2007年12月31日

人気シリーズのお約束(笑)

ミステリ小説が人気シリーズに成長すると、登場人物を使った派生作品が出てきます。
探偵・榎木津礼二郎が暴れまくる京極夏彦氏の『百器徒然袋』シリーズや、天才科学者・真賀田四季博士を描いた森博嗣氏の『四季』シリーズなど。
当blogがたびたび交遊している高田崇史氏のミステリ『QED』シリーズからも、登場人物の過去を掘り下げる連作短編集が登場しました。



QED〜flumen〜九段坂の春

収録作品は『九段坂の春』、『北鎌倉の夏』、『浅草寺の秋』、『那智瀧の冬』の4編。
『九段坂の春』は桑原崇(通称タタル)の中学時代、『北鎌倉の夏』は棚旗奈々の高校時代、『浅草寺の秋』は小松崎良平の大学時代、『那智瀧の冬』は御名形史紋の大学院時代の物語です。
全く別々の物語が、最後には一本につながる構造となっています。

歴史の謎に高田氏なりの解釈を加えるのが『QED』シリーズのスタイルですが、本書でも比重は低いものの、歴史上の出来事が物語の味付けとなっています。
『春』は万葉集、『夏』は鎌倉で命を落とした大塔宮・護良親王、『秋』は今年の大河ドラマの主人公だった山本勘助、『冬』は熊野・那智の信仰という具合です。

『QED』シリーズ本編の次回作は『諏訪の神霊』です。
1月発売、こちらに期待しましょう。

(12月28日読了)


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2007年12月29日

政権交代に秘策あり

今年も残りわずか。
重大ニュースを振り返ってみますと、国内政治だけでも大きな出来事が目白押しでした。
7月の第21回参議院選挙では自由民主党が大敗し、与野党の勢力が逆転。「ねじれ国会」の呼称が生まれました。
参院選後も続投を表明していた安倍晋三内閣総理大臣(当時)が、突然の辞任。安倍内閣では日本の政治史上例のない現職閣僚の自殺をはじめ、閣僚の問題発言や不正な政治資金処理が相次ぎました。
一方、躍進した民主党でも、大連立構想をめぐって小沢一郎代表の辞意騒動。
国会は宙に浮いた5000万件の年金記録や、テロ対策特措法の延長問題、防衛省の守屋武昌前事務次官の接待疑惑、自衛隊の給油活動の虚偽報告、薬害肝炎訴訟など難題が山積みとなっています。
10大ニュースが政治ですべて埋まってしまいそうです。

激震続きだった今年の政界。その舞台裏では一体なにが起こっていたのでしょうか。
村上正邦平野貞夫筆坂秀世の政界三浪人が再び集結しました。



自民党はなぜ潰れないのか

まず語られるのは、安倍前総理の辞任劇〜福田内閣誕生の真相です。
「戦後レジームからの脱却」や「主張する外交」など強いリーダーシップを掲げた安倍前総理ですが、実像はおとなしい3世政治家であり、自ら作り上げた虚像に追い詰められてしまったのだと分析しています。
最も得意とする北朝鮮拉致問題で、成果を出せずに終わった安倍前総理。村上氏は、日本の政界には「権力者は自分の得意技で身を潰す」ジンクスがあると語ります。
福田康夫総理大臣と後継総裁の座を争ったのは、麻生太郎幹事長(当時)でした。彼がどこで間違いを犯したのかも明かされます。そして麻生氏をめぐる自民党内の私怨も…
小泉内閣が最後まで強い求心力を持ちえたのは、小泉純一郎氏が負けても負けても総裁選に出馬し続けて、ようやく勝ち取った総裁の座だからでした。安倍氏にしろ福田氏にしろ「担ぎ出された」総裁では、ここ一番の危機に耐えられないとのことです。

長く続いた自民党の一党支配。その実態はライバルの日本社会党が裏でおこぼれを預かる、事実上の自社連立政権でした。これが55年体制の実態です。
半世紀も同じ政権が続けば腐敗も生じます。自民党が野党になるとか民主党政権になるとかではなく、日本を政権交代ができる国にしなければならない…これが三者の共通意見です。
そして政権交代・政界再編のキーパーソンとなるのは、やはり小沢氏。
本書は小沢氏の国際貢献論を評価しています。アメリカに対して主張すべきことは主張する、それが真の同盟関係です。
ただ、最近のアメリカと北朝鮮の接近を見ていますと、日米関係が軽視されていないか不安になります。アメリカの戦争の正統性には疑いの目を向けねばなりませんが、テロ特措法延長反対で突っ張り通すのは良いことなのか…難しいところです。
また、小沢氏の手腕を高く評価するのは結構なのですが、本書が著名政治家の疑惑の数々を暴露している以上、小沢氏の不動産取得問題について触れないのは不公平な気がします。

自民党が結党以来初めて野に下り、政権交代を実現したのが平成5年の細川護煕内閣でした。非自民八会派による連立政権はいかにして誕生したのか、たいへん興味深い内容です。
さらに最終章では亀井静香国民新党代表代行が飛び入り参加し、自民党が政権を奪還(村山富市内閣)した生々しい舞台裏が初めて明かされます。
2008年、果たして政権交代は実現するのでしょうか?

(12月25日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
いる?いらない?参議院


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2007年12月17日

秘仏封印

今年(2007年)で、現存する世界最古の木造建築・法隆寺が創建されてから1400年になります。
正確な創建年代や、再建・非再建をめぐる論争、そして創建者・聖徳太子厩戸皇子)の人物像など、法隆寺には数多くの謎が残されています。 

世界遺産である法隆寺は、建造物自体はもちろん、仏像や工芸品など国宝・重要文化財の宝庫です。
なかでも特異なのは、八角形の建物・夢殿に安置された救世観音像です。白い布で幾重にもぐるぐる巻きにされ、開帳すれば地震・落雷が起こると畏れられた秘仏中の秘仏。アーネスト・フェノロサ岡倉天心らによる開帳劇は、日本美術史上に残る有名なエピソードです。
世に秘仏は数あれど、ここまで厳重に封印されたのは異例でしょう。



救世観音像封印の謎

救世観音像は、聖徳太子の等身像であると伝えられてきました。
一方、法隆寺の金堂には、こちらも聖徳太子の写し身とされる本尊・釈迦三尊像があります。どちらも聖徳太子がモデルであるとされながら、この祀られ方の違いはなんなのでしょう。
救世観音像が封印された理由は。そして真のモデルは誰なのか。同じく法隆寺が所蔵する百済観音像のモデルを天智天皇中大兄皇子)だとした倉西裕子氏が、救世観音像の謎を推理します。

美術史的観点から、救世観音像が製作されたのは舒明天皇から孝徳天皇の時代(629年〜654年)。そうなると622年に没した聖徳太子の生前像ではなくなり、それ以降に活躍した人物がモデルでもありません。
また、釈迦三尊像など他の聖徳太子ゆかりの美術品とは扱い方が異なる点からも、倉西氏は聖徳太子モデル説を否定します。

倉西氏が推理する救世観音像モデルの最有力候補は、上宮王家(聖徳太子の一族)ゆかりの皇族・高向王です。
高向王は、実像がほとんど知られていません。聖徳太子の父・用明天皇の孫で、舒明天皇の皇后でもあった皇極天皇(重祚して斉明天皇)の前夫であるとされています。
なお不明とされる高向王の父について、倉西氏は用明天皇の皇子の可能性がある宗像君徳善だとする仮説を提唱しています。徳善が葬られたとされる福岡県の宮地嶽古墳は、規模・副葬品ともに天皇陵クラスです。

倉西氏は百済観音像と救世観音像を比較し、それぞれを祀る勢力がライバル関係にあったことを指摘します。
百済観音像=親物部氏、外交は百済派、モデルは中大兄皇子
救世観音像=親蘇我氏、外交は唐・新羅派、モデルは高向王
物部氏は蘇我氏との仏教受容戦争で、蘇我氏は乙巳の変(大化の改新)で完全に滅亡したわけではなく、その後も朝廷の勢力争いに関与していたようです。

663年の白村江の戦いで日本・百済連合軍は唐・新羅連合軍に敗れ、百済は滅亡します。
しかし勝ち馬に乗ったはずの新羅も、結局は唐に都督府を置かれてしまいました。
白村江という局地戦には敗れたものの、唐に毅然と立ち向かい、防衛強化に努めて日本の独立を守った中大兄皇子の選択を、倉西氏は高く評価しています。

最終章では、救世観音像の封印をいつ誰が命じたのか、倉西氏の推理が展開されています。

(12月9日読了)

倉西裕子ホームページ 倉西先生のご学問所

【不純文學交遊録・過去記事】
女帝・かぐや姫


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2007年12月16日

THE LEGEND IS REAL.(後編)

GT-Rの形式は、CBA-R35
ここで「新生GT-Rは、R34までのスカイラインの系譜を受け継いでいる」…と言いたいのではありません。注目したいのは「CBA」の方です。つまりGT-Rは、平成17年排出ガス基準よりも50%削減した低公害車なのです。時速200kmまで低公害性能を維持できるとされています。
高性能ターボ車でも低公害化は可能、これはGT-R以外にもターボ車が復活する可能性を示しています。近年フォルクスワーゲンが、小排気量エンジンにターボとスーパーチャージャーを付けて省燃費と高出力の両立を図っています。
VR38DETTエンジンには、V36スカイラインクーペVQ37VHRエンジンで初採用されたVVEL(ブイベル;バルブ作動角・リフト量連続可変システム)は搭載されていません。スロットルバルブを介さずに吸気バルブで吸入空気量を調節するVVELが備われば、燃費・排ガス性能がさらに向上し、21世紀のスーパーカーにより相応しいパワーユニットとなるでしょう。
GT-Rの今後の進化に期待します。



日産GT-Rのすべて

日産GT-Rをはじめ、世界の自動車メーカーからは最高時速300km超のスーパーカーが次々と発表されています。
東京モーターショー開幕日、ミツオカ(光岡自動車)は大手メーカーのスーパーカー開発競争に対し、「石油戦争を仕掛けている」(オロチのデザイナー・青木孝憲氏)と挑発的なスピーチをしました。21世紀のいま、スーパーカーと云えども環境性能を無視して地球の道を走ることはできません。
スーパーカーに燃費だなんて無粋なことを…と仰る方もいらっしゃるでしょう。しかし私は声を大にして言いたい、走りのクルマこそ燃費は重要です。レーシングカーは燃費が悪ければレースに勝てません。燃料タンクが大きくなれば重量増となりますし、給油ピット回数が増えてはレースに負けてしまいます。

GT-Rはクルマへの夢と憧れを取り戻してくれました。
世界第一級のスーパーカーが777万円とは、間違いなくバーゲン価格であります。しかし、誰にでも手が届くクルマではないことも事実です。
GT-Rに憧れる若者の受け皿がないのが、いまの日本車の現状。求められているのは21世紀のシルビアでありレビンではないでしょうか。今回のモーターショーのコンセプトカーには「これでは若者のクルマ離れも仕方ないか…」と思いたくなるものもありました。

日本からGT-Rが誕生したのは、本当に素晴らしいことです。
ただ、世界的な省エネルギーという課題があるからには、GT-Rを手放しで大絶賛するわけにはいきません(それでも480PSを発揮するGT-Rの10・15モード燃費は8.2km/Lであり、280PSだったR34GT-Rの8.1km/Lより改善されています。世界一省エネの300km/hカーでしょう)。
そういうわけで、私の第40回東京モーターショーのお気に入りは
@ホンダCR-Z(走りと燃費の両立を目指したハイブリッドスポーツカー)
A日産GT-R
BトヨタiQコンセプト(軽自動車よりも短い3mを切る全長で4人乗車を実現)
といたします。
技術面では、国内メーカーのクリーンディーゼルエンジンに期待が高まりました。
一方、海外メーカーが積極的にハイブリッド攻勢を仕掛けてきたのも気になります(国内メーカー、大丈夫?)。そして今後最も注目したいのは、HCCI(予混合圧縮自己着火)エンジン開発の動向です。

(12月10日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
THE LEGEND IS REAL. 前編
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:31| Comment(0) | TrackBack(7) | 科学技術交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月14日

THE LEGEND IS REAL.(前編)

ようやく書けます…
すでに数多くのBlogで語られてきたであろう、NISSAN GT-R

基本的に何か読まない限り更新しないのが『不純文學交遊録』です(笑)
ニューモデル速報『GT-Rのすべて』を購入しましたので、遅ればせながらGT-Rをめぐって思索してみました。



日産GT-Rのすべて

自動車の国内販売が低迷し、若者のクルマ離れが叫ばれるなか開催された、第40回東京モーターショー。入場者数は前回(151万2100人)に及ばない142万5800人に終わりました。
しかし、連日圧倒的な人気を集めていた一台があります。
THE LEGEND IS REAL. 5年ぶりに復活したGT-Rです。

GT-Rがトランスアクスルを採用するとの情報は、かなり早くから自動車雑誌に報道されていました。フロントエンジンでありながらトランスミッションを後輪の直前に置くトランスアクスルは、前後の重量配分を均等にすることが出来るレイアウトです。
ここで私は疑問が沸きました。
GT-Rといえば4WD。トランスアクスルで4WDを成立させるには、同じ長さのプロペラシャフトが並行して2本走ることになります。これではかなり複雑で、重量面でも不利になると予想されました。もしかして「次期GT-RはFR?」かと思ったり。

ところが実際のGT-Rは、非常に合理的なメカニズムだと知って驚きました。
トランスアクスルの採用で、エンジンの直後に大きなトランスミッションが無くなりました。その結果、エンジンルームに入った空気をスムーズに流すことができるようになり、冷却性能が向上。さらにフロア下に流れた空気は、ダウンフォースを発生します。また、前席の足元が広くなったことでペダルレイアウトの自由度も高まりました。
GT-Rの真髄は、480PSを発生するVR38DETT型ツインターボエンジンでも4WDシステムでもなく、このPMプレミアム・ミッドシップパッケージにこそあったのです。

エクステリア・デザインは、スカイライン時代のGT-Rほどではありませんが、メカニカルな武骨さを感じさせるもの。美しさではスカイラインクーペに敵わないでしょう。しかしCD値0.27と知ってからは、空力の裏付けがあるデザインということで納得させられました。
迫力のあるエクステリアに対して、インテリアにはもっと華やかさが欲しいところ。インテリアに新しさがないことはデザイナー自身が認めており、そのぶん機能性には自信があると語っています。ちなみに「Black edition」の内装色は、欧州市場からの要望のようです。
ボディカラーは全6色ですが、これもオーナーにとっては物足りないところでしょうか。R34のイメージカラーだったベイサイドブルーや、ミッドナイトパープル、ライトニングイエローも似合うと思います。
エンジンルームの見映えはいいですね。最近はどんな高性能車でもプラスチックのカバーで覆われていてツマラナイのですが、GT-Rはエンジン本体のメカニカルな存在を主張しています。

乗り手を選ぶことなく、あらゆる路面条件下で圧倒的な性能を発揮する、マルチパフォーマンス・スーパーカーR35GT-R。時速300kmでも同乗者と会話しながら巡航できるといいます。
GT-R開発の指揮を執ったのは水野和敏氏。ルマン24時間レース参戦をはじめ、レーシングカーの開発に携わってきました。実は水野氏、役員からのGT-R開発指令を一旦断っているのです。その理由については是非とも本書のインタビューをお読みください。水野氏の描く理想のクルマ像が伝わってきます。
つづく

【不純文學交遊録・過去記事】
ときめきを、再び。
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 00:54| Comment(0) | TrackBack(1) | 科学技術交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月11日

究極のトリック

開設してまもなく3年となる『不純文學交遊録』。
不特定多数の書物と日々交遊していますが、当初はもっとミステリ小説(不純文学?)が多くなると思っていました。一時期、メフィスト賞作家の作品を多く読んでいたもので・・・

メフィスト賞の第36回受賞作は、深水黎一郎氏の『ウルチモ・トルッコ』です。
「ultimo trucco」とはイタリア語で「究極のトリック」を意味します。



ウルチモ・トルッコ犯人はあなただ!

小説家である私のもとに、一通の不審な手紙が届きます。
差出人の名は香坂誠一。私の記憶にない人物です。しかも手紙に住所は記されていません。
香坂は、ミステリ小説の世界には残された「最後の不可能トリック」があるといいます。

これまでミステリ小説は、数々の「意外な犯人」を提示してきました。
語り手が犯人、探偵が犯人、動物が犯人(犯獣?)・・・など。
そして過去の作品が未だ実現していない最後の不可能トリック、究極の「意外な犯人」とは・・・それは「読者が犯人」というものです。
「読者が犯人」というトリックを成立させるには、あらゆる読者に「自分が作品を読んだことによって登場人物が殺された」と思わせなければなりません。

究極のトリックを可能にするアイデアを持っていると語る、香坂。しかし彼は、自分には作品を書き上げる時間的・経済的な余裕はなく、しかも他人の目に晒せるような文章を書いたこともないというのです。
そこで香坂は、この究極のトリックを貴殿に売りたいと持ち掛けます。
トリックのアイデア料は一億円。
このトリックに命を賭けていると訴える、香坂誠一。実は何千万円もの借金を抱えているようです。しかし取り引きが目当てなのに、なぜか連絡先を一切明かしません。

彼の目的は何なのか?
そして究極のトリックの正体とは?

以下、ネタバレはございません
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月02日

5次元は、どこにある?

タテ・ヨコ・高さからなる、私たちのすむ3次元空間。それに時間軸を加えると4次元となります。

「私たちのすむ3次元世界は、目に見えない5次元世界に組み込まれている」
5次元世界が存在すると提唱し、世界中の注目を集める科学者がいます。ハーバード大学のリサ・ランドール博士です。



リサ・ランドール異次元は存在する

では5次元を視覚化するとしたら、どんな世界なんでしょう。
ランドール博士は、私たちの3次元世界は5次元世界の膜に貼りついた水滴のようだと言います。3次元世界の住人は5次元世界へ行くことはもちろん、見ることも感じることもできません。
是非とも立体模型で見てみたいですね。

見ることも感じることも出来ない世界なんて存在しないのと同じ、考える意味があるのだろうか…と思うのですが、ここに「消える粒子」という問題が存在します。
粒子加速器で粒子同士を超高速で衝突させ、飛び散った粒子のなかに姿を消したものがあるなら、その姿を消した先が5次元の世界だと考えられるといいます。
スイス・ジュネーブに建設されているLHC(ラージ・ハドロン・コライダー)と呼ばれる、円周27kmもの巨大な粒子加速器。2008年から始まる本格実験は、私たちの世界の外に新たな世界が存在することを証明するのでしょうか。

この本はNHK-BSで放送された「未来への提言」という番組が元になってます。
ランドール博士にインタビューするのは、宇宙飛行士の若田光一さんです。内容は5次元世界にとどまらず、宇宙全般やランドール博士の科学者人生に及びます。
私は5次元世界よりも、ダークマター・ダークエネルギーの方に興味があります。宇宙は光り輝く銀河の星々よりも、光を発しない見えない物質が大部分を占めているというのです。

「理論物理学の研究って実生活に役立つの?」と疑問を持たれる方は多いでしょうが、カーナビゲーションに用いられるGPS(Global Positioning System;全地球測位装置)の正確さは、アインシュタインの相対性理論のおかげなのです。
異次元世界の研究でも、なにか私たちの生活に役立つ発見や発明があるかもしれませんね。

(11月26日読了)
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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