2008年01月02日

地獄を見たら…

ここは新宿歌舞伎町。
ラブホテルとピンクサロンにはさまれた古い雑居ビルの一室に、チラシを持った相談者がやってきます。
チラシには次の一文が…「相談無料。地獄を見たら亜玖夢へ」



亜玖夢博士の経済入門

亜玖夢三太郎(あくむ・みたろう)博士は海外の著名な大学で十余りの学位を取得、万巻の書を読破して学問を究め、齢70にして民衆の救済に立ち上がりました。博士の民衆救済事業に賛同した歌舞伎町のポン引きが、仕事の合間にチラシを配っています。
多重債務者、麻薬の売人、いじめられっ子の小学生、マルチ商法のセールス、自分探しの少女…人生で地獄を見た人たちが、一縷の希望を求めて博士のもとを訪れるのです。

ここに千円札があります。千円札で買えるものは誰が使っても同じです。しかし、その日の食べるものに困る生活をしている人と、一生働かずに暮らせる億万長者とでは、千円札の価値はまるで違ってきます。
今すぐにもらえる1万円札と10年後にもらえる約束の1万円札を比べると、(10年後の物価水準が同じでも)後者の1万円はほとんど無価値です。また、今払わねばならぬ1万円は損失感が大きいですが、支払いが先になればなるほど、人間は関心を失います。
人間にとって目の前の現金の方が、将来の返済額よりもずっと価値が高い。これが亜玖夢博士の語る行動経済学の真髄です。
そんな亜玖夢博士が、多重債務に悩む男に示した処方箋とは…

亜玖夢博士の処方箋を実行するのは、助手であるファンファンリンレイの中国人姉弟。
特に弟リンレイの行動がぶっ飛んでいます。70年代アイドル風の衣装に身を包み、さわやかな笑顔を振り撒きながら、次々と悪巧みを実行していきます。でもリンレイには罪の意識は全くない!
相談者たちが見るのは天国への近道か、それともさらなる地獄か…

亜玖夢博士が身近なたとえを使って行動経済学、囚人のジレンマ(ゲーム理論)、ネットワーク経済学、社会心理学、そしてゲーデルの不完全性定理までを解説。お金のもつ魅力と魔力を、存分に味わわせてくれます。
著者はマネーロンダリングなどお金の裏側に精通した、橘玲氏。
藤子不二雄A氏の『笑ウせぇるすまん』みたいな感じのお話です。
2008年、初笑いはこの本で!

(12月29日読了)

【不純文學交遊界・過去記事】
お金に国境はない!
イケナイコトカイ?


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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