2006年03月21日

UFOは、不安な空を飛ぶ。

「空飛ぶ円盤」が最初に目撃されたのは、1947年。アメリカのケネス・アーノルドという人が飛行機を操縦中に、9つに連なるブーメラン型の飛行物体に遭遇しました。
以後、未確認飛行物体=UFOの目撃談が全米、さらには全世界で相次ぐようになります。


UFOの目撃談は、歳月とともに進化します。
当初、謎の飛行物体はアメリカまたはソビエトの秘密兵器だと考えられました。
それが宇宙からやってきた異星人の乗り物だと言われるようになります。そして米政府は、異星人の存在を知りながら世間に対しては隠蔽しているのだと。
さらに、異星人は家畜を殺戮したり、人間を誘拐して生体実験を行っているとされ、米軍はUFOの技術を応用した新兵器の実験を繰り返しているという、陰謀説に発展しました。
また異星人の姿も、当初は有名なコンタクティ・アダムスキーが出会ったという金髪の白人から、小柄で灰色の肌をもつグレイと呼ばれるものに変貌していきます。
こうした壮大な都市伝説=UFO神話が誕生し、進化していった過程には、明らかな流行があるというのが本書のテーマです。

UFOが当初、未知の兵器とされたのは、明らかに米ソ冷戦を背景としています。
現在、アーノルドが目撃した謎の飛行物体の正体は、当時アメリカで極秘に研究されていた軍事用の気球だと考えられています。また、アーノルド事件の二週間後に発生した、有名なロズウェル事件で回収された墜落物も同様です。
UFOの着陸痕からは強力な放射能が検出されるといった話も、核の脅威から生まれたものでしょう。
その後に生まれた、異星人による誘拐や生体実験の話は、バイオテクノロジーの発展に対する不安だと考えられます。

1995年に公開された捏造映像「宇宙人解剖フィルム」は、半世紀に及ぶUFO神話の幕引きとなりました。UFOに代わるように現れたのは、超高速で空中を飛行するUMA(未確認生物)、スカイフィッシュです。スカイフィッシュは、ビデオ映像のなかだけに生息します。
UFO神話の誕生と進化は、アメリカという大国の不安を背景にしていました。
どうやら21世紀の不安は、電子テクノロジーが蔓延する社会にあるようです。
(3月20日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 18:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・思想交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この本は読んだことないですが、こんな本を買ったことがあります。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896919459/503-1898181-8519164
Posted by おおくぼ at 2006年03月22日 00:35
このたび交遊したのは、UFO現象の科学的真偽を問う本ではなく、UFO神話という都市伝説についての考察です。ちょっぴり現代思想している本なので、おおくぼ様好みかも・・・

日本全土を震撼させた都市伝説といえば、やはり「口裂け女」ですね。一説には、岐阜県が発祥地なんだとか。
Posted by 管理人 at 2006年03月22日 22:33
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。