2007年09月16日

読書クラブに入りませんか

9月に入っても、残暑の厳しい日々が続いています。
とても「読書の秋」という雰囲気ではありませんね(笑)

今年(2007年)赤朽葉家の伝説で第60回日本推理作家協会賞を受賞し、直木賞候補にもなった桜庭一樹氏。彼女の近作は、読書の楽しみと「毒」をいつまでも忘れることができない、永遠の青年たちに贈る物語です。



青年のための読書クラブ

東京・山の手に広大な敷地を有する伝統ある女学校、聖マリアナ学園。幼稚舎から高等部までが同じ敷地内で学び、大学のみが別校舎となっています。
学園は1919年、フランスからやってきた修道女マリアナによって設立されました。中庭には巨大な(鎌倉の大仏のような)聖マリアナの銅像がそびえ立っています。
生徒はみな良家の子女と目されており、クリーム色の制服に身を包み、黒髪は短く切るか三つ編みにきっちりまとめられ、いずれ劣らぬ清楚でたおやかな様子であります。

聖マリアナ学園のクラブ活動には、ふたつの花形があります。
ひとつは生徒会。学園の行事を取り仕切り、実際に政治家の娘たちが多く所属する、いわば学園の貴族院です。
もうひとつは演劇部。華やかで目立つ生徒が集まっています。聖マリアナ学園では、毎年学園祭で「王子」と呼ばれるスター性のある少女が選出され、生徒たちの擬似恋愛の対象となっていました。この「王子」を数多く輩出してきたのが演劇部です。

1969年、一人の少女が高等部に編入学します。
長身でノーブルな顔立ちの烏丸紅子。しかし彼女は、良家の令嬢が集う乙女の楽園には似つかわしくない「異臭」を放っていました。
大阪・道頓堀の庶民の家で生まれ育った紅子は、実は子爵家の三男の隠し子。母の急死によって父に引き取られ、ワケのわからぬまま乙女の園に放り込まれたのです。
大阪弁の抜けない庶民育ちの紅子を、受け入れてくれるクラブはどこにもありません。ひとりぼっちの紅子が最後にたどり着いたのは、旧校舎の裏の雑木林のそのまた裏にある、崩れかけた赤煉瓦のビル。そこに部室を構えていたのは、異形の少女たちが集う「読書クラブ」でした。
部長は、上場企業経営者の娘にして学園一の才媛でありながら、脂ぎったオヤジのような容姿のせいで生徒会に受け入れられず、流れ流れて場末の読書クラブへとやって来た妹尾アザミ。アザミは紅子を使って、学園を支配してやろうと企みます。

来るものは拒まず、去るものは追わず。学園の片隅で忘れ去られたかのように、ひっそりと静かに本を読むだけの日々を過ごす読書クラブの面々。
そこで代々書き継がれるクラブ誌には、学園の正史たる生徒会誌には決して記録されない、乙女の園の闇の歴史が記されているのです。

(9月16日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

長畝日向神楽

9月15(土)16(日)の両日、福井県坂井市の長畝八幡神社に奉納された、日向神楽を鑑賞いたしました。

日向の名が示すように、舞人が天岩戸神話を演じるものです。
二日間の演目がすべて終わると、拝殿の御幣が世の平安と五穀豊穣を願って参会者に配られます。
昨年は最後までいなかったので御幣をいただけませんでしたが、今年は持ち帰ることができました。

舞人さんたちの一糸乱れぬ素早い動きには、感嘆いたします。近くにお住まいの方は、是非一度ご覧になってください。

【不純文學交遊録・過去記事】
日向神楽

昨年の写真は不純文學交遊館をご覧ください
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 書を捨てて街へ出る会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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