2006年01月22日

フィールドワークは死を招く

通説に敢然と異を唱え、研究予算は年度早々に使い果たすトラブルメーカー。私立大学の民俗学助教授・蓮杖那智、彼女のフィールドワーク先には必ず事件が待ち受けています。



写楽・考



北森 鴻著



北森鴻の連作短編集『蓮杖那智フィールドファイル』シリーズの第3弾。本書には4話が収録されています。
憑代忌』(よりしろき)
憑代とは、神霊を乗り移らせた樹木や人形などを祭ったもの。憑代を破壊する行為は、一種の呪いともなります。御守り様という人形が伝わる旧家で殺人事件が・・・
湖底祀』(みなそこのまつり)
とある村の湖の底に、神社の鳥居が発見されました。湖底の神社で村おこし、と地元は沸きかえりますが・・・
棄神祭』(きじんさい)
殺害された神の遺体から、穀物や家畜が生まれたとする、保食神(うけもちのかみ)の神話。庭に盛られた塚の上で神像を焼く、御厨家の奇祭の真相は・・・
写楽・考
学会誌に突如掲載された、式直男なる無名の学者の論文。式家に伝わる絡繰箱(からくりばこ)には、寡作で知られる西洋人画家との関わりがあるという・・・
本作には、北森のもうひとつの人気作『冬狐堂』シリーズのヒロイン、旗師(店舗を持たない骨董商)・宇佐見陶子も登場します。
現代人の思考や行動にも見え隠れする、民俗的な感性。蓮杖那智シリーズは、犯人探しやトリック云々よりも、事件の背景にどんな民俗学的タームが隠されているかを楽しんでください。
(1月16日読了)

蓮杖那智シリーズ過去の2作品

凶笑面



北森 鴻著




触身仏



北森 鴻著




posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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