2010年12月30日

いつのマニか消えた宗教

9月26日、マニ教の宇宙観を描いた絵画が日本国内に現存していることが、世界で初めて確認されました。
マニ教(原音に忠実な表記はマーニー教)は、パルティア貴族出身のマーニー・ハイイェー(216‐277)を開祖とする宗教です。一時は仏教・キリスト教・イスラム教に次ぐ第4の世界宗教とも呼べる拡大を見せましたが、現在は消滅しています。

【送料無料】マニ教

【送料無料】マニ教

価格:1,890円(税込、送料別)



マーニー教は善悪二元論に基いており、肉体的・物質的なものを極端に忌避する、禁欲的で厭世的な教義を特徴としています。善悪二元論を採ることから、マーニー教はゾロアスター教の焼き直し程度にしか思っていなかったのですが、その成立過程は実に興味深いものでした。
マーニーは、父が入信しているユダヤ教系のエルカサイ教団で育ちました。しかしユダヤ教の規律に反発した青年マーニーは、教団を追放され、独自の宗教思想を打ち立てます。
マーニー教最大の特徴は、教祖マーニーの頭の中で組み立てられた人工宗教だということです。マーニー教は、教祖自らが教典を著した書物の宗教であり、さらにマーニーは教義を絵画で表現しました。実に多才な人物だったのです

かつて栗本慎一郎が、著書で「好きな宗教はマニ教」と書いていたことから多少の興味はあったのですが、本書に出会ってマーニーが面白い人物であると気付きました。マーニーの父パティークも、やたらと行動の軽い可笑しな人物です。
そんなこと知って何の役に立つんだと言うなかれ。こういうマニアックな人文書と交遊するのが、不純な読書の楽しみなんですね。オススメです。

(12月30日読了)★★★★★

【不純文学交遊録・過去記事】
アーリア人って、誰のこと?


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。