2009年06月15日

冬眠すれば長生きできる?

人工的に冬眠状態に入った人間が、若々しい姿のまま未来の世界で目を覚ます…SF小説・映画でたびたび見られるシーンです。
宇宙ロケットで太陽系の外へ飛び出すには、何十年もかかります。その間、乗員は歳を取りますし、大量の食料や燃料が必要となります。しかし人工冬眠が可能になれば、宇宙旅行の物理的な制約がなくなるかもしれません。



「人工冬眠」への挑戦
市瀬史 著

冬山で遭難したり、凍結した川に転落した人が、心臓停止の状態から奇跡的に回復したケースがあります。奇跡の生還者たちに共通しているのは、極度の低体温状態だったことです。
心臓や呼吸が停止すると、酸素が供給ができなくなって臓器に大きなダメージを与えます。臓器のダメージを防ぐには、代謝を抑制せねばなりません。そのための有効な手段が、人体を低体温状態にすることです。

自然界には、リスクマのように冬眠する動物がいます。彼らは体温を下げて代謝を抑制することで、生存に必要なエネルギーを節約し、食べ物が不足する冬を乗り切っているのです。
人間は寝たきりでいると骨や筋肉が急速に衰えますが、クマにはタンパク質やカルシウムをリサイクルする仕組みがあって、冬眠中の筋力の低下を抑えています。
また冬眠する動物は、他の哺乳類よりも長生きです(シマリス11年以上、ラット3年)。

冬眠中のリスは、睡眠しているわけではありません。実は二週間おきに冬眠から覚醒して、睡眠不足を解消しています。睡眠は、哺乳類にとって非常に重要なのです。
本題である人工冬眠の実現性については、正直言って「?」。
それよりも、睡眠や代謝のメカニズムについての記述が非常に面白く、興味深い内容でした。

(6月8日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 00:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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