2006年05月05日

パンが機械を生んだ!

日本人の主食はお米。一方、西洋人の主食は麦。実はこの食習慣の違いが、文明の発達に大きな影響をおよぼしたのです。



水車・風車・機関車

坂井 洲二著

米は主に水田で耕作され、雨量の多い地域に適しています。米食は東洋に広まりました。
麦は米ほど水を必要としないため、雨量の少ないヨーロッパに広まりました。また、麦は米よりも寒冷な地域でも作付けが可能です。ヨーロッパの主要国は、北海道よりも緯度が北に位置します。

お米は、ご飯を炊いていただきます。麦は製粉して、パンを焼きます。麦ご飯というのもありますが、麦は米と違って薄皮が残るので、そのまま食べるには適していません。そこで麦を石臼で押しつぶし、薄皮をふるいに掛けて製粉するという食のスタイルが生まれたわけです。
人はいつしか、この製粉という作業の効率化を試みます。そして水車を利用して石臼を動かす、製粉水車が生まれました(川の水流が少ない地域では、代わりに風車が発達しました)。水車の力で石臼を回すには、水車の回転方向を90度変えてやる必要があります。そこから今度は歯車が発明されるのです。
パン食が機械文明を生み、産業革命の母胎となった・・・これを知っただけで、この本を手に取った価値がありました。

日本のノコギリは引く時に切れ、西洋のノコギリは押すときに切れます。この由来も本書で明かされます。
かつて枠ノコギリという、二人がかりで切るノコギリがありました。木材の上に乗って指揮する人が押し、下の人が引くのです。押して切るノコギリは、その名残ではないかと。日本にも枠ノコギリはあったのですが、使われたのは室町時代の一時期だけなのだとか。

本書は写真や図が豊富で、歴史好きの方はもちろん、機械の透視図を見ると血が騒ぐメカフェチの方(いるのか、そんなヤツ?)も楽しめると思います。
・・・残念なのは、図版がすべてモノクロであること。

(5月2日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学技術交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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