2010年02月14日

母を訪ねて…

江戸時代に建てられた、広大な武家屋敷の離れ。
その床下に設えられた氷室には、ミイラ化した死体。
ところがミイラとなったはずの男が、毎日のように屋敷の主の前に現れる。
さらには空から人が降り、塀が血を流し、壁の色が一晩で真っ白に…



武家屋敷の殺人

呪われた武家屋敷が舞台のミステリ。
とはいっても時代劇ではありません。

どんな依頼でも引き受ける物好きな法律事務所に勤める、若手弁護士の川路弘太郎。ある日、二十歳くらいの女性から、自分の生家を探して欲しいとの依頼を受けます。
依頼人の静内瑞希は、生後間もなく小さな籠に入れられて、八王子市の児童養護施設の前に置き去りにされました。籠の中には手紙と現金、そして母親と思われる女性の写真と日記帳。
瑞希の母・怜子は、江戸時代から続く資産家が、芸者に生ませた隠し子でした。

手紙と日記を書いたのは怜子の異母兄、つまり瑞希の伯父です。
日記帳に書かれていたのは、武家屋敷で起こった奇妙な現象の数々。しかし具体的な地名は一度も出てきません。果たしてこれだけの手掛かりで、瑞希の生家は見つかるのでしょうか。
瑞希の依頼を馬鹿にしつつも、なんとかなると言うのは、川路のリバーカヤック仲間である那珂邦彦でした。

妄想としか思えない日記から武家屋敷を探し出す、邦彦の破天荒な推理が圧巻。これだけで一冊のミステリになりそうですが、まだ序の口です。
川路たちがたどり着いた武家屋敷では、新たな事件が発生。20年前に起こった惨劇と合わせて、推理は二転三転(さらに四転五転…)。
最後の最後まで読者を翻弄します。

(2月11日読了)★★★★


この先、未読の方はご注意ください。


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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