2005年01月03日

賛否両論踏まえた“39条”入門書

刑法三九条は削除せよ!是か非か(新書y 120)
呉智英共編著・佐藤幹夫共編著

刑法39条。それは@心神喪失者を不可罰とし、A心神耗弱者の刑を軽減するものです。責任能力無き者の人権を守る条文である一方、犯罪被害者(の遺族)は加害者が無罪放免されることに憤りを隠せません(同様の問題は少年犯罪にも言えます)。

本書は呉智英・小谷野敦といった批評家や現場の精神科医・弁護士らが、それぞれの立場から39条の是非を論じます。責任能力とは何か、被害者感情にどう応えるのか、心神喪失者とそれを装っているだけの者をどう区別するのか、果ては精神鑑定そのものの科学的根拠にまで疑いの目は及びます。また、Aの心神耗弱の条項のみ削除せよとの意見もあります。心神耗弱というなら、殺人に手を染める瞬間は誰だって普通の精神状態ではないですから。ただ忘れてはならないのは、大多数の心神障害者が犯罪とは全く無縁の人生を送っているということです。

実は最も無視されているのは、犯罪者と同類扱いされてしまう加害者親族の人権かもしれません。
(1月2日読了)



posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・思想交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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