2005年09月11日

ニッポンの、3分の2


日本の山村は、急激な過疎化に見舞われています。その一方で、高齢者が一度は捨てた村に回帰する動きも見られます。山が単に貧しく不便な地なら理解できない現象ですが、そうではないと著者は考えました。
村の経済規模を米の石高で表すなら、水田の少ない山村は非常に貧しいことになりますが、実際には林業や狩猟といった豊かな山の幸に恵まれていました。福井県名田庄、山梨県早川、長野県秋山などの古文書から、豊かな山の世界が浮かび上がってきます。
山の幸は交易によって他の村々にもたらされ、人的交流も活発であり、山村は閉鎖的であるという見方にも異を唱えています。
日本列島の約3分の2は山地です。稲作中心・平地中心の歴史観からは見えてこない、もうひとつのニッポン。民俗学好きの方も楽しく読めると思います。


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 19:23| Comment(4) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この本はまだ、読んでませんが、この書評を読んで、白土三平の忍者漫画を思い出しました。
平地・稲作のワールド VS 山のワールドです。
そして、今も残る江戸時代の身分制度とタブーの話でもあります。
宮崎学の本も、白土三平・漫画と絡めると、別の面が見えてきて、面白いかもしれません。
Posted by オオクボタケヒト at 2005年10月10日 00:44
稲作中心の歴史観からは見えてこない、もうひとつのニッポン「山のワールド」には、想像力を刺激するものがありますね。
一方で「山」の豊な世界を、現代にも通じるスローライフのお手本として美化するだけでは、定住民側からの非定住民差別の問題が見えてこないのは、ご指摘の通りだと思います。

追伸;お願いがあります。当blogを「書評」とは呼ばないで下さい。交遊した本を「紹介」しているだけですので。私に作品の優劣や学問的真偽を判定する能力はありません(笑)
Posted by 管理人 at 2005年10月12日 12:55
わかりました。
「紹介」にします・
(^^)
たしかに、書評は偉そうですね。
私も自分のブログで、いろんな本を紹介してますが、自分が正しい評価をできるとは、まったく思っていません。

でも読んで、自分が感じた気持ちは正直に書きたいと思ってます。
自分が本を買う時に、アマゾンのカスタマー・レビューをよく参考にするので、私のブログの「本の紹介」も、そのような気分で、紹介しています。というか、実はアマゾンのカスタマー・レビューに、対抗心を燃やしているのです。
(^^;)

ちなみにアマゾンはカスタマー・レビューで、bk1は書評ですね。
Posted by オオクボタケヒト at 2005年10月12日 23:30
コメント有り難うございます。

私は、自分が面白いと思ったポイントを、その本の全体像が判るように、なおかつネタバレにならないように紹介することを心がけております。
・・・が、私の能力で本の持つ面白さが十分伝わっているかどうかは非常に心もとないので、今後も精進いたします(笑)


Posted by 管理人 at 2005年10月13日 12:55
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