2009年10月26日

出雲は、出雲だけでない(前編)

因幡の素兎、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)など、記紀に描かれた神話の多くは出雲が舞台となっています。
しかし『出雲国風土記』では、八岐大蛇を退治した英雄・素戔嗚尊(スサノオノミコト)が、あまり活躍しません。また山陰地方には、古代の王権の存在を示す遺跡がありませんでした。そのため出雲神話は、ヤマト朝廷が王威を示すための創作に過ぎないと考えられてきたのです。
ところが荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡の発見によって、出雲にも強大な勢力があったことが明らかになってきました。



QED出雲神伝説
高田崇史 著

『QED』シリーズ第16弾は、出雲神話の謎に迫ります。

奈良県桜井市の初瀬川沿いにあるリゾートマンション「八雲」の一室で、女性が首を斬られて死亡していました。凶器は、部屋に飾ってあった出雲刀と呼ばれる古風な太刀。部屋は密室状態で、壁には奇妙な文様が…
マンションの所有者は島根県の財団職員・野川達夫で、被害者は彼と交際していた八刀良子でした。警察から文様を見せられた野川は、かつて存在した忍者の集団「出雲神流」のものだと言います。
実は一週間ほど前に起きたひき逃げ事件の現場にも、同じような文様が残されていました。これは忍者の末裔を名乗る、闇の組織の犯行声明なのでしょうか。あるいは、自分たちの秘密を探ろうとする者に対する警告か…

事件の取材を進めていたジャーナリストの小松崎良平は、出雲神流とは何かを知るべく、友人の桑原崇に電話しました。神社仏閣めぐりと墓参りが好きなことから、タタルとあだ名される変な薬剤師です。
いつもなら殺人事件に興味を示さないタタルですが、事件の鍵が「出雲」にも関わらず現場が「奈良」だと聞いて、自ら事件を調べたいから奈良へ行こうと言い出します。
タタルと小松崎は京都駅で棚旗奈々と合流し、まずは京都府亀岡市にある出雲大神宮を訪れました。ここは元出雲と呼ばれ、島根県の出雲大社よりも古い由緒を誇ります。そして事件の発生した、奈良県の三輪山周辺もまた、かつては出雲と呼ばれていたのです。
出雲とは、もともと出雲(島根県)にあったのか。それとも…

(つづく)

講談社BOOK倶楽部『QED』特集

【不純文學交遊録・過去記事】
旧暦10月・出雲は神在月
太陽の道


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 17:49| Comment(4) | TrackBack(2) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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