2008年07月06日

宇宙を作ってみよう

小松左京賞受賞のSF小説『神様のパズル』が、映画化されたのだとか。
確か天才大学生が宇宙を作ろうとする話で、面白そうだなと思っていたのですが、ラノベ風の表紙が手に取るのを躊躇させていました。
これを機に読んでみましょう。



神様のパズル 機本伸司 著

綿貫基一(わたぬき・もとかず)は、必修科目を落としてしまって卒業が危ない、K大学の理学部4年生。
あこがれの保積(ほづみ)さんを追っかけて選択したゼミは、通してもらうのは厳しいことで評判の素粒子物理研究室です。

綿貫は、担当の鳩村教授から「ホミズさん」をゼミに連れて来るよう依頼されます。
K大学には飛び級で入学した16歳の天才少女・穂瑞沙羅華(ほみず・さらか)が在籍していました。建設中のコライダー(粒子加速器)“むげん”は、穂瑞が9歳のときに発表した理論をもとに設計されています。
一時はマスコミにもてはやされた穂瑞でしたが、今では大学の空気に馴染めずに、自宅に引きこもる毎日を送っているのでした。

16歳とは思えぬ人を見下した穂瑞の態度に、綿貫は終始圧倒されるばかり。教授の指令を断れない立場の綿貫は、気難しいを穂瑞をゼミに出席させることができるのでしょうか。
翌日、綿貫は橋詰と名乗る聴講生の老人から質問を受けました。「宇宙は無から生まれたというのは本当か」と。
綿貫は橋詰を連れて、ふたたび穂瑞のもとを訪れます。そして同じ質問を天才少女にぶつけたのでした。さらに橋詰は問います。「宇宙は無から生まれたのなら、人間にも作れるんですか?」

綿貫たちが今年のゼミの研究テーマについて話し合っていたところ、穂瑞沙羅華が突然、研究室に現れました。そして「宇宙の作り方」を研究しようと提案したのです。
穂瑞は言います。宇宙は無から生まれたと無批判に信じるのに、なぜ人間が無から宇宙を作るとなると出来ないと決め付けるのか。
ここに「宇宙は作れる派」と「作れない派」に分かれて、卒業単位を賭けたディベートが始まりました。

穂瑞沙羅華が相手の論理の弱点を突くディベートシーンや、宇宙創生のシミュレーションをプログラミングするシーンには、かなり熱くなりました。
宇宙論を扱うだけに意味の解らない物理学用語がたくさん出てきますが、それでも十分に楽しめます。
宇宙を知ろうとする行為は、私たち自身が何者かを問う行為なのです。

(7月6日読了)


映画の設定は、小説と随分違うみたい…
http://www.kami-puzzle.com/


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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