2007年06月03日

ふたたび、あかきゆめみし…

ひょろりとした長身に、黒いスーツとサングラス。
若いのか老けているのか、よくわからない容貌。
瀟洒な洋館に、本の山に埋もれてひとり暮らし。
ソファーで本を読んでいるか眠っているかの毎日で、いつもお腹を空かせており大食漢。
全く常識がないが、かつては大学で論理学を教えていたという。
名刺には「名探偵」の三文字。
彼の名は、夢水清志郎

はやみねかおる氏の児童向けミステリ『夢水清志郎事件ノート』シリーズ(講談社青い鳥文庫)をご存知でしょうか。児童向けとあって殺人事件は一切起こりませんが、大人の読者をも唸らせる本格ミステリです。また、夢水名探偵の「食う・寝る・読む」の生活は、本好きにとって垂涎の的であります(笑)
はやみね氏は小学校の教諭で、本嫌いの子どもたちに本を読ませようと、自らも小説を書き始めたのがデビューのきっかけです。現在は専業作家となっています。
これまで数多くのジュヴナイル作品を手掛けてきたはやみね氏が、初めて大人向けのミステリを発表しました。名義も漢字の勇嶺薫に変えて。なお、勇嶺薫は本名ではありません。「幽霊がおる」をもじったペンネームです。



赤い夢の迷宮

(以下、ネタバレはございません)

ゴッチウガッコユーレイCちゃん魔女ココアそしてぼくの男女7人は、小学校時代の遊び仲間。ちなみに先に名前を挙げた3人とぼくが男性、あとの3人が女性です。
ぼくたち7人は、OGと呼ばれる近所の不思議な男性の家によく出入りしていました。
OGとは「大柳の爺さん」の意味です。彼は地元の大資産家の息子らしいが実家から勘当されているようで、ひとり暮らしで無職の彼に学校の先生や親たちは近づかないよう注意します。若白髪のせいで子どもたちからは「じい」と呼ばれていましたが、実際の年齢は40代くらいでしょうか。
ぼくたちの住む街の北側にある三角山は非常に険しく、時には登山者が道に迷います。そして三角山にはお化け屋敷と呼ばれる大柳家の別荘がありました。

あれから25年。30代になったぼくたちの元へ、OGからの招待状が届きます。
実家の兄弟たちがみな亡くなったため、OGはいまや地元で知らぬ者はいない大柳グループの総帥です。大柳ビルに招かれたぼくたちはヘリコプターに乗せられて、かつてお化け屋敷と呼ばれていた大柳家の別荘へと向かいます。
その日は台風が接近中。しかも険しい山あいに位置する別荘では、携帯電話は圏外です。
陸の孤島となった別荘で、ぼくたちを待ち受けていたものは…

はやみね氏は、自らの作品が赤い夢から紡ぎ出されていると語っています。
さあ、漢字の勇嶺氏が描く、ほの冥いミステリの世界へ…

(6月3日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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