ファッション・グルメ・クルマなどにお金を掛けて、モテ男・モテ女になろう…大手広告代理店主導のこの消費形態を、本田は恋愛資本主義と呼びます。
一方のオタク市場は、商品の受け手が作り手にもなり、作り手が受け手にもなる、オタク内部での永久循環経済です。
バブル崩壊以降、縮小の一途をたどる恋愛資本主義市場は、ついにオタクをターゲットにする最後の手段に出ました。『電車男』ブームとは、オタクを脱オタク化させて恋愛資本主義側へ取り込もうとする反オタク運動である、というのが本田の論です。
また、オタクのなかでも萌えオタクは、二次元世界を現実の三次元世界よりも価値あるものとする、平和的な人種であると本田は言います。さらに、自分たちが結婚できないのは男たちがオタク化したせいだとする『負け犬』女たちに対し、オタクの勝利宣言まで飛び出します。
いろいろと御託を並べているが、結局は自分の二次元至上主義を正当化する為の本じゃないの・・・とツッコミたくもなりますが、あとがきで明かされる彼の生い立ちには同情します。
(12月5日読了)
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