2009年08月12日

エンジンはないほうがいい!(前編)

自民党が土日の高速料金を1,000円にすれば、民主党は高速道路の無料化を政権公約にしています。
どこまで行っても1,000円ならばと、ゴールデンウィークの高速道路は大渋滞。料金が安くなるのはいいことですが、CO2削減をマニフェストに掲げながら、ガソリンの大量消費を促すなんて、矛盾してませんか?
私はCO2が地球温暖化の主因だとは思いませんが、このまま化石燃料の消費が増え続けていいとは思いません。これでは衆院選で投票する政党が無い…
(景気対策なら、一般車よりも営業車の通行料金を引き下げるべきでしょう。昨年の原油高騰で、運輸業界は打撃を受けたことだし…)



最新!自動車エンジン技術がわかる本

畑村耕一 著

今年は2月にホンダ・インサイト、5月にトヨタ・プリウスが相次いで新型となり、エコカー減税の追い風もあってハイブリッド車が空前の大ヒットとなっています。7月には電気自動車の三菱i-MiEVも、法人向け販売が始まりました。
最新のクルマの技術は随時ウェブや雑誌で紹介されていますし、単行本は似たり寄ったりの内容なので、新刊が出たからといって読んだりはしません。それでも本書を手に取った理由は、未来のエンジンHCCIについて一章を割いているからです。

畑村耕一氏は、広島出身で元マツダのエンジニア。世界初のミラーサイクルエンジン搭載車(ユーノス800)を開発しました。
彼の哲学は、なんと「エンジンはないほうがいい!」です。
畑村氏は、排気量でエンジンを語るのは時代遅れだと主張します。エンジンの出力を決めるのは吸気量、燃費を決めるのは排気量であり、同じ出力を得るなら排気量の少ないエンジンの方がエライのです。

ハイブリッドカー・プリウスのエンジンは、アトキンソンサイクルを採用しています。
通常のガソリンエンジンはオットーサイクルと呼ばれ、吸入‐圧縮‐膨張‐排気の4つのサイクルにおけるピストンのストロークはすべて均等です。オットーサイクルは吸気量=排気量であり、すなわち圧縮比=膨張比です。
これに対しアトキンソンサイクルとは、圧縮比<膨張比とすることで熱効率を高めたエンジンです。圧縮比<膨張比ということは吸気量<排気量であり、アトキンソンサイクルは実際の排気量よりも低いトルクしか得られないことになります。
でも心配はいりません。プリウスにはモーターがあるので、エンジンのトルク不足を十分に補えます。ハイブリッドだからこそ、トルクを低下させてでもエンジンの効率を高めることが出来たといえるでしょう。

なお元来のアトキンソンサイクルとは、複雑なクランクシャフトの動きでストロークを変化させたエンジンのことで、現在のところ実用化されていません。
プリウスは吸気バルブの「遅閉じ」でアトキンソンサイクルと同じ効果を得ており、これをミラーサイクルと呼びます。つまり、マツダのミラーサイクルとトヨタのアトキンソンサイクルは同じなのです。先駆者であるマツダの呼称を、後発のトヨタは避けたわけですね。

(つづく)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:56| Comment(2) | TrackBack(1) | 科学技術交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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