2008年02月11日

悪魔は目を覚ますのか?

毎日のように報じられる地球温暖化。しかし、地球温暖化CO2主因説には異論もあることを当blogではたびたび指摘してきました。
地球の平均気温は太陽の活動に大きく左右されますし、最大量の温室効果ガスはCO2ではなく水蒸気です。現在の地球の気温上昇の、どこまでが人為的なCO2排出量の増加によるのかは定かではありません。
かといって、地球温暖化CO2主因説の主張も採り上げなければ不公平になります。CO2が増加し続けた場合の最悪のシナリオとは…?



「悪魔のサイクル」へ挑む

著者は首都大学東京の初代学長・西澤潤一氏と、エコシステム研究会代表の上野勲黄氏です。

本書ではCO2増加によって地球温暖化が一直線に進むのではなく、地球温暖化が一転して氷河期へと向かうシナリオを提示しています。温暖化によって融けた北極海の氷が、海水の塩分濃度を薄めて海流に大きな変化を生じ、寒冷化を引き起こす…映画『デイ・アフター・トゥモロー』と同じですね。
CO2増加がもたらすもうひとつのシナリオは、人類の二酸化炭素中毒死です。
大気中のCO2濃度が3%になると人間は中毒死すると言います。地球温暖化を人為的なCO2増加が原因とは断定できないとする私ですが、CO2増加による生態系への未知なる影響については懸念を抱いています。
本書のタイトルとなっている「悪魔のサイクル」とは、海底のメタンハイドレート層の崩壊です。地球温暖化によってメタンハイドレートが融解し、CO2の20倍以上の温室効果を持つメタンが大気中に大量放出され、さらなる温暖化が加速するというものです。過去に起こった生物大絶滅には、大規模な火山噴火によるメタンハイドレートの崩壊が影響しているとの説があります。

SFばりに地球温暖化の恐怖を煽るだけの本ではなく、後半には人工生態系の創造による未来への展望も描かれています。
人工生態系というとバイオスフィアUのようなドームのなかの人工地球を想像しますが、そんな大袈裟な内容ではなく、要は省エネルギー技術や廃棄物処理技術の紹介です。

地球の気候を激変させる悪魔と目されるメタンハイドレートですが、石油に代わる資源としても期待されています。特に化石燃料のほとんどを輸入に頼るわが国にとって、日本近海に大量埋蔵が見込まれるメタンハイドレートは、エネルギー安全保障の救世主となりえます。
本書では、メタンハイドレートを大気中に放出させずに回収し資源化させるべく、二酸化炭素ハイドレートでフタをする方法を提案しています。CO2をハイドレートとして海底に固定化しつつ、メタンを資源として利用できる一石二鳥のアイデアです。

(2月3日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
世界はこうして終わる?


京都議定書について本書は、日本はそれなりにCO2削減が進んでいるので改善の余地はあまりなく、他国へのCO2削減援助を日本の削減分として計算してもらう以外に達成することは難しいとの見解です。

なお、人類が生きていられるのは温室効果のおかげです。温室効果がなければ、地球はマイナス18℃の厳寒の世界となります。


ラベル:地球温暖化
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 01:17| Comment(28) | TrackBack(1) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
科学の愉しさは驚くことにあります。教科書に書かれたことを素直に信じるのではなく、納得するまで疑ってみることも大事です。

バイオスフィアUは、宗教絡みだったそうで、かなりマヌケだったみたいです。日本にも似たような団体がいましたけど。

悪魔のサイクルの別例は、小松左京の『日本沈没』でしょうか(笑)。
Posted by おおくぼ at 2008年02月12日 21:07
おおくぼ様

同感です。科学の楽しさとは、センス・オブ・ワンダーですね。

米国アリゾナ州のバイオスフィア2が、宗教がらみだったとは初耳です。
背景事情をご存知でしたら教えてください。

ちょうど日本の3次元物理探査船「資源」導入が報じられました(2月11日)。
今後の成果が楽しみです(ただ、機密管理はシッカリして欲しい)。

追記;この記事にトラックバックをくださったblogの方も、気温上昇とCO2増加に相関がないことを指摘しています。 http://www.my-sapporo.com/
Posted by 管理人 at 2008年02月13日 22:05
こんなんで、どうでしょう?

http://www.thespacereview.com/article/305/1

集団自殺したカルト集団「ヘブンズ・ゲイト」です。実験に参加した人も、かなり変な人が混じってたらしいです。

トラックバックの方は、いいですね。私ほど過激でない「ほとほどの懐疑派」ですね。

SF小説『恐怖の存在』でも、似たようなことをしています。私のブログでも、地域ごとのデータを比較しています。結論は、過激すきて危険ですけど(苦笑)。
Posted by おおくぼ at 2008年02月13日 23:06
▼o・_・o▼コンニチワン♪
メタンハイドレートを海底の地層から掘削する技術が確立されたらいいですね。
Posted by むっち at 2008年02月14日 11:08
おおくぼ様

当blogは過激かどうかわかりませんが、地球温暖化のように科学者の意見が分かれるテーマは、両論併記するようにしています。
また、教科書的な「常識」に対する「異説」を紹介することを基本スタンスとしています。ひねくれ者なので(笑)

人類の宇宙進出の可能性にもつながるバイオスフィアUの実験は、終末論カルトにとって魅力的だったんでしょうね。
Posted by 管理人 at 2008年02月14日 21:23
むっち様

探査船「資源」はノルウェー製で、購入費は232億円だそうです。

日本近海の資源開発、課題はやはり採掘コストでしょうね。
Posted by 管理人 at 2008年02月14日 21:37
私は両方並記することはありません。でも「喧嘩上等!」という感じで、開かれた議論をしているつもりです。嫌われますけど(苦笑)。

バイオスフィア2の理屈は、反捕鯨テロ集団の理屈と同じです。

資金を集めるために、スポンサーに好まれる活動をしなければいけません。SF小説『恐怖の存在』の内容は無茶苦茶ですが、エコロジー団体の心理をうまく描いています。
Posted by おおくぼ at 2008年02月14日 22:10
fujunさんのblogは、いろいろな人が来て、意見を述べてくださるところが、何より、素晴らしいですね。
初めは、名前にびっくりしてしまいましたが…。
また、勉強させてくださいね。

ノルウェーは、偉いですね。
きっと目先の利益だけではない、技術開発をしているのでしょうね。
Posted by miewie at 2008年02月15日 13:09
おおくぼ様

そういえば、クローン人間研究にはラエリアン・ムーブメントとかいう宗教団体がスポンサーにつきました。クローン人間誕生の報道は結局ガセだったのでしょうか?

ルネサンスの背景にメディチ家があったように、科学・芸術の発展にはやはりスポンサーが必要なのでしょう。

企業の社会貢献の一環として、一時期(バブル全盛期)メセナという言葉が流行しましたが、最近は聞かなくなりましたね(笑)
Posted by 管理人 at 2008年02月16日 23:00
miewie様

ここは本文よりもコメントの方が面白いblogです(笑)

海洋資源開発に積極的なノルウェー、さすがヴァイキングの国ですね。

ヴァイキングと言えば、グリーンランドはかつてその名の通り「緑の大地」だったとか。
地球温暖化を語るには、地球史的視野が必要です。
Posted by 管理人 at 2008年02月16日 23:18
>「ここは本文よりもコメントの方が面白いblogです(笑)」


それは、コメント欄では過激な発言が多いからだと思います(笑)。
Posted by おおくぼ at 2008年02月19日 01:29
「そういえば、クローン人間研究にはラエリアン・ムーブメントとかいう宗教団体がスポンサーにつきました。クローン人間誕生の報道は結局ガセだったのでしょうか?」


ガセだったそうです。

現代の科学の能力で十分可能だと思いますが、十分な研究施設や能力を持った研究者がいなかったことが敗因だと思います。
Posted by おおくぼ at 2008年02月19日 01:34
おおくぼ様

誰ですか、過激なコメントを書き込む人は?…(笑)
今後ともラディカルな(根源的な)ご意見をお寄せください。

『悪魔のサイクルへ挑む』には様々な未来テクノロジーが紹介されていますが、なかでも印象的だったのは人工堆積岩による放射性廃棄物密閉施設です。内部で発生するガンマ線を利用して発電もできるのだとか。

今夜(2月19日)放送のNHK「クローズアップ現代」では、世界的な原子力発電所の需要増を採り上げていました。背景にはCO2削減政策もあるようです。
日本企業がアメリカで原発受注競争を演じています。日本が技術輸出する国の条件は「原子力の平和利用」だそうですが…アメリカはいいのか?(笑)
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0802-4.html#tue
Posted by 管理人 at 2008年02月19日 21:51
過激な発言は自分のブログだけにしているつもりですが・・・
(苦笑)。

関係ないですけど、最近自分のブログのアクセスが、香港のある事件の影響で異常増加しています。
Posted by おおくぼ at 2008年02月24日 10:51
おおくぼ様

ここも更新頻度を高くすればアクセスが伸びるのでしょうが、日記にするつもりはありませんので、今のままです。
それ以前に、毎日パソコンを起動する気力がありません(笑)

香港でなにか事件でもあったのでしょうか?
サイパンでの27年の時を経た「疑惑の銃弾」再燃には驚きましたが…
Posted by 管理人 at 2008年02月24日 21:05
更新頻度とアクセス数の関係はいろいろですね。このカテゴリーを見ても、たまにしか更新しかしなくても、アクセス数の高い人がいます。
検索する人が多いキーワードで上位に来ると、アクセス数が上がると思います。

私のブログは広告収入ゼロなので、アクセス数が上がっても無意味です。むしろ特定の人を洗脳するために更新しています(過激発言!)。

          ★

>「香港でなにか事件でもあったのでしょうか?」

不純文學さんは芸能人ニュースを見ないのですね。

>「サイパンでの27年の時を経た「疑惑の銃弾」再燃には驚きましたが…」

ミステリー作家・島田荘司に、その手のノン・フィクションがありましたね。
Posted by おおくぼ at 2008年02月25日 19:16
おおくぼ様

私はネットニュースそのものを見ていません。
見るのは自分のサイト、およびサイト更新に必要な調べ物がほとんどです。

blogを公開することの意義は、情報を自ら発信することによって新たな情報が得られることだと考えています。
なお、広告を入れるのは合法的に画像を使用するためです。

島田荘司氏の『三浦和義事件』は未読ですが、別の本で島田氏は「疑惑の銃弾」騒動を、若くして貿易会社を経営し女性にもてる三浦氏に対する日本人特有の「ねたみの構造」があると語っていました。
Posted by 管理人 at 2008年02月25日 23:59
 3%までいかなくても、0.5%で、ふらふらしたり、仕事ができなくなったりするそうなので、事実上の破滅の濃度です。きっともっとはやく、0.5%になるんじゃないですか。いつ頃でしょうね。 
Posted by 二酸化炭素 at 2008年03月28日 20:48
二酸化炭素様

二酸化炭素の増加と平均気温の上昇には、必ずしも相関が見られません。
ただ、地球史における二酸化炭素の増減と生態系の変化・生物の進化との関連には、大いに注目しています。

警告;複数のハンドルネームを使い分けるのは止めましょう。
Posted by 管理人 at 2008年03月30日 14:58
現在の二酸化炭素は、0.03%〜0.04%です。
0.5%なら現在の10倍以上です。

二酸化炭素が増えると、植物の育成速度が上がるという研究結果もあります。
砂漠化対策?
石炭紀は、現在よりかなり二酸化炭素が濃い時代でした。

ちなみに酸素も濃度が上がると、人体に悪影響を与えます。
酸素ボンベは大気の濃度に合わして設定されています(ホントは微妙にズラしているのですけど)。
Posted by おおくぼ at 2008年03月31日 21:14
 二酸化炭素が4500ppmになるのは、2100年頃だそうです。2030年になると、地下水が減産になり、食料危機が起きますので、悪魔のサイクルよりはやく破綻が来るようです。レスターブラウンが「水の世紀」と言ったのは、このことのようです。そろそろ御題を「地下水」にゆずったほうがよさそうです。お後がよろしいようで。(^^;;;
Posted by 二酸化炭素 at 2008年03月31日 21:35
大気中の酸素・二酸化炭素濃度と生命進化の関係については、いずれネタにしようと考えています。
Posted by 管理人 at 2008年04月01日 21:08
海中の二酸化炭素や海底のメタンハイドレートの気化で起きる、温暖化の急速なサイクルは、早くて2060年以降に起きるそうですね。二酸化炭素を増やさないエネルギーを使う事に法律で決めておいて、2030までにおきる、地下水の減産、石油の減産、人口爆発による虐殺に、先にてあてする必要性が高いですね。(^^;;;
Posted by 二酸化炭素 at 2008年04月01日 21:13
不純文學さんへ

くだらないと思ったコメントは、ドンドン削除すべきです!!!

私もいろんなブログで削除されたり承認不可にあってますが、管理人を恨んでいません。

そうじゃないとブログなんて続けることは無理です!!
Posted by おおくぼ at 2008年04月01日 23:38
 やっぱり、気候変動でオーストラリアの小麦畑が7年連続の旱魃になって、小麦の価格が上がっているのを見たり、異常気象で中国の白菜畑が年が変わると、旱魃になったり、洪水になったり、どか雪になったりして、枯れているのを見たりすると、悪魔のサイクルになる、ずっと前から、厳しい被害がでてきていますね。(^^;;
 気候変動に合わせて、灌漑や畑の位置を変えたり、信頼度の高い長期気象予報をつくって、その異常気象に合わせて、強い作物をつくったり、インフラや品種改良の手当てが大変そうです。(^^;;;
 やはり、温室効果ガス、排気ガスが相当悪いみたい。巨大なオゾンホールの影響もあるのかもしれない。早く規制を厳しくしないと、食糧難が思っているより早く来そう。(**;
Posted by 二酸化炭素 at 2008年04月03日 19:43
今後、管理人が「捨てハン」行為と判断した投稿は、削除することにします。

当blogは地球温暖化を否定はしませんが、異常気象や凶作が起こったり珍しい生物が見つかったりするたびに温暖化のせいにするのはどうかと思います。
異常気象や凶作は大昔からあったわけですから。
Posted by 管理人 at 2008年04月03日 22:52
不純文學さんへ

世の中にはいろんな目的でブログをしている人がいると思います。

不純文學さんは、自分の楽しみのためにブログをしていると思います(私も)。
ブログの継続が苦痛となるようなら、苦痛となるような障害は取り除くべきです。

真面目な議論は社会にとって必要だと思いますけど、そのための場所は日本ではたくさん用意されています。
だから個人のブログには、真面目な議論をする責任はありません。

個人の趣味のブログは、あくまで娯楽が目的です。
目的から大きく逸脱すると、元に戻るのは大変です。
そして残るのは疲労だけです。
Posted by おおくぼ at 2008年04月03日 23:22
当blogの運営に何の支障もございませんが、状況を鑑みてこの記事への投稿をここで終了します。
Posted by 管理人 at 2008年04月04日 23:04

この記事へのトラックバック

札幌や他の都市の気温
Excerpt: 最近何かと話題の地球温暖化について、気象庁のデータで調べてみました。測定場所によりかなり異なるようです。
Weblog: 札幌生活
Tracked: 2008-02-11 15:21
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。