2010年01月12日

これがバブルだ!

現在、日本経済はデフレ状況にある…政府は昨年11月の月例経済報告で「デフレ宣言」をしました。
内閣府 月例経済報告(PDF) 平成21年11月20日

不況でモノが売れなくなる⇒値段を下げる⇒売上が減少する⇒賃金を引き下げる⇒さらにモノが売れなくなる⇒また値段を下げる…この繰り返しがデフレスパイラルです。
資本主義は成長し続けることで成り立っており、緩やかなインフレは望ましい状態だと考えられています。しかし、インフレになって良いことはひとつもないと断言するのが、経済学者で個人投資家でもある小幡績です。
小幡績 日銀は日本経済を救えるか?(PDF)

小幡績といえば、資本主義とはネズミ講であると看破した『すべての経済はバブルに通じる』の著者です。冒頭であまりに明快に書いてあるので、それだけで得心してしまったのですが、この機会に最後まで読みました。



すべての経済はバブルに通じる

世界金融危機の発端となった、サブプライムローンの崩壊。その仕組みについては過去に交遊した書物にも書かれているので、ここでは述べません。
証券化によって流動性が高まったサブプライムローン債権は、多くの投資家を集める商品となりました。
サブプライムローンに実体があるかどうかは、本質的な問題ではありません。投資家にとって最大のリスクは、住宅ローンが債務不履行になることではなく、債権が売りたいときに売れなくなる(流動性が低下する)ことです。要は何であれ、買ったときよりも高く売れれば良いのです。
怪しげな商品だからといって、利益を出している最中にゲームから降りてしまっては、投資ファンドはライバルよりも多くの利回りを得ることができません。バブルが崩壊する寸前まで、ファンドマネージャーはゲームから降りることができないのです。
バブルだと分かっていても止められない。むしろバブルだからこそ乗り遅れまいと投資する。これがバブルの本質です。

サブプライムローンの影響が少なかった日本で、なぜ最も株価が暴落したのか。これについても本書は明快に答えています。
円キャリー取引という言葉をご存知でしょうか。ゼロ金利の日本で資金を安く調達し、高金利の通貨で運用したり、その他のリスク資産に投資することです。実際に円キャリー取引が行われていたかどうかよりも、多くの投資家が円キャリー取引があると信じていたことが重要です。
サブプライムショックで、世界中のリスク資産から投資の引き揚げが始まりました。投資家は円での借り入れを返済するために円を買い戻し、円高が一気に進行します。円高になると、日本経済は輸出依存度が高い(と思われている)ため、株式相場は下落するのです。
また、日本市場は外国人投資家の後追いばかりで、仕掛ける側の投資家からは格好のターゲットにされているとも指摘しています。

資本主義の正体を暴く痛快な一冊。ハッキリ言って、面白すぎます!

(1月11日読了)★★★★★

【不純文學交遊録・過去記事】
それでもバブルは繰り返す


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posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 21:01| Comment(50) | TrackBack(0) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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