2005年10月10日

アジアの純真/アジアの陰謀


満州国にヒトラーに追われたユダヤ人を受け入れようとした「フグ計画」。
ハンガリー・フィンランドから日本に至る、ウラル=アルタイ語族の一大連帯を謳った「ツラン民族運動」。
戦前の日本の大陸戦略は、ユーラシア全域に亘る壮大な民族運動と複雑に絡み合っていました。そこでは近代史に名を残す人物たちが暗躍し、歴史的想像力を刺激してやみません。

亡命ユダヤ人にビザを発給し日本のシンドラーと呼ばれた、杉原千畝。
騎馬民族征服王朝説で史学界に衝撃を与えた、江上波夫。
アメリカとの世界最終戦争を予言した異色の軍人、石原莞爾。
中国・辛亥革命の指導者、孫文。
大本教のカリスマ、出口王仁三郎。
源義経=ジンギスカン説を唱えた、小谷部全一郎。

しかしながら、未知なる大陸への純粋なロマンは、日本のアジア支配を実現するための陰謀に容易に利用されました。例えば騎馬民族説は、日本の大陸進出を正当化するイデオロギーともなったのです。学術調査とは、そのまま大陸における情報収集活動でありました。
戦後60年目の読書の秋。こんな近代の裏面史を読んでみるのも一興ではないでしょうか。
(10月10日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:28| Comment(5) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Fujunさんは漫画はお好きでしょうか?
こんな漫画があるんですが・・・

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122036240/qid=1129299295/sr=1-70/ref=sr_1_2_70/249-4128059-3547522
Posted by オオクボ at 2005年10月14日 23:17
『虹色のトロツキー』は、タイトルは知っていましたが、内容は知りませんでした。トロツキーというと、「世界革命論」を唱えて「一国革命論」のスターリンに敗れた人のことですよね。

オオクボ様は映画に漫画にと、守備範囲が広くて脱帽です!

私は週に一冊読むのが精一杯…
強いて言うなら、映画や漫画で「見せられる」よりは、自分で空想して頭の中で活字を映像化する方が没頭できます。
Posted by 管理人 at 2005年10月16日 18:33
私はブログを初めてから、テレビや映画を観る時間が、格段と減りました。ブログ中毒というのは怖いです。
前までは月に10本はレンタルも含め映画を観てたのに。
(><)

Fujunさんと違って私は、創造力が乏しく、絵が無いとダメなタイプです。小説なんかで、「絶世の美人」とか「めっちゃイケメン」なんて書かれても全くピンと来ません。
だから、絵のあるものは好きです。

あと私の本の読み方は、小林秀雄先生に習って乱読です。
同時に複数の本を読みます。小説や漫画などの例外を除いて、順番通りに読んだことはありません。だから私の読書は、歯抜け読書というか、虎刈り読書になる場合が多いです。
(^^;)
Posted by オオクボ at 2005年10月17日 22:04
同感です!
blogを始めて、肝心の本を読む時間が減りました。

乱読と言えば、こんな経験があります。
鈴木光司の『らせん』を、出てすぐに読みました。らせん=DNAの話だと思って興味をもったのです。
その直後、『リング』という小説がものすごく怖いと一部で話題になっている(当時はブレイク前)ことを知り、読んだのですが…先に『らせん』を読んでいたので、誰が生き残るのか判ってしまっていて、あまり恐怖を味わえませんでした(笑)。
つながっていたとは…
Posted by 管理人 at 2005年10月18日 21:24
そうですか、それは残念でしたね。
(^^:)
私は遅れてきた「リング」ファンだったので、『リング』から読みました。
良かったです。
(^^)

ところで、Fujunさんはホラー映画などは観たりしますか?
私は黒沢清という人のホラー映画を観て、かなり考えさせられました。
もし観てなくて、観てみたいと思いましたら、最初は『ドッペンゲルガー』か、『アカルイミライ』か『回路』がオススメです。
Posted by オオクボ at 2005年10月18日 23:01
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。