2008年01月27日

ミステリの主役は「館」

嵐の山荘、雪に閉ざされた別荘、さまざまな意匠をこらした洋館…
探偵・犯人と並んでミステリ小説で大きな役割を演じるのが「館」。巻頭に建物の見取り図が掲載される作品も少なくありません。

このたび交遊したのは、奇妙なタイトルが気になっていた作品。倉阪鬼一郎氏の『四神金赤館銀青館不可能殺人』です。
昨年のミステリランキングにも名前が挙がっていたので、手にとってみました。



四神金赤館銀青館不可能殺人

私がこれまで交遊した倉阪氏の作品は、いずれも背筋の凍るダークな作風ばかり。著者近影も、サングラスをかけて黒服に身を包み、なぜか黒猫のぬいぐるみを抱いた怪しげな風貌です。
ところが本作の著者近影は、健康的なマラソンランナー姿。サングラスもかけていません。まずはこれに驚かされました。
とはいえ本作も、やはり他の倉阪作品の例に漏れず猟奇的なシーンで始まります。

さて、作品の紹介です。
三重県の四神(よつがみ)湾沿岸には、地名を冠した旧家・四神家があり、金赤館(きんせきかん)と呼ばれる豪勢な館を構えています。
一方、湾の対岸には花輪家の銀青館(ぎんせいかん)がそびえます。花輪家は、四神家の使用人から身を立てた新興の資産家で、銀青館はライバルの四神家に対抗して築かれたものです。

この先ネタバレはございません。
ただし、読む前に一切の予備知識を入れたくないという方はご注意ください。

小説家の屋形は、花輪家の銀青館に招かれます。
彼の最新作は、泉水館(せんすいかん)と呼ばれる館が実は潜水艦だった…というオチで、読者から酷評されました。しかし花輪家の当主・炎太郎は、彼の作品がお気に入りのようで、屋形を歓待します。
銀青館には他にも、大学のミステリ研究会のメンバーやミステリ好きの老人らが招かれていました。招待客らは2グループに分けられます。どうやら推理ゲームが始まるようです。
そして予想通り、招待客の目の前で本物の殺人事件が起こります…

一方、対岸にある四神家の金赤館でも惨劇が始まっていました。
そして四神家の人物と思われる遺体が、花輪家の銀青館に投げ込まれます。いったい誰が何のために。そしてどうやって…
銀青館と金赤館は何キロも離れているのです。

二つの館で同時に起こった不可能殺人。みなさんはどんな結末だと思いますか。
私は160ページあたりでトリックに気づきました。
(↑遅いかな?)

(1月3日読了)


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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