2005年09月18日

メディアを制す者、選挙を制す。

2005年9月11日の衆議院総選挙では、自由民主党が296議席を獲得し圧勝しました。
自民党小泉総裁は『改革を止めるな』と訴え、争点を郵政民営化一本に集約。民営化法案に反対した前議員に次々と対立候補を擁立し、有権者に改革の本気度を強烈にアピールすることに成功しました。
一方、民主党の『日本をあきらめない』というコピーは、ハッキリ言って意味不明。独自の郵政改革案にも後出し感は否めず、むしろ姿勢のブレを印象付けただけに終わりました。

選挙は短期決戦であり、有権者の支持を得るには政治姿勢を判りやすく訴えることが必要です。しかし判りやすさの安易な追求は“ワンフレーズ・ポリティクス”と呼ばれ、大衆を欺くものとして批判する声もあります。そこで手に取ったのがこの本です。

メディア危機
金子勝著 / アンドリュー・デウィット著

『テロとの戦い』という単純なスローガン。
『我々の側に付くのか、テロリストの側に付くのか』という二項対立図式。
アメリカ・ブッシュ政権のメディア戦略は問題を単純化し、戦争やテロの裏側にある複雑な構造を見えにくくしています。そんなアメリカの手法をあたかも“グローバル・スタンダード”であるとして受け入れてしまう、我が日本。単純化は、思考停止を促します。
メディア・リテラシーの大切さを訴える本書ですが、メディアの虚構を見破るのは実際には難しいことです。思考停止しないために…当blogとして言えるのは、ひたすら“読む”という行為を続けることのみですね。
(9月16日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 13:41| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会・思想交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 金子勝はいいですね。理論的な本はよくわからないけど、わかりやすい著作はものすごくわかりやすく、いつも感心します。経済学者は何を言ってるのかわからない人が多いですから。
(><)
でも金子勝レベルのメディア・リテラシーを持つのは難しいのでは?
ところで『エコノミト・ミシュラン』(太田出版)では、金子勝はかなり評価が低いです。
類書として『不安の正体!』(金子勝&Aアンドリュー・ディビット&藤原帰一&宮台真司)もいいですね。
けれど、中に掲載されている宮台真司の『華氏911』批判は全然ダメだと思います。
Posted by オオクボタケヒト at 2005年09月19日 12:03
『華氏911』は観ていないのですが、マイケル・ムーアの『おい、ブッシュ、世界を返せ!』は読みました。
9.11直後の、アメリカ上空を航空機が飛行するのを禁止されたその日に、米在住のビン・ラディン一族を国外へ脱出させるため特別機を飛ばした事件。不法入国した金正男を強制送還させるために特別機を飛ばした、どこかの国とよく似ています。
こういう事件があったことを、日本のメディアは余り問題にしませんでしたね。
Posted by 管理人 at 2005年09月19日 23:18
 『華氏911』は、ドキュメンタリーとしてもエンターティメントとしても、良くできた映画です。
ただ情報量が多いため、一回観ただけでは理解できません。
だからシナリオの掲載してある『華氏911の真実』(ポプラ社:発行)やアメリカ在住の映画評論家・町山智浩の『底抜け合衆国』(洋泉社:発行)が理解の助けになるとおもいます。

私は町山氏のブログはよく見るのですが、コメント欄がひどいことになってるのが悲しいです。
ちなみにアドレスです。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20050909
Posted by オオクボタケヒト at 2005年09月20日 00:20
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