Comment(4) | TrackBack(2) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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