2008年06月17日

地球温暖化は繰り返す(後編)

7月7日から9日にかけて開催される北海道洞爺湖サミットまで、一ヶ月を切りました。
福田康夫内閣総理大臣は、洞爺湖サミットを環境サミットと位置づけ、日本の積極的なCO2排出削減策を打ち出すものと思われます。

しかし地球温暖化の原因がCO2でないのなら、排出削減に意味はあるのでしょうか?
あるいは温暖化の原因がCO2であっても、世界が率先して取り組むべき課題は他にないのでしょうか?



地球温暖化は止まらない
S・フレッド・シンガー デニス・T・エイヴァリー 著

人類の歴史上、温暖期は文明の発展期であり、寒冷期には凶作で人口が減少して文明は停滞しました。
地球の気候は温暖期には湿潤で穏やかですが、寒冷期になると乾燥して嵐が多くなります。温暖化はむしろ人類(そして多くの生物)にとって歓迎すべき事態です。
地球温暖化は海面上昇をもたらし、暴風雨や干ばつが増加し、多くの野生生物が絶滅に至るとのシナリオが流布していますが、これら「温暖化がもたらす脅威」を本書はことごとく否定しています。
温暖化で水没するとされる国・ツバル周辺の海面は上昇しておらず、浸水の原因は過剰な砂の採掘にあるそうです。
温暖化によるサンゴの白化は、新たな共生藻と適応する準備であって、サンゴの死ではないといいます。

地球温暖化は自然現象であるというのが本書の主張です。
CO2は温室効果ガスですから、その増加が地球の温暖化を促進することは間違いないでしょう。そして産業革命以降の人類の経済活動が、大量のCO2を排出し続けていることも事実です。
とはいえ現在の地球の平均気温の上昇のうち、どこまでが自然現象で、どこからが人為的要因(ヒートアイランドを含む)なのかはハッキリしません。

私はCO2の排出削減自体には賛同します。地球が温暖化していようがいまいが、化石燃料の埋蔵量は有限だからです(取り組むべきは省エネルギーであって、排出権取引ではありません)。
人類が直面するもうひとつの課題は、食糧危機です。穀物からのバイオ燃料製造は食糧不足を招き、森林を破壊します。
ある国にとって海面上昇が差し迫った問題ならば、CO2の削減以前に海岸線に堤防を築くべきでしょう。都市のヒートアイランドもまた、放置できない問題です。
地球温暖化よりも優先すべき課題は数多くあります。

地球温暖化CO2主因説への懐疑論は、京都議定書に対する産業界の反発や、CO2削減が思うように進まないことから生まれた抵抗運動に過ぎないと思われる方もいらっしゃるでしょう。
確かに著者の一人、エイヴァリーはアメリカの保守系シンクタンクに所属しています。
しかし一方のシンガーは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のメンバーなのです。

『地球温暖化は止まらない』という邦題は、CO2を削減しない限り地球温暖化は止まらないとか、地球はこのまま一方的に温暖化し続ける主張だと誤解を招く気がします。私は『地球温暖化は繰り返す』がふさわしいと思いますが、いかがでしょうか。
1500年周期説では、この先地球が寒冷化することもありえます。そのための対策も地球温暖化と同様に考えておかねばなりません。

一時期オゾンホールの出現が騒がれましたが、今では誰も話題にしなくなりました。
現在の地球温暖化狂騒も、いずれ昔話となるでしょう。

(6月9日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
・地球温暖化については
マイナス6%の覚悟
地球の現代史・不確かな真実V
不確かな真実U
不確かな真実
悲観も楽観も、いけません。
・太陽が地球にもたらすエネルギーについては
スーパースターBest20


※注意事項
このエントリでは、地球温暖化CO2主因説・京都議定書に対する懐疑論を紹介しています。主旨にあわないトラックバックは承認いたしませんので、ご了承ください。


ラベル:地球温暖化
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 20:21| Comment(12) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おおくぼです。

>「一時期オゾンホールの出現が騒がれましたが、今では誰も話題にしなくなりました。」

私は、オゾン・ホールの原因はフロンガスじゃない説を採用しています。
Posted by ディテクティブ太郎 at 2008年06月19日 19:09
ディテクティブ太郎様

オゾンホールは極地、とりわけ南極上空に発生します。
おおくぼ様は確か、オゾンホールの原因がフロンガスなら大量排出国アメリカの上空にできるはず…とおっしゃっていましたね。
フロンガスに地磁気に引き寄せられる性質があるのなら、南極や北極の上空に発生することに納得がいきます。

オゾンホールには出現する季節がありますから、自然のサイクルが影響していると考えるのが妥当でしょう。
近年になってオゾンホールが「発見」されたのは、人工衛星など観測技術の向上もあると思います。

塩素にオゾンを破壊する効力があるのなら、フロンガスの大量排出がオゾンホールの拡大を助長する可能性があることまでは否定しません。

それにしても、近頃オゾンホールは話題になりませんね…
Posted by 管理人 at 2008年06月19日 23:23
>「塩素にオゾンを破壊する効力があるのなら」

あります。ちなみに塩素だけではありません。臭素など、いろいろあります。
直接破壊するのではなく、媒介として破壊を促進を助ける役目をします。
また塩素はフロンガス以外からも発生します。例えば、航空機の排ガスとか・・・。


>「フロンガスに地磁気に引き寄せられる性質があるのなら、南極や北極の上空に発生することに納得がいきます。」

そんな性質があるんでしょうか?専門家にききたいです(笑)。
風の影響なら北極は理解可能ですが、南極は理解不能です。


        ★

1. フロンガスが原因なら、何故、南極のオゾンホール方が北極より大きいのか?
北極はオゾンホールが発生しない年も多いです。

2. 何故、毎年修復されるのか?

3. 年ごとに大きさが違う理由は?
大きくなったり小さくなったりします。理論上では、フロンガスの蓄積量は増える一方のはずです。

答えは「主原因はフロンガスではないから」です。

>「それにしても、近頃オゾンホールは話題になりませんね…」
真面目な人は今でも気にしています。流行ではなくなっただけです。
Posted by ディテクティブ太郎 at 2008年06月20日 08:10
あと火山も影響あるそうです。
Posted by ディテクティブ太郎 at 2008年06月20日 11:38
オゾンホール・ブームは、何が何でもフロンガスが悪いという決めつけで、
地球温暖化・ブームは、石油や石炭が悪いという決めつけに感じられます。

人類が「地球の繊細なバランス」を狂わせ、破滅に追い込んでいるという黙示録的思想はとても魅力的です。

ノストラダムスの予言ブームが去り、残念に思っていたのですが、人生捨てたモノじゃありません(笑)・・・・。

Posted by ディテクティブ太郎 at 2008年06月20日 17:51
ディテクティブ太郎様

フロンガスには、南極と北極に集まる性質があるのか?
ぜひとも専門家に聞いてみたいです(笑)
私が「オゾンホール=フロンガス起因説」に疑問を抱くのは、両極にオゾンホールが発生する理由を説明できないからです。

私は通説や常識の盲点にツッコミを入れるのは大好きですが、べつに反エコロジー主義者ではありません。ハイブリッド車にも乗っていますし(笑)
チーム・マイナス6%どころか、マイナス60%です(前所有車比)。
でもハイブリッド車の製造時・廃棄時のコストを考えると、さほど省エネルギーではないかもしれません。
モーター走行時は排気ガスを出さないハイブリッド車や電気自動車・燃料電池車は地域環境に有利、トータルで省エネなディーゼル車は地球環境に有利といったところでしょうか。

人が黙示録的世界観に惹かれるのは、一人で死ぬことへの不安や寂しさがあるからでしょうか。死ぬのは恐ろしいけれど、人類がみな一斉に死ぬのならいいや…と。

>人生捨てたモノじゃありません(笑)・・・・。

人間、生きていれば時々面白いことに出会えます。
Posted by 管理人 at 2008年06月22日 00:31
>「私が「オゾンホール=フロンガス起因説」に疑問を抱くのは、両極にオゾンホールが発生する理由を説明できないからです。」

オゾンホールは温度と関係があるのです。
約マイナス80度というのが条件です。
成層圏に出来る特殊な雲(極成層圏雲)が出来る条件なのです。

南極のオゾンホールは、秋から発生し冬に最大化して春先に修復されます。

オゾンの多くは赤道上空で多く作られて、両極に流れ込みます。
極成層圏雲は、赤道で作成されたオゾンの流入を妨げしてしまうのです。

>「でもハイブリッド車の製造時・廃棄時のコストを考えると、さほど省エネルギーではないかもしれません。」

ハイブリッド車は、デカい重いという弱点はあると思いますが、石油の消費が少ないといのは利点です。
これからも石炭・石油・天然ガス重視の社会が続くと思いますが、やはり別のエネルギーも併用する戦略が重要でしょう。


>「人が黙示録的世界観に惹かれるのは、一人で死ぬことへの不安や寂しさがあるからでしょうか。死ぬのは恐ろしいけれど、人類がみな一斉に死ぬのならいいや…と。」

井沢元彦先生の本を読むと、人類は終末論の魅力に取り憑かれていることがわかります。
不老長寿の魅力もありますが、それでは退屈なのではないでしょうか(笑)。
ハリウッドの娯楽大作映画では、人類の危機と危機を救う英雄がセットになっている場合が多いです。

地球温暖化・危機を救う英雄は誰でしょうか?(笑)。
Posted by ディテクティブ太郎 at 2008年06月22日 22:46
ディテクティブ太郎様

石油・石炭・天然ガスは当面エネルギーの主役でしょうが、それ以外のエネルギーの開発も必要です。
風力・太陽光などの自然エネルギーは、発電所よりも小規模自給型のエネルギー源に向いているでしょう。
エネルギー開発には適材適所が求められます。

現状では水素や太陽電池の製造時には、大量の化石燃料エネルギーが消費されます。
それを考慮せずに太陽光発電が増えたからとCO2排出量削減をカウントするのでは、なんのための温室効果ガス抑制策なのかわかりません。
やはり取り組むべきはCO2削減ではなく、実質的な省エネルギーです。

『地球温暖化は止まらない』では、埋蔵量の豊富な石炭の利用を説いていました。
植物が吸収した炭素なのに、石炭の場合はカーボンニュートラルとは呼ばれません(笑)
太古の植物の化石である石炭は、現生の植物が固定した炭素ではないため、大気中の炭素を新たに増やすだけとの理由でしょうが。
Posted by 管理人 at 2008年06月22日 23:59
TBありがとうございます。
わが輩もほんの1〜2年前までは普通に環境問題は受け入れてました。
それを変えるきっかけになったのは武田教授が初めてTVに出演されたあの番組です。
典型的な文系のわが輩にとってかなりショックでしたね。
それからは環境問題も政治と同じく精査して見るようになり、なんでもいっしょくたにして報じるメディアの馬鹿さかげんにうんざりしておる今日この頃です。
まぁそれでも本人は至って環境に優しいといえる生活を送ってますけどね。
Posted by ギレン at 2008年06月29日 02:36
ギレン閣下

6月24日放送のNHKの『クローズアップ現代』で二酸化炭素の地下貯蔵を採り上げていたのですが、ゲストの藤井康正氏(東京大学大学院教授)が「二酸化炭素は最悪の廃棄物」と発言したのを聞いて唖然としました。
確かに大気中の二酸化炭素が増え過ぎると、人間は中毒死します。
しかし増え過ぎると危険なのは、酸素だって同じです。
藤井氏は酸素を「地上最悪の有毒ガス」とでも言うのでしょうか?
二酸化炭素は生態系に必要な物質。
CO2ファシズム、ここに極まれり…といった感じです。

環境に優しい生活は、なにより余計な消費をしないことですね!
Posted by 管理人 at 2008年06月29日 18:22
オゾンホールって修復するものなんですね。今も広がり続けていると誤解していました。
ちなみに、話題にならないのは遠い国の話で日本に被害がないからだと認識してました。

「ギレン閣下」との名前もありましたので、判るものとして書きますと、温暖化防止にはコロニー落しが効果大かと・・・(^^;

心配なのは温暖化は寒冷化の前触れだとも思います。寒冷化には何らかの自然災害と言うか天災がきっかけだと思いますので、それが怖いです。
Posted by みはりや at 2008年06月29日 21:36
みはりや様

寒冷化は温暖化以上に脅威ですね。
17世紀には、太陽に黒点が全く観測されない(太陽活動が極小)時期がありました。
マウンダー極小期と呼ばれ、地球は小氷期となりました。
1500年周期があるかどうかはわかりませんが、太陽の活動は地球に大きな気温変動をもたらすようです。

コロニー落としは知りませんでした(笑)
Posted by 管理人 at 2008年06月30日 01:27
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