2007年03月19日

カッパなにさま?カッパさま!

日本で最もメジャーな妖怪といえば、河童ですね。河童の主な特徴は…

・頭に皿があり、皿の水が乾くと死んでしまう
・背中には亀のような甲羅
・手足に水かきがある
・人や馬を川に引きずり込んで、尻子玉を抜く
・キュウリが好物
・鉄(金属)を嫌う

馬を襲った河童の腕を刀で斬った男が、河童に腕を返してやると、河童はお礼にどんな怪我でも治す薬草をくれた…なんていう昔話を聞いたことがある人も多いでしょう。
河童の伝承は日本各地にありますが、その呼び名もカッパ、ガワッパ、ガワタロ、エンコウ、ミズチ、ヒョウスベ…などさまざまです。
河童とはどのようにして生まれた妖怪で、なぜこんなにも多くの呼び名があるのでしょうか。


QED河童伝説



高田 崇史著


高田崇史氏の歴史ミステリ、QEDシリーズの最新刊です。
このシリーズは事件の解決そのもの以上に、歴史に秘められた呪術的な側面や、歴史の表舞台から消し去られた敗者たちの真の姿を描き出す推理が魅力となっています。

河童が棲むという伝説のある川で、ストーカー癖のある男性の絞殺体が発見されます。男性の遺体は、なぜか左手首が切り落とされていました。彼はどうやら、大学病院に勤務する薬剤師の女性をストーキングしていたようです。
被害者の兄は、製薬会社のMR(医薬品情報提供者、要するに病院・医師への薬のセールス)で、大学病院への新薬の売り込みに懸命になっていました。事件の背景には、製薬会社同士の激しいシェア争いがあるのでしょうか…
※当blogでは、事件の真相には触れません!

本作で事件とともに解明される、河童の正体。高田氏はメールマガジン『講談社ミステリの館2007年2月号』で、河童は「今までのテーマのさらにど真ん中」であると語っています。
これまでもQEDシリーズでは、河童とは川辺に暮らす民「河衆」のことであるとしてきました。そして河童や鬼や天狗と呼ばれ妖怪とされた者たちは、王権によって征服された古代の製鉄民であったのです。
河童は冬になると山に入って山童(やまわろ)になるとの伝承にも、河童が秋から冬にかけては砂鉄採集に従事し、春になると砂鉄の水洗作業で流出した粘土質の土地で耕作をしたことを指すのだといいます。これは「田の神は春に山から下りてきて、秋に山に戻る」という言い伝えとも一致しますね。
では本来製鉄民であるはずの河童が、金物を嫌うのはなぜ?
河童の好物がキュウリなのはなぜ?
河童伝説の裏側には、これでもかとばかりに古代の製鉄(タタラ製鉄)との関わりが隠されています。
神社巡りと墓参りが趣味という変な薬剤師、タタルこと桑原崇の推理に耳を傾けましょう。
あとは本書を読んでのお楽しみ!

高田崇史公認ファンサイト club TAKATAKAT

(3月18日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 00:54| Comment(35) | TrackBack(1) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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