2005年10月10日

鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス



年に1冊のペースで刊行される井沢元彦の『逆説』シリーズ、その最新刊であります。今回の主人公は徳川家康です。関ヶ原の戦い、大阪の陣、そして江戸幕府の統治システムを三本柱に、二百六十余年の長きにわたって江戸時代が続いた謎を“井沢流”に解き明かします。
井沢流の真髄は、史料に書き残されなかった歴史を、日本人の宗教観や当時の国際情勢といった史学界以外の“常識”から推理しようというものです。
徳川氏には御三家というものがあります。言わずと知れた尾張・紀伊・水戸の三家です。さらに江戸中期には御三卿というのも出来ました。こちらは田安・一橋・清水の三家で、一橋家から出たのが最後の将軍、慶喜です。
御三卿のうち、田安・一橋両家を創設したのは八代将軍吉宗ですが、彼は紀伊家の出身です。七代将軍家継が夭折し、尾張家との激しい後継争いを制して将軍となりました。このままでは紀伊系将軍の血が絶えた場合、尾張家の復讐を招く恐れがあります。そこで紀伊家の血統を守るために生まれたのが御三卿だというのです。
そもそも将軍の後継が絶えた場合にどうするか明文化されていないのが、紀伊家と尾張家の争いを生んだ原因ですが、有事を明文化しないのが日本人の宗教観『言霊信仰』である…これが井沢の持論です。
もう一つの御三家・水戸家は天下の副将軍と呼ばれながら、将軍の後継候補にはなっていません。何故か…これに対する井沢の解答も面白いですよ。
(10月9日読了)



posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 21:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この本は読んでいませんが、井沢元彦の本はたくさん読んでいます。井沢元彦が『SAPIO』に登場する時は必ず買います。

最近、井沢元彦の、戦国武将の偉人伝を読んで、斎藤道三について気になったので調べてみました。
油売りはしてないし、武士の息子でした。
Posted by オオクボ at 2005年10月14日 23:22
同じ趣味(?)の方がいて、嬉しいです。

斎藤道三が油売りから身を起こしたという逸話は、かなり浸透していますね。昔、道三が主人公の『国盗り物語』という大河ドラマがあったそうですが、そのせいかも…

道三はれっきとした武士の子ですか。コメントありがとうございます。私も確認してみます!!
Posted by 管理人 at 2005年10月16日 18:45
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