2007年11月19日

ワインボトルの地球

今年のノーベル平和賞には、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)とアル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領が選ばれました(2007年10月12日)。
ゴア氏はドキュメンタリー映画『不都合な真実』で、地球温暖化の危機を訴えたことが評価されています。一方、イギリスの裁判所で『不都合な真実』には科学的な誤りがあり、学校で上映する際には注意を要するとの判決が出たことも話題となりました。

地球の平均気温もCO2濃度も、現在上昇トレンドにあります。
しかしながら長い地球の歴史においては、現在のCO2濃度は史上最低レベルです。
また、大気組成の0.03%に過ぎないCO2を温室効果の主犯とするのには疑問があります(最大量の温室効果ガスは水蒸気)。
私は地球温暖化懐疑論者でも、環境問題楽観論者でもありません。
エネルギー消費の削減は、世界的な緊急課題です。
ただ世間の通説には、いくらか疑問を持っています。



Eco.mind

皇室典範改正論議で、皇族に近い立場からの発言者として注目を集めた竹田恒泰氏。彼は明治維新直前に崩御した孝明天皇(暗殺説もあり)と、環境学の研究者でもあります。
竹田氏は地球温暖化懐疑論者であり、彼の唱える「環境学」がどんなものか興味をもって読んでみました。いきなり海部俊樹元首相の推薦文があるのは、さすが旧宮家出身者(明治天皇の玄孫)ですね。

「環境の教科書」を謳うだけあって、地球上のエネルギー循環や食物連鎖の仕組みをわかり易く説明しています。
ブドウが発酵して生まれるワイン。酵母菌はブドウ果汁の糖分を摂取し、アルコールを排出します。果汁の糖分がなくなるか生存に有害なアルコールが増えすぎると、酵母菌は死んでしまいます。出来上がったワインのなかには酵母菌はいません。
地球もワインボトルと同じく有限です。地球の資源が枯渇するか廃棄物の捨て場が枯渇すれば、人類は自滅します。竹田氏が深刻だとする廃棄物による汚染は、放射能環境ホルモンです。
地球温暖化については「地球が温暖化しているのか寒冷化しているのか」「温暖化しているなら原因が二酸化炭素なのか」結論は出ていないとの表現に留め、深入りはしていません。なお、地球温暖化とヒートアイランドが全く別の現象であることは強調しています。

竹田氏が唱える持続可能な社会像は、脱石油文明です。
小水力コンバインドサイクルコージェネレーションなどの高効率な発電システムとバイオマス燃料の利用について具体的に述べられています。
日本近海での埋蔵が確認されているメタンハイドレートの利用にも言及しています。
学生時代にバックパックを背負って世界各地を歩き、イラク戦争回避に行動を起こした竹田氏。戦争は最大の環境破壊だと訴えているのも本書の特色です。

(11月18日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
地球温暖化については…不確かな真実不確かな真実U地球の現代史・不確かな真実V
竹田恒泰氏については…ノブレス・オブリージュ


(管理人のひとりごと)
私は過去記事で、食糧のバイオ燃料転用や森林を伐採してバイオ燃料畑にすることを批判してきましたが、バイオ燃料社会を否定しているのではありません。
貧困国の砂漠や荒廃農地を畑にしてバイオ燃料を生産すれば、貧困地域の雇用促進につながる国際貢献であり、日本の国益であると思います。



ラベル:地球温暖化
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:57| Comment(4) | TrackBack(1) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。ピザテンフォーのyutakarlsonです。私も、地球温暖化に関する説は、今のところ全て仮説に過ぎないと考えいます。これを私は、「環境問題の落とし穴」と呼んでいます。私のブログにも掲載しています。是非ご覧になってください。
ピザ宅配というと、環境問題からは縁遠いと思われがちですが、私達は紙のピザボックスそのものを、なくす運動を展開中です。
ピザテンフォー全店で、紙のピザボックスをなくしたとすると、年間500トン以上のCO2削減効果があります。
Posted by yutakarlson at 2007年11月19日 16:28
yutakarlson様、いらっしゃいませ。

私は地球温暖化懐疑論者ではありませんし、世界的なCO2削減の取り組みは大いにすべきだと思います。
地球が温暖化していようがいまいが、エネルギー消費が少ないに越したことはありません。経済的だし、埋蔵量は減らないし、廃棄物も少なくなります。

ただ、まとまらない温暖化防止の国際会議に大金を投じるよりも、海面上昇で国土を失うことが確実なツバルの海岸線に堤防を築くべきとの意見も、傾聴に値すると思います。

CO2は温室効果ガスですが、地球温暖化の原因はそれだけではありません。太陽活動の変化は地球の気候を大きく変えます(太陽黒点の極小期は地球に小氷期が訪れました)。
大気中のCO2が増えると、生態系が大きく変わり、未知なる環境変化を及ぼす可能性は危惧しています。
また、気温の上昇が永久凍土が閉じ込めたCO2やメタンハイドレートを大量放出するかもしれません。
※眠れる巨人の覚醒⇒詳細はhttp://blogs.dion.ne.jp/fujun/archives/3956419.html

これはあくまで素人の妄想ですが、地球の温暖化はCO2による温室効果よりも、私たちの文明生活が発する熱が直接地球を暖めている(地球規模のヒートアイランド現象)のではないかと思うことがあります。
Posted by 管理人 at 2007年11月19日 19:38
私は環境ホルモンも怖くないです。戦争は怖いけど。

CO2の増加は人為だと思いますが、地球温暖化は人為ではありません。

だって、過去200年はCO2濃度は増加の一方ですけど、平均気温は上がったり、下がったりです。下がる原因を説明できなければ、片手落ちでしょう。「都合の悪い事実」を無視してはイケナイと、ゴア元大統領に言いたいです。
Posted by おおくぼ at 2007年11月19日 22:34
おおくぼ様のお好きな話題、地球温暖化でございます。

過去200年間、CO2濃度は増加の一途をたどっているのに平均気温の変化はそれに比例していない…CO2は温室効果ガスであるが地球温暖化の主役ではないという、ひとつの証ですね。

恐竜が誕生した時代(三畳紀)、地球の大気は二酸化炭素が急増し酸素が減少した「息苦しい」時代であった。CO2増加は植物の成長を促進させるが、植物の栄養価は低くなる。そこで恐竜は植物を大量に摂取する必要に迫られ、巨大化したとの説があります。
参照⇒http://blogs.dion.ne.jp/fujun/archives/4230513.html
CO2の温室効果は小さいが、CO2の大幅な増加は生態系に未知の変化をもたらす可能性がある…とは思っています。
これも「地球温暖化CO2主犯説」と同じく仮説の域を出ませんが…

『アメリカの政治と科学』という本(未読)には、ゴア元副大統領が自らの主張に反するデータ(まさしく不都合な真実!)を黙殺したと書いてあるそうです。
映画『不都合な真実』は、科学ではなく政治なのですね。


Posted by 管理人 at 2007年11月20日 21:08
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