2009年06月28日

くだらない!(笑)

たまには脱力系の一冊を。
さまざまな方法でウサギが自殺を試みる、シュールでブラックな絵本『自殺うさぎの本』が話題となったイギリス在住の脚本家、アンディ・ライリー
今度の作品もシュールです。



うざい発明

アンディ・ライリー 著

表紙はチリトリを引きずって、糞を掃除ながら散歩するイヌ。商品名は「ひとりでできるもん」。ページをめくれば、穴を掘りながら遺体を埋葬する「ドリルかんおけ」。
こんな調子で、くだらない発明品が並びます。

そんな複雑で遠回りな仕掛けを作らなくても、手でやった方が早い…とツッコミを入れたくなるものばかり。
楽をしたいという人間の欲望は、こんなにもくだらない妄想を生み出すのでしょうか?
このくだらなさは、同じくイギリスのコメディアン、ローワン・アトキンソンが演じた『Mr.ビーン』にも通じるものがあると思います。
ブラックなネタも多いので、良識派を自認される方にはおすすめいたしません(笑)。

(6月28日読了)


自殺うさぎの本


またまた自殺うさぎの本


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2009年06月22日

「自然保護」は正しいか

日本で野生のトキは絶滅しましたが、人工繁殖されたトキが佐渡島に放鳥されています。ところが今度は、トキが希少な新種のカエルをエサにしていることが判明しました。人工的に放たれたトキは、佐渡島の生態系のバランスを壊すことになるのかもしれません。

エコカー減税とか、家電のエコポイントとか、エコと名が付けば全て通るような風潮にある昨今。私たちが正しいことだと信じている「自然保護」が本当に良いことなのか、改めて考えてみませんか。



自然はそんなにヤワじゃない
花里孝幸 著

私たちが「保護」しようとする生物は、見た目が綺麗な生物や、食用などの役に立つ生物、クジラのように知能の高い生物に限られます。
人間による開発や乱獲で、数が激減した生物を保護するのは、結構なことでしょう。しかし熱帯林の奥地で発見された新種が絶滅危惧種だった場合、それは人間のせいではなく、現在の地球環境に適応できない生物です。その生物を保護するために、人間が環境に手を加えることは、かえって他の生物を絶滅に追いやるだけかもしれません。

水辺に大量発生するユスリカは、人を刺しはしませんが、人から迷惑がられています。しかし諏訪湖でユスリカが減ると、それをエサにしていたワカサギが小さくなり、漁業に打撃を与えました。ユスリカが減ったのは、諏訪湖の水質改善が進んでアオコが激減したからです。
水質が改善されて澄んだ湖は、栄養が不足していて植物プランクトンが少なく、植物プランクトンが少なければ生息できる魚も少なくなります。きれいな湖よりも、濁った湖の方が生物の多様性は高いのです。
人間が美しいと思う環境が、生物にとって棲み良い環境だとは限りません。

私たちが環境(=人間が好ましいと感じる環境)を破壊し尽くして人類が絶滅しても、地球は滅びません。人間がいなくなった、新たな地球の生態系がそこにあります。自然はとてもタフなのです。もちろん、人間とともに絶滅する生物種も少なくないでしょうが。
人類が絶滅したあとの地球の姿を予測したドイツの映画『アフター・デイズ』のDVDは、こう結んでいます。
地球に人間はいらない。だが、人間には地球が必要なのだ

本書は新潮選書の一冊です。選書には地味でお堅い印象がありますが、本書は易しい文章で、生態系や生物多様性についての理解が深まります。170ページほどの気軽に読めるボリュームです。
ありきたりのエコロジー賛美に食傷気味の方、反エコロジー論にもいかがわしさを感じる方に、おすすめいたします。

(6月22日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
ムシの眼から見る世界
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2009年06月15日

冬眠すれば長生きできる?

人工的に冬眠状態に入った人間が、若々しい姿のまま未来の世界で目を覚ます…SF小説・映画でたびたび見られるシーンです。
宇宙ロケットで太陽系の外へ飛び出すには、何十年もかかります。その間、乗員は歳を取りますし、大量の食料や燃料が必要となります。しかし人工冬眠が可能になれば、宇宙旅行の物理的な制約がなくなるかもしれません。



「人工冬眠」への挑戦
市瀬史 著

冬山で遭難したり、凍結した川に転落した人が、心臓停止の状態から奇跡的に回復したケースがあります。奇跡の生還者たちに共通しているのは、極度の低体温状態だったことです。
心臓や呼吸が停止すると、酸素が供給ができなくなって臓器に大きなダメージを与えます。臓器のダメージを防ぐには、代謝を抑制せねばなりません。そのための有効な手段が、人体を低体温状態にすることです。

自然界には、リスクマのように冬眠する動物がいます。彼らは体温を下げて代謝を抑制することで、生存に必要なエネルギーを節約し、食べ物が不足する冬を乗り切っているのです。
人間は寝たきりでいると骨や筋肉が急速に衰えますが、クマにはタンパク質やカルシウムをリサイクルする仕組みがあって、冬眠中の筋力の低下を抑えています。
また冬眠する動物は、他の哺乳類よりも長生きです(シマリス11年以上、ラット3年)。

冬眠中のリスは、睡眠しているわけではありません。実は二週間おきに冬眠から覚醒して、睡眠不足を解消しています。睡眠は、哺乳類にとって非常に重要なのです。
本題である人工冬眠の実現性については、正直言って「?」。
それよりも、睡眠や代謝のメカニズムについての記述が非常に面白く、興味深い内容でした。

(6月8日読了)
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2009年06月14日

巨大古墳の主は誰?

世界最大級の墓である、大仙古墳(大阪府堺市)と誉田山古墳(大阪府羽曳野市)。前者は第16代仁徳天皇、後者は第15代応神天皇の御陵であるとされています。
宮内庁は天皇陵の学術調査を制限しているため、正確な被葬者は判りません。



応神=ヤマトタケルは朝鮮人だった
林順治 著

う〜ん、いかにもトンデモ度の高そうなタイトル!
しかし版元は、偽史本や陰謀本の得意な徳間書店ではなく、人文系書籍の名門・河出書房新社。勇気を出して読んでみましょう(笑)
林順治氏は出版社役員を務めた著述家で、本書の論旨は古代史研究家・石渡信一郎氏の説に依拠しています。

支那の歴史書に登場する倭の五王(賛・珍・済・興・武)は、記紀のどの天皇に相当するのか、いくつかの説があります。本書は石上神宮七支刀、隅田八幡宮人物画像鏡、稲荷山古墳鉄剣などの金石文を解読し、名前を刻まれた人物の正体を推理します。
その答えは…
・応神天皇=百済王子・昆支、倭王武、ヤマトタケル
・継体天皇=百済王子・昆支の弟、余紀

応神天皇とその五世孫とされる継体天皇は、ともに百済の王子であり、実は兄弟だったというのです。そして誉田山古墳はそのまま応神天皇陵ですが、伝・仁徳天皇陵とされる大仙古墳は継体天皇陵だとします。
そうなると、真の継体天皇陵説が有力な今城塚古墳の主は誰なのでしょうか。その疑問には答えていません。
さらに石渡氏は、次のような説も唱えています。
・欽明天皇=蘇我稲目、ワカタケル
・用命天皇=蘇我馬子

蘇我蝦夷・入鹿親子も天皇であり、聖徳太子や推古天皇は、蘇我氏の業績をカモフラージュするための架空の存在だといいます。
欽明天皇がワカタケルなら、通説がワカタケルとする雄略天皇も架空の人物です。また卑弥呼の墓との説もある箸墓古墳は、崇神天皇陵だと主張しています。

日本と百済は友好関係にあり、大和朝廷は百済を軍事的に支援していました。
本書は、応神天皇と継体天皇が百済王家から人質として来日し、ヤマト王朝に婿入りしたのだといいます。朝鮮半島から襲来した騎馬民族が、武力で日本列島を征服したという話ではありませんので、愛国者の方も安心してお読みください(笑)

それにしてもこの本、架空の人物(天皇)が多過ぎでは…

(5月20日読了)
ラベル:古墳
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2009年06月08日

新型プリウスと交遊開始

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3代目プリウスとの交遊が始まりました。

今回、初めて寒冷地仕様を選択。
雪国なので、冬になるとフロントガラスの凍結を融かすためにエンジンを掛けていましたが、寒冷地仕様のガラスは熱線入り。これで冬季の燃費改善が期待できます。
これまで乗ったクルマは、納車当初からエアロパーツを付けていましたが、今回は発表されて間もないので、まずは純粋な素の状態を体験することにしました。いずれまた、不純な仕様になるんでしょうが…(笑)
交遊を始めて一週間。旧型との比較を交えながらのインプレッションです。


・彫りの深いウェッジシェイプのスタイリング
(ハイブリッドでなくても、このデザインとボディサイズなら乗ります)


・モーターだけで走れる領域が広がった
・エネルギーモニターとナビの画面表示が独立
・45タイヤでも不快感のない乗り心地
・思った以上に明るいLEDヘッドランプ
・操作しやすいシフトレバー
・ボディサイズの拡大は許容範囲内


・メーカーオプションのナビは、テレビを受信するのに別売りのチューナーが必要
(走行中にテレビは観ないから、いらないけど…)

×
・ライトON時にウォッシャーを作動すると、同時にヘッドランプクリーナーも発射!
(フロント周りが青い洗浄液で汚れる)
・旧型よりも大きくなった高周波音
・収納スペースが減った
・近い将来、フィットやヴィッツ並みに路上に溢れそう…

××
・メーカーの広報姿勢

新型プリウスの特徴として「エコモード」「パワーモード」スイッチの採用がありますが、最初エコモードで走ってみたところ、前の車の流れに着いて行こうとすると、アクセルを強く踏んでしまって、かえって燃費が悪くなりました。現在、ずっと通常モードで走っています。2.4リッター級の加速を実現するという禁断の(?)パワーモードは、まだ使っていません(笑)
旧型は青信号で発信するとすぐにエンジンが始動しましたが、新型は結構モーターだけで粘ってくれます。1割ほど燃費が良くなった感じです。
給油後の燃費データは、いずれまたご報告。

【不純自動車交遊界】 2009 TOYOTA PRIUS S Touring Selection



トヨタ・プリウスのテクノロジー
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:35| Comment(6) | TrackBack(0) | 不純自動車交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月07日

食糧危機は、やってこない。

私たちは「危機」が大好きです
小説や映画には、戦争や天災や環境破壊などの危機があふれています。
政治でも経済でも、楽観的な予測が外れると激しく批判されますが、悲観的な予測はそうではありません。



「食糧危機」をあおってはいけない

川島博之 著

「地球の人口が増えて続けて、食糧はいずれ足りなくなる」
「自給率の低い日本は、新興国に買い負けて食糧が輸入できなくなる」
世界的な食糧危機の到来は、幾度となく唱えられてきました。しかしながら耕地面積、食糧の生産性、人口増加率などのデータをつぶさに検証していくと、全く逆の見通しが導き出されます。
どうやら食糧危機はやって来そうにないのです。

中国が経済発展して富裕層が増加すると、牛肉の消費量が急激に増えて、飼料となる穀物が世界的に不足するのではないかと言われました。
しかし中国で家畜の飼料となったのは、それまで価値の無かった、油を採ったあとの大豆の絞りかす(大豆ミール)でした。食肉消費量が増えても、穀物需要はさほど増えなかったのです。

中国の大豆消費量の増加をまかなったのは、ブラジルです。ブラジルには未開発の広大な荒地(セラード)があり、貴重な熱帯雨林を伐採することなく、農地を拡大することができます。
また、集約農業が行われているのは北アメリカ・西ヨーロッパ・東アジアの先進地域だけで、それ以外の地域では面積あたりの収穫量を大きく増やすことができます。
世界の食糧は、まだまだ増産できるのです。

それでも世界には、飢餓に苦しむ人々がいます。とりわけサハラ以南のアフリカ諸国は深刻です。
人口爆発が続くアフリカ諸国ですが、それでも全人口を養うだけの農地はあります。アフリカの貧困は、政治・経済の問題です。人口増加で、地球全体がアフリカのような状況になるわけではありません。
実際には、世界の食糧は余っており、アメリカ・フランスなどの先進国が輸出先を求めて争っています。

著者・川島博之氏は、東京大学大学院農業生命科学研究科に在籍しており、日本で最も豊富なデータを持った方だと思います。
挑発的なタイトルの本ですが、内容は極めて冷静であり、大言壮語な表現は全くなく、非常に好感がもてます。
食糧自給率はどうしても上げなければならないのか、疑問に思った方は是非とも本書を読んでください。

(5月18日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
農政に「NO」を!(前編)
農政に「NO」を!(後編)
悲観も楽観も、いけません。
ラベル:農業
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:01| Comment(12) | TrackBack(0) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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