2006年04月03日

ハイブリッドは世界を制すか

アカデミー賞の授賞式に、プリウスに乗って駆けつけるハリウッドスター達。
おなじみとなったこの光景、実は環境保護団体のグローバルグリーンが仕掛けたものです。アメリカでハイブリッド車を販売する全メーカー(トヨタ・ホンダ・フォード)に声を掛けたところ、トヨタのみが興味を示し、結果として絶大な広告効果となりました。

高い環境イメージに加え、折からの原油高騰は、アメリカ市場でのプリウスの大ヒットをもたらしました。では、ハイブリッド車は次世代自動車の決定打なのでしょうか・・・
究極のクリーンエネルギー車は、水素と酸素を反応させて発電し、水しか排出しない燃料電池車であるとされています。
ヨーロッパでは、日本では絶滅状態にあるディーゼル乗用車が、省燃費と高出力で高い評価を得ています。
バイオマス燃料やGTL(ガス・ツー・リキッド)も研究されており、多様な燃料に対応できる、ガソリンとディーゼルの中間のような融合型エンジンHCCIは、全世界の自動車メーカーが開発を競っています。
また、環境問題を総合的に考えると、クルマの燃費だけでなく、燃料の製造からクルマに至るWELL TO WHEEL(油井から車輪まで)の視点も重要です。そうなると、水素製造時のCO2排出や、バイオマス燃料製造による森林破壊といった問題も無視できません。
トヨタはハイブリッドシステムを、どんな動力源であっても対応できる駆動システムとして考えているようです。現時点での理想の未来カーは、融合型エンジン・ハイブリッド車でしょう。

GM(ゼネラル・モータース)が、生産台数世界一の座をトヨタグループ(ダイハツ、日野を含む)に明け渡す日が近いと言われています。
著者はトヨタの強さを、尊敬される企業であることと言います。それは環境問題への取り組みに加え、米国工場での長期安定雇用の実現です。
でも日本のクルマ好きの間では、トヨタはそれほど尊敬されていないが気します。プリウス、レクサスLS(セルシオ)という世界に冠たる車種がある一方、国内ではウィッシュのようなパクリ車を平気で市場に送りだすからでしょうか・・・?

(4月3日読了)

≪不純文學交遊録・過去記事≫
未来予想図
リコール!その時あなたは…


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:04| Comment(16) | TrackBack(5) | 科学技術交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
元気でやってますか?

所詮あの会社は偉大なる日本企業だよ。
それ以上でもそれ以下でもない。
あの会社に接していれば嫌って程わかるよ。

ハイブリッド車の開発も全て利益と会社の体面の為だけだしね。
本気で社会貢献する気があれば四カ月待ちなんてバカな事態は引き起こしません。
設備投資すればいいだけなんだから。
でも、先行き不明確でコストもかかるハイブリッド車に投資したくないからそれをやらないのが実状。
Posted by ナカニシ at 2006年04月03日 21:07
ナカニシ様、いらっしゃいませ。

以前同じ著者の『自動車が危ない』という本をご紹介しましたが、そこで問題とされていたのが、急増するリコールでした。経営合理化と海外市場の好調で史上空前の利益を上げているトヨタ(および日産・ホンダ)ですが、その利益をいま一度、品質の確保に投資してもらいたいものです。完成車メーカーの経営合理化=下請け部品メーカーいじめみたいなものですから。
どんなに儲けても安心できないという三河商人根性(?)が、トヨタの収益の原動力であり、同時にいまひとつ尊敬されない理由でもあるのでしょう。
Posted by 管理人 at 2006年04月03日 21:52
この本、プリウス・ユーザーですから読んでみます。
最近、フロント・スポイラーを付けましたョ。管理人さんのとは
違う形態のです。
Posted by Nitta at 2006年04月03日 21:57
Nitta様もとうとう、不純な世界への第一歩を踏み出しましたね(笑)
当方も、近々ローダウンする予定です。
Posted by 管理人 at 2006年04月03日 23:09
ウチの会社の営業車もプリウスですが、リースアップで入れ替えようかと思ったら・・・半年待ちです。(冷汗)

で、僕もT社の関連会社なので、T車の車に乗りたいのですが、ご指摘の通り、乗りたい「スポーツカー」が無いので、RX−7に乗ってます。
Posted by 金太郎@XJR1300 at 2006年04月10日 00:58
金太郎@XJR1300様、いらっしゃいませ。

私の購入時、プリウスは納期一ヶ月でした。
ハイブリッド車用モーターはトヨタ内製で、電車用など既存のものは流用できません。
ただ、レクサスにもハイブリッドが登場し、ハイブリッド拡大戦略を掲げる以上、それに見合った生産体制がとられているのかという疑問も、尤もです。
トヨタの本気度がどの程度か、大いに注目しましょう。

トヨタは、GMから富士重工の株式を取得しましたが、それに伴い、スバルが自主開発していたターボ・パラレル・ハイブリッドが中断され、非常に残念です。
メーカー間の提携は大いに結構ですが、ブランドをどう生かすかも問われます。
Posted by 管理人 at 2006年04月10日 23:50
 こんにちは。
 私はハイブリット車は、一時のブームで終わると思っています。
 何故かというと、今後バッテリー技術が進歩したとしても、そのコストが飛躍的に低下するとは考えられませんし、バッテリー重量分の走行エネルギーロスがあるからです(又バッテリーの原料となる鉱物資源は限られているので、新たな国際紛争をもたらす戦略物資となってしまう、という懸念もありますが)。
 それよりも、アフリカ・アマゾンとか東南アジア等の熱帯地域で簡単に栽培できる、生育の早い根菜を原料(デンプン質)とした、純度の高いエタノール燃料開発を徹底的に行って、その燃料に適したメンテナンスフリーに近い内燃機関の開発を行うべきだと思います。
 幸いにして、我が国にはその燃料開発の為の研究に着手している企業がありますし、内燃機関の開発に関しては、燃料の供給問題さえ解決されれば、あっという間に作ってしまう企業がごろごろしています。
 今求められている事は、このバイオ燃料開発を後押しする政治決断(例えば燃料の恒久的な無税化)だと思います。
 
 
Posted by スパイラルドラゴン at 2006年04月13日 17:20
スパイラルドラゴン様、いらっしゃいませ。

ハイブリッド車は、エンジンとモーターそれぞれの利点を生かせ、一定の距離以内ならモーターのみでも走行でき、しかも充電不要であることから、理にかなったシステムではあると思います。
しかし、通常のエンジンと燃料タンクに加え、モーターとバッテリーが必要となりますから、重量増・コスト増・スペース効率の低下を招きます。エンジンとモーターのスムーズな連携には、複雑な制御ソフトも必要です。
ただ、現在の“ガソリンハイブリッド車”が将来主流とならずとも、トヨタ・ホンダが得た技術は、燃料電池車や電気自動車の開発においても大きなアドバンテージになると思われます。

私が注目しているのは、ジャトコが開発したモーター内蔵トランスミッション。シンプルかつ低コストで、どんなクルマもハイブリッド化、30%以上の燃費改善を実現しています。
そして将来的には、本文でも紹介した、GTLやバイオ燃料にも対応できるHCCIエンジンです。
もちろん、石油に代わる燃料は、その製造過程での環境負荷や総合的な熱効率も考慮したうえで、選択されねばなりません。
それから地政学的背景も・・・



Posted by 管理人 at 2006年04月16日 16:08
ディーゼル・エンジンの話は絡めないのでしょうか?
Posted by おおくぼ at 2006年04月17日 00:16
おおくぼ様、いつもどうも。
人類がこれまで手にしたなかで最も熱効率の高い内燃機関・ディーゼルを、決して忘れたわけではありませんよ!

今後、排ガス規制がガソリン車と同等になると、ディーゼルは厳しいと言われています。そこで開発が進められているのが、HCCIエンジンです。ですからHCCIエンジンが、進化したディーゼルエンジンのことだと思ってください。
原油からガソリンを精製すると、必ず軽油も出来ます。石油の有効利用という点でも、ガソリン車とディーゼル車の共存は望ましいことです。
HCCIエンジンの開発は、GTLやバイオ燃料の利用も視野に入れています。しかし、バイオ燃料製造のために森林を破壊したり、水素を製造するのに大量の石油を消費したのでは本末転倒です。

石油は安価で大量に手に入り、熱効率が高く、燃料以外にも様々な原材料となる、人類史上最も優れた資源です。しかも今後数十年で枯渇する恐れはないでしょう。
それでも、石油よりクリーンで再生可能な資源の開発は必要だと考えます。要は利用する目的や地理的条件にかなったエネルギーを選択すれば良いわけです。石油を絶対悪視するのではなく。
アフリカやアマゾンでのバイオ燃料の製造が、その土地の環境に適合し、住民に豊かさをもたらすのならば、積極的にそうすべきです。

日本における最大の懸念は、石油の大部分を政情不安定な中東に依存していることでしょう。日本近海の天然ガスやメタンハイドレートの開発が急務です。
誰だ、メタンは地球温暖化に最悪だなんて言うのは!(笑)
Posted by 管理人 at 2006年04月17日 22:54
細かいことを言うと、石油よりも天然ガスの方が人気が出ていると思います。天然ガスの弱点は気体であることです。精製して液化できますが、採掘所からはパイプ・ラインを使わなければいけません。

でも時代は明らかに

材木 → 石炭 → 石油 → 天然ガス

の流れになってます。

あと日本近海の天然ガスはコストがかかり過ぎます。中国はコスト無視で頑張っています。靖国参拝問題でも尖閣諸島問題でも、経済問題が裏に隠れています。真面目に相手すると馬鹿を見ます。

ところでメタン・ハイドレードは量としては魅力的ですが、コスト問題としては、どうでしょうか?

関係ない話ですが、メタンは地球温暖化ガスです。しかも二酸化炭素より強力です。私はメタンが原因で地球が温暖化したとは全く思いませんが、メタン原因説と二酸化炭素原因説を両方平等に報道しないのは不公平だと思います。

図としては、 
家畜又は動物が増える → ウンコをする →メタンが発生する → 温暖化する

こんな感じです。

あとディーゼルですが、石原都知事のパーフォーマンスで悪役にされましたが、ヨーロッパでは厳しい排ガス規制をクリアしています。
Posted by おおくぼ at 2006年04月18日 01:43
おおくぼ様の、強烈な石油文明擁護論が拝読できるのかと思っていましたら、意外と冷静なご意見でした(笑)

天然ガスもメタンハイドレートも、採掘コストが難点ですね。埋蔵量は魅力的ですが。
メタンの地球温暖化に与える影響は、二酸化炭素のなんと23倍!・・・ただし二酸化炭素は大気中に50年から200年安定して存在するのに対し、メタンは12年で分解されます。
『メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム』http://www.mh21japan.gr.jp/japanese/index.html

私も、家畜(牛などの反芻動物)のゲップに含まれるメタンが、地球温暖化の原因だとする説を読んだことがあります。話はズレますが、人間が肉食をすることは、大量の穀物を牛に与えて肉として食べるので、直接穀物を食すよりも大きなエネルギーのムダなんだとか。
ただ、家畜のゲップや工業による二酸化炭素の排出量が問題なら、60億人もいる人間の吐き出す二酸化炭素の量も、半端ではないと思いますが・・・?

追記:ヨーロッパのディーゼル乗用車は、確かに厳しい排ガス規制をクリアしていますが、今後より厳しくなることを睨んで、次世代エンジンHCCIの研究が進んでいます。

Posted by 管理人 at 2006年04月23日 18:29
二酸化炭素について排出量の図は、私のブログで何回か貼りました。是非参考にして下さい。

生物が出す二酸化炭素は、化石燃料が出す量とは比べようがないくらい多いです。

ちなみに植物の出す二酸化炭素の量も莫大です。呼吸だけでなく、腐敗でも二酸化炭素は発生します。また火を使えば二酸化炭素は発生します。一番多いのは海から発生する二酸化炭素です。

>二酸化炭素は大気中に50年から200年安定して存在する

どうもそうではないみたいです。二酸化炭素は海に溶けます。あと地面に吸収されます。あと測量が難しいのですが、大気圏外にも行くそうです。

あと石油文明を擁護してもいいのですが、石油文明は人類の歴史では短いです。だから、もしかすると数十年後には、もっと安くて使い易い燃料が発明されて、石油の需要は下火になってる可能性があります。ロンボルグの本にも同じことが書いてあります。

石油は、今でこそ「貴重な資源」ですが。百数十年前は役に立たない黒い液体でした。
Posted by おおくぼ at 2006年04月24日 23:41
石油よりも安くて使いやすいエネルギーが見つかったら、世界はガラリと変わりますね!
どこかのトンデモ本のように、空間にあふれるフリーエネルギーが実用化・・・するわけないか(笑)

たまたま読んだ4月26日の日本経済新聞に、面白い記事がありました。
フランスのシラク大統領が、産業革新庁の6大プロジェクトを発表。そのなかには検索エンジン「クエロ」とともに、ディーゼル・ハイブリッド、バイオ燃料の開発が含まれています(残念ながらリンク先のネット記事は、そこまで詳しくありません)。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20060425AT2M2502J25042006.html
ディーゼル・ハイブリッドとバイオ燃料・・・その先には当然、HCCIハイブリッドを視野に入れているのでしょう。

新型(3代目)プリウスは、2008年末発表だと予想されています。バッテリーが現在のニッケル水素から、リチウムイオンになるのは確実ですが、果たしてエンジンはガソリンのままなのか、ディーゼルになるのか(もしかしたら欧州仕様のみディーゼル?)。軽油でもバイオ燃料でも走れるHCCIは、まだまだ先でしょうか。
実は日本車も、欧州仕様はディーゼルなんですよね。ホンダのアコード・ディーゼルは欧州でも高性能車として評判ですし、レクサスにもディーゼルがあります。
Posted by 管理人 at 2006年04月26日 23:49
はじめまして

初代プリウスを半年待ちで買い、今は4ヶ月待ちで買ったエスティマハイブリッドに乗っている、じゅんといいます。

確かにトヨタはあまり尊敬されていない感じはしますが、たとえそれがカネモウケのためであっても、「ハイブリッド車を通常エンジン車の50万円高以内で発売する」というトヨタの発表が新聞に載ったときのインパクトは忘れられません。
それまでは100〜200万円は高くなると言われていたのですから。
それなら夢の技術(いや、当時はそんな感じだったと思う)でできたクルマも買える!!って思いました。

本命は燃料電池や電気自動車だとしても、今トヨタが持っている技術は強烈な利点となりますし、環境問題を身近にしたのはひとつの功績だと思います。
せっかく勢いがあるのだから、次のプリウスはディーゼル仕様も作ってみて欲しいですね。

いえ、わたしはエスティマハイブリッドをローダウンしたりインチアップしたりマフラー替えたりと、全然環境オタクではありませんが…
Posted by じゅん at 2006年04月30日 07:45
じゅん様、いらっしゃいませ。

今回は、実際にハイブリッド車に乗っている方からハイブリッド懐疑派の方、自動車業界の方(実は私の大学の同級生)まで、数々のコメントをいただき大変有意義です。

1997年に初代プリウスが登場した時の衝撃は、私も未だに忘れられません。215万円という価格は「21世紀へGO!」の語呂合わせだとの説があります。発売当初は700万円(!)で売らないとペイしないと言われていました。じゅん様の乗っていらした初期型は、まさにスーパーカーだったんですね。それでも市販することによって、未知なる車の実走行データが得られたことは、トヨタにとって巨大な収穫となったはずです。

どんなに低燃費で革新的な技術のクルマが登場しても、若者やクルマ好きの興味を引くようでなければ、普及しません。公用車か「似非エコロジスト」御用達のクルマで終わります。ですから、ローダウン・インチアップは大いに結構だと思います。ドレスアップしても燃費が良いことに変わりありませんし。私もメカ的な興味からプリウスを選んだのであって、環境派をアピールしようなどとは思っていません。
ただ、強烈な加速力を得るための過給器代わりにハイブリッドを使うのは(レクサスGS450h)、どうかなと思いますが…
Posted by 管理人 at 2006年04月30日 21:24
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