2006年09月10日

日本に恋してる



愛国心は嫌いだ
こう言ったのは、なんと愛国者の鑑のように思われている作家・三島由紀夫です。
昭和43年1月8日の朝日新聞に三島が寄せた記事、その名も「愛国心―官製のいやなことば」においてでした。



三島は言います。愛国心の「愛」の字がきらひである、と。愛は無限定無条件でなければならない。「人類愛」といふのなら多少は筋が通るが、「愛国心」というのは筋が通らない。なぜなら「愛国心」とは、国境を以って閉ざされた愛だからである。
愛国心は、自分と自分の国しか愛せない。時には他の国と戦争をしたり、アイツには愛国心がないと糾弾する、凶器になったりする。愛国心は押しつけがましい…三島は愛国心という言葉に「官製のにほひがする」と指摘しました。

愛国心がいけないのなら、われわれはどうすればよいのか。三島は「恋」でいいと言います。愛するという言葉には、双方向性が期待されている、見返りを期待している。対する恋は一方的で、秘めた心情です。
三島とともに自決した森田必勝は、「俺の恋人、誰かと思う。神の作りし日本国」(徳富蘇峰の言葉だという)と、いつも言っていたそうです。誰かから強制されたわけではなく、生まれ育ったこの国・日本に恋しているのです。
ただ、恋国心ではすわり心地が悪いと鈴木邦男は言いますが、私はいい言葉だと思いますよ、恋国心。今日から私は恋国者です。

さて、本書は三島の皇位継承論についても触れています。
三島の憲法草案には、なんと「皇位は世襲であって、その継承は男系子孫に限ることはない」との記述があるのです。皇太子殿下、文仁親王殿下がお生まれになり、皇統の将来に何の不安もない時代のことです。

9月6日、文仁親王同妃両殿下に、親王がご誕生になりました。
皇位継承の危機は、歴史上これまでに何度もありましたが、今日まで皇統は絶えることなく受け継がれています。
私たちは、皇室に「愛」を押しつけることなく、そっと見守っていようではありませんか。

(9月10日読了)




鈴木邦男が言うように、皇位継承問題は、天皇陛下のご聖断にお任せするのが一番良いのでしょう。
しかしながら、日本は立憲国家であり、天皇陛下のご意思が明らかにされることは、永久にないかもしれません。
不遜ながら、皇位継承論争に対する私見を申し上げます。ただ、今後いろいろな方のご意見に触れることで、考えが変わるかもしれません。

皇位は、これまで男系皇族によってのみ継承されてきました。皇位継承とは日本の歴史の継承であり、できる限り先例に倣うべきです。125代の天皇のなかには、八方十代の女帝もいらっしゃいましたから、女性天皇も認めます(例えば男子皇族が未成年の場合)。

伝統の継承に「神武天皇のY染色体を受け継ぐのは男系男子のみ」などと言う、後付けの理屈は必要ありません。「神武天皇のY色体」説が成り立つのであれば、「皇祖・天照大神のミトコンドリアを受け継ぐ女系女子こそ最優先に皇位継承すべし」との説も成り立ちます。

男系皇嗣をいかに維持するのか?
側室制度の復活は、現代社会になじみません。皇室の存在意義のひとつが、理想的な日本の家族像の提示にあるのなら、なおさらです。

女性皇族が旧宮家から婿養子を迎えるのは、ご本人同士に不都合がなければ、よろしいかと存じます。縁談の強制はいけませんが、かといって民間人との恋愛結婚も強制されるべきではありません。

旧宮家の皇籍復帰に対しては、国民に馴染みのない人が皇族になることに違和感があるとの反対意見があります。しかし今の時代、無名な方であってもマスコミがあっという間に人気者にしてしまうでしょうが…。

お妃は、子供を産むための機械ではありません。鈴木邦男が、ある右翼の先生に「お嬢さんが皇族のお妃になるとしたらどうですか?」と尋ねたところ、光栄だと答えるどころか「あんな不自由なところに嫁にやれるか!」と一蹴されたそうです。これこそ皇位継承の危機ではありませんか?
開かれた皇室とは、ワイドショー的な好奇の目に晒される皇室でしかないのでしょうか。お妃に「男子誕生」のプレッシャーを与え続ける我々日本国民は、なんて残酷なんでしょう。

私は、ありのままの皇室を受け入れます。
もしも、男系皇族が本当に絶えてしまったら…そのときは天皇がいない日本よりも、女系の天皇がいらっしゃる日本を私は選びます。


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:56| Comment(2) | TrackBack(1) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。

トラックバックありがとうございます。
私もさせていただいたのですが、ちょっと失敗して変なことになっているかもしれません。
よろしくお願いします。

私の知り合いのお嬢様が、当時、浩宮様のお妃候補の一人になってしまって、とても当惑しておられました。皇室に入ってしまったら、大変だぁ、と本人のご家族も周囲も言っていたように記憶しています。
お姫様になるのですから、喜ばしいことのはずですが、現代社会では、複雑ですね。
Posted by reine7 at 2006年09月12日 06:15
reine7様、トラックバック確認いたしました。ありがとうございました。
本書にも凄い記述がございまして、三島由紀夫が皇后陛下とお見合いをしていたのではないか、との伝説(?)があるそうです。
今となっては、真偽を確かめようがありませんが。




Posted by 管理人 at 2006年09月12日 12:53
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Weblog: ??純???????
Tracked: 2006-09-12 05:57
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