2011年02月13日

脳ドーピングの時代

動物実験によって驚異的な知能を獲得した、ネズミのアルジャーノン。知能に障害をもつ青年チャーリィは、この脳手術の被験者となることで、みるみる知能が向上します。
しかし彼は、これまで自分が周囲の人々から受けてきた仕打ちを知り、手術によって得られた知能はやがて失われることを悟るのでした。
ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』中編1959年、長編1966年発表。


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受験シーズン真っ盛り。
スポーツの世界では、記録向上を狙って筋肉増強剤や興奮剤を用いるドーピングが禁止されています。では、試験の前に薬物を服用して集中力を高めたら、それは脳ドーピングと呼べるのではないでしょうか。

脳死は、果たしてヒトの死なのか。脳をスキャンして思考を解読できるようになったら、私たちのプライバシーは守られるのか。エンハンスメント(病気の治療のために開発された技術や医薬品)によって、知能を向上させることは許されるのか…
本書は最新の脳科学の動向を踏まえた、ニューロエシックス(脳神経倫理学)の入門書です。問題提起の書という感じで、正直言ってエンターテイメント性は皆無ですが、脳科学に関心のある読者なら、なにかしら興味を引かれる話題があるかと思います。

エンターテイメント性を求めるなら、マイケル・ガザニガ『脳の中の倫理』や、V.S.ラマチャンドラン『脳の中の幽霊』『脳の中の幽霊、ふたたび』が面白いですね。
ガザニガやラマチャンドランの議論は本書でも採り上げられており、本書の内容を理解するためには、彼らの著書を先に読んでおく必要があります。

(1月27日読了)★★★★

【不純文学交遊録・過去記事】
マイ脳リティ・リポート
ないものがあり、あるものがない。


ラベル:生命倫理
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・思想交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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