2011年07月24日

古墳はタイムカプセル

管理人は、なぜか古墳が好きです。ひとことで言えば、昔の人のお墓なのに。
前方後円墳という独特の形状に加え、古代のタイムカプセルというイメージにロマンを感じるからでしょうか。

古墳のことならこの一冊でなんでもわかると言わんばかりの、ストレートなタイトル。ただし、大仙古墳(伝仁徳天皇陵)や箸墓古墳といった畿内の巨大古墳ではなく、地方の首長墳の事例を多く採り上げているのが本書の特徴といえます。

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古墳には大きく分けて2度の変革期があります。
4世紀末には、副葬品が鏡や石製品などの呪術的なものから、武具・馬具に変化します。高句麗との交戦が、倭国に軍備の革新を急がせました。溝口睦子・武澤秀一のタカミムスヒ論と共通する歴史観です。
5世紀後半になると、畿内大王陵に匹敵する規模をもった地域首長墳がなくなります。大和政権の地方豪族に対する優位が確定した雄略天皇の治世に相当する時代です。武具・農具には、鉄器技術の革新が顕著にみられます。
そして前方後円墳が終焉を迎えるのは、西日本では6世紀後半、東日本では7世紀初頭でした。畿内政権の強権によって、です。

最新の発掘成果も反映されています。
昨年9月に八角形古墳であることが判明し、斉明天皇陵である可能性が高まった奈良県明日香村の牽牛子塚古墳。八角形は天皇陵クラスの証であると考えられますが、地方にも八角形古墳が存在するため、引き続き検討が必要なようです。

(6月5日読了)


ラベル:古墳
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月10日

恐竜は種類が多すぎる

映画『ジュラシック・パーク』のテクニカルアドバイザーであり、主人公アラン・グラントのモデルとなったアメリカの古生物学者ジャック・ホーナー博士(モンタナ州立大学付属ロッキー博物館)が来日しました。博士は、子育て恐竜として知られるマイアサウラ(良母トカゲの意)の記載者でもあります。
7月10日、福井県立恐竜博物館の特別展「新説恐竜の成長」で、ホーナー博士が「Dinosaur Shapeshifting −変身する恐竜たち−」と題して記念講演を行いました。

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このトリケラトプスは幼体?成体?(答えは特別展を見てね)

ホーナー博士の持論は「あまりにも恐竜の種類が多すぎる」です。博士は、これまで別々の種類として記載されてきた恐竜の化石が、成長段階の異なる同一種であることを明らかにしてきました。
同じ地層から発掘された、大きさが異なる良く似た恐竜の化石。骨の断面を調べてみると、小さい固体は構造がスポンジ状で、急速な成長の過程にあることが判りました。一方、大きい固体の骨は成長を終えていました。例えば、トリケラトプスとトロサウルスは別の種類だとされてきましたが、実はトロサウルスとはフリルの大きく成長したトリケラトプスであることが判明したのです。
こうして幾つかの恐竜は、図鑑から姿を消しました。博士は、現在知られている恐竜(約800〜1000種)のうち、3分の1は姿を消すだろうと述べています。

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サインに応じるホーナー博士

今回の特別展には、世界最大(1.5m)のティラノサウルスの頭骨や、さまざまな成長段階のトリケラトプスの頭骨など、モンタナ州立大学付属ロッキー博物館が所蔵する貴重な標本が展示されています。
ティラノサウルスは成長とともに歯が大きくなり、歯列の数は減っていきました。大きく丈夫な歯は骨を噛み砕くのに適しており、ホーナー博士はティラノサウルスの成体がスカベンジャー(屍肉食)だったとの説を唱えています。ティラノサウルスは幼体が獲物を追い立て、成体が待ち伏せして狩りをしていたとの説に対し、証拠がないとして博士は否定的です。
リアルなアニマトロニクス(恐竜ロボット)も特別展の目玉ですが、個人的にはロボットよりも実物化石を多く見たかったですね。トリケラトプスの死体(模型)は、かなりグロいので注意!
平成23年度 福井県立恐竜博物館特別展「新説恐竜の成長」
7月8日(金)〜10月10日(祝)
 福井県立恐竜博物館

最近、ティラノサウルスの幼体には羽毛があったとの説があるようです。
そこで私は、鳥類は羽毛恐竜がネオテニー(幼形成熟)で進化したのではないかとのトンデモ説を思いつきました(笑)。


ラベル:恐竜
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 書を捨てて街へ出る会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月01日

絶滅危惧少女

オンライン書店ビーケーワンのメールマガジンで知った、荻原規子のファンタジー小説『RDG』(レッドデータガール)シリーズ。
レッドデータといえば、動植物の絶滅危惧種を意味します。稀少な動植物を採集・保護して未来へと遺す物語かな…と思いきや、バリバリの横文字タイトルにも関わらず、日本の神話・民俗世界をベースにした和風ファンタジーなんだとか。『角川銀のさじ』シリーズというジュブナイル向けレーベルの作品ですが、これは是非とも読んでみたくなりました。

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世界遺産に登録された熊野古道に建つ玉倉神社。
鈴原泉水子は、宮司である祖父と一緒に暮らしています。父はIT企業のプログラマーで、2年前にシリコンバレーへ渡って帰国することは稀。母は警視庁公安部で潜入捜査に従事しているため、なかなか連絡が取れません。
玉倉神社は標高千メートルもの山頂近くにあり、中学校への通学は黒塗りのセダンでの送り迎え。通学に時間がかかるので部活動に入ることができず、同級生の家に遊びに行ったこともありません。泉水子は、生まれてから一度も山を下りたことがないのです。

そんな泉水子が中学3年生になり、修学旅行の季節がやってきました。
生まれて初めて山を下り、大都会・東京へと向かいます。
泉水子は極度の引っ込み思案で、運動が大の苦手。パソコンや携帯電話も使えません。まるで現代に迷い込んだ古代人のような泉水子ですが、実は電子機器をフリーズさせる特殊な能力があるようです。
泉水子のもつ特殊な能力の正体とは、そして彼女の家系に秘められた謎とは…

荻原規子は『勾玉』シリーズなど、日本神話を題材にした物語を得意とする作家。
『RDG』シリーズは2008年から年1作のペースで刊行されてきましたが、今年は5月の第4作に続いて、秋には第5作も出る予定。さらには大人の読者を狙っての(?)文庫化も始まるなど、一大攻勢を掛けてきています。今年下半期は『RDG』シリーズが、出版界を席巻しそうな予感。
第1作『はじめてのお使い』は、これから始まる物語のあらましという感じ。この先どんな展開が待ち構えているのか、とても気になります。

(6月16日読了)★★★★



posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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