2008年07月14日

温暖化詐欺にご用心!(後編)

海へ向かって崩落する氷河や、永久凍土上の傾いた家屋。
地球温暖化の危機を訴える映像を求めて、日本のマスメディアはアラスカの赤祖父氏のもとへやって来ます。
しかし氷河の崩落は、北極圏で日常的に起こっている現象です。永久凍土の上に直接建てられた住宅は、暖房によって氷が融けて崩壊したのでした。
海氷に乗って漂流するホッキョクグマの映像は、氷床の縮小によって生活圏が奪われたホッキョクグマが絶滅に瀕しているのだと訴えます。しかしホッキョクグマは、現在よりも温暖な時代をも生き延びてきたのです。
マスメディアには、地球温暖化に関する誤った情報が溢れています。温暖化によって台風やハリケーンが増えたというデータもありません(ハリケーンの被害額が大きくなったからといって、ハリケーンの風力が強くなったわけではない)。



正しく知る地球温暖化 赤祖父俊一 著

二酸化炭素の増加によって地球が温暖化したのではなく、地球の温暖化によって二酸化炭素が増加したのだとする研究もあります。
しかし20世紀半ばからの二酸化炭素の増加が、人為的要因であるのは間違いないでしょう。たとえ二酸化炭素の増加が地球温暖化に与える影響がわずかだとしても、このまま一方的に大気中の二酸化炭素が増え続けて良いとは思いません。
また化石燃料の埋蔵量は有限であり、地球が温暖化する・しないに関わりなく、エネルギー消費は削減すべきです。

食糧危機、水不足、森林破壊、エイズなどの感染症、新興国の大気汚染…これらは地球温暖化の影響で将来起こるとされる問題ではなく、すでに目の前で起こっています。世界には人類が優先して取り組むべき課題が、他に数多くあるのです。
地球温暖化の原因が二酸化炭素ではなく自然変動だとしたら、なおさらのこと。人類は地球の気候システムに、力ずくで立ち向かえとでも言うのでしょうか。自然変動による温暖化には、順応するしかないのです。
二酸化炭素の排出削減は、省エネルギーに取り組みましょうと言えば済むことです。排出権をめぐる合意に至らない国際会議に、時間と資金を浪費している場合ではありません。取り組むべきは持続可能なエネルギー資源の開発なのです。
北海道洞爺湖サミットは、世界各国が長期的な温室効果ガスの削減目標を共有することで合意し、具体的な数値目標は盛り込まれませんでした。
具体的な成果がなかったことを、大きな成果だったと評価すべきでしょう(笑)

私は反エコロジストではありません。
地球温暖化を科学的に論じるべきだと訴えています。
そして誤った環境政策に、国益が浪費されることを憂えているのです。
国益とは国家の威信でも、政治家や官僚の利権でもありません。わたしたち国民ひとりひとりが納めた税金なのです。
日本の政界には、地球温暖化の科学的根拠に疑問を感じる政治家はいないのでしょうか。日銀の総裁人事にあれほど抵抗した野党からも、温暖化対策そのものへの異論の声は聞かれません。
そして今日もマスメディアは、地球温暖化の危機をひたすら報じています。

本書は「地球温暖化プロパガンダ」が多用する、氷河の崩落やホッキョクグマの映像ほどには解り易くないかもしれません。
しかし、わずか180ページの気軽に読める本です。
世界のアカソフが迷える日本人へ向けたメッセージを、是非お読みください。
ひとりでも多くの日本人が、地球温暖化の真実に目覚めることを願っています。

(7月7日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
温暖化詐欺にご用心!(前編)
地球温暖化は繰り返す(前編)
地球温暖化は繰り返す(後編)
マイナス6%の覚悟
地球の現代史・不確かな真実V
不確かな真実U
不確かな真実
悲観も楽観も、いけません。


ラベル:地球温暖化
posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 00:38| Comment(22) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うちへのコメント、ありがとうございます。
温暖化議論はおっしゃるとおり、冷静な研究を重ねるべきです。
今の日本の政治家達の科学音痴加減にはあきれるばかりです。
いや、日本の科学者もCO2につられているようでは、レベルの低さを
露呈しているようなものです。
Posted by stora at 2008年07月14日 08:12
stora様、いらっしゃいませ。
『政治とか経済とか社会とか…』には共感する記事が多く、不純文學交遊網(お気に入り)に登録しております。

UFOの存在について国会で質問したトンデモ議員はいましたが、地球温暖化の科学的真偽を問う気骨ある政治家はいませんね。
首相も環境相も、うろたえること必至だと思いますが。
全国会議員に問う。
そんなにCO2削減が大事なら、まずは公職選挙法を改正し選挙カーを禁止しなさい!
Posted by 管理人 at 2008年07月14日 18:26
日本の温暖化対策は、なんとなくエネルギー節約の方向に傾いているので、それはそれでいいかな?なんて思ったりします。
ただ、発電の資源として「石油がだめなら原子力」って安易に移行するのも怖い気がします。
あと、砂漠が拡大してるとか・・・温暖化対策とは別として、緑を増やすってことも良い傾向かも知れません。

>選挙カーを禁止しなさい!
ポスターやビラ配りも廃止しなさい!
Posted by みはりや at 2008年07月14日 21:19
みはりや様

私はCO2による温室効果を否定しませんし、CO2を削減すること自体は支持します。
ただし京都議定書の「1990年基準マイナス6%」は、日本だけがCO2削減義務を負う不平等条約であって、支持できません。
そして「排出権取引」という怪しいビジネスに、日本の国益が奪われることを危惧しています。

選挙制度は、ぜひとも見直して欲しいですね。
Posted by 管理人 at 2008年07月15日 21:12
私は反エコロジストです(笑)。

反エコロジーは宗教戦争みたいなもんです。

宗教「原理主義者」の過激なテロや、カルト宗教の洗脳と戦うのが、反エコロジストです。

「自然が好き嫌い」とか、そういうのとは関係ないです。

マイケル・クライトンのSF小説『恐怖の存在』(ハヤカワ文庫)が、そういう内容です。
この小説はインディージョーンズばりのアクション&冒険モノです。

現代は、エコロジスト 対 反エコロジストの戦国時代なのです。
Posted by おおくぼ at 2008年07月16日 12:02
おおくぼ様

>「自然が好き嫌い」とか、そういうのとは関係ないです。

おおくぼ様は、エコロジー(自然保護や省エネ)に反対なのではなく、エコロジスト(を含む原理主義者やファシスト)に反対なのではないかという気がします。

通俗的なエコロジー理解に対し異論を述べることが、人類の敵と見なされかねない現状を打破せねばなりませんね。

それに環境保護という大義名分を掲げれば、何をしても良いわけではありません。
グリーンピースが、運送会社の倉庫からクジラ肉を盗んだのは犯罪です。
裁判で、盗品は証拠物件にならないことを知らなかったのでしょうか?
Posted by 管理人 at 2008年07月16日 22:41
>「グリーンピースが、運送会社の倉庫からクジラ肉を盗んだのは犯罪です。
裁判で、盗品は証拠物件にならないことを知らなかったのでしょうか?」

あのような環境保護テロリスト達は、裁判で勝つことは考えてないと思います。
ただ目立てばいいという考えなのです。
アキバ事件の犯人と同じ心理なのです。
世間の注目を得るために事件を起こしているのです。
そして事件を自分達の都合のいいように解釈して、自分のサイトに発表するのです。
ただアキバ事件の犯人と違うのは、スパンサーがいることです。
だからスポンサー向けの行動とも解釈することもできます。
実績作りです。
政治家の活動みたいな・・・。
(--;)
Posted by おおくぼ at 2008年07月17日 13:44
おおくぼ様

キリスト教圏の方々には、人間は罪深き存在であり(原罪を背負っている)、なんらかの行いで贖罪せねばならないという意識があるのでしょうか。
神の祝福を受けるために働き、利潤は浪費せずに更なる労働へ投資する。それが資本主義を生んだ「プロテスタンティズムの倫理」なのかもしれません。
その「贖罪の意識」が自然保護へと向かい、過激化したものがグリーンピースなんでしょうね。彼らにとってウシやブタは、神から人間が好きして良いと与えられたモノであって、生命ではない。そしてウシやブタを食べることはなんとも思わないのに、クジラは神聖視する。
過激な環境保護運動は、まさに宗教運動なのですね。
Posted by 管理人 at 2008年07月17日 23:08
あいかわらず、あちこちで温暖化を巡る不毛な議論(喧嘩?)をしています(笑)。

不毛な議論をするたびに、赤祖父先生の偉大さが身にしみます。

最初、この本を読んだ時は、もっともっと理科系的に温暖化の原因に踏み込んだ記述が読みたかったので、物足りませんでした。
だから伊藤公紀先生の本の方が、面白かったのです。
でも、丸山茂徳先生の本と赤祖父先生の本を比較すれば、信頼度の違いは歴然としています。

丸山先生がトンデモ領域に踏み込み、発言する勇気を持っていることは素晴らしいと思います。
けれど、それは諸刃の剣なのです。

赤祖父先生は、温暖化「騒動」を冷ややかに分析しています。
多くの懐疑派は、温暖化「騒動」の反動で、トンデモ領域に飛ばされます。
でも赤祖父先生は、トンデモ領域ギリギリで踏み止まって発言しています。
現時点では、稀有な例のような気がします。
Posted by おおくぼ at 2009年07月09日 14:17
やはり赤祖父先生は「大人」ですね。
現代科学の常識理論の範囲内で、地球温暖化CO2主犯説を論破しています。
丸山茂徳氏の「宇宙線と雲」のような仮説(トンデモ説?)を持ち出したり、武田邦彦氏のように扇動的なタイトルの本を書いたりはしません。

理科系な論理性の高さは伊藤公紀氏でしょうが、赤祖父先生には北極の真実の姿を知っているという、現場の強みがあります。
Posted by 管理人 at 2009年07月10日 23:04
丸山茂徳氏の「宇宙線と雲」はトンデモ説ではないのですが、それだけで説明できるほど、地球の気象は単純ではないのです。
「宇宙線と雲」で説明できるのは、3kmぐらいの低層の雲量の変化だけです。
雲は複雑なのです。
また雲は、温室効果ガス以上と言われる温室効果があるのです。

伊藤公紀氏は、最新データで科学の最前線を紹介してくれます。
ただ、この分野は日進月歩なので、10年後20年後は、意外な事実が発見されてコペルニクス的な転換が起こる可能性も高いです。

地球の気象は複雑で、現時点では99%は謎と考えていいと思います。
一週間後の天気予報も難しいし、来年の天気予報はもっと難しいです。
氷期と間氷期が何故起こるかも謎です。
どうして全地球凍結が起きたのか、そして全地球凍結から、地球は脱したのか?
恐竜の時代の気温変化の理由は?
100年後には、これらの謎の答えは常識になっているかもしれませんけど。
Posted by おおくぼ at 2009年07月10日 23:39
懐疑派のトンデモ論と言えば・・・

20世紀の二酸化炭素の増加の原因は地球温暖化である説ですね。
因果関係を逆転して考える発想は面白いですけど。
同じ発想で、公害は人間が原因ではなく、人間は公害の結果であるという説を唱えたくなります(笑)。

あと温室効果「理論」は、熱力学の法則に反するから間違っているとかがあります。

こういうトンデモ説を唱える人は、何故か高度で難解な数式を使いたがる傾向があります。
ケプラーもそうですが、数式神秘主義みたいです。
プラトン学派やピタゴラス学派の流れを組んでいるのかもしれません(笑)。

Posted by おおくぼ at 2009年07月12日 18:41
コンピュータ・シミュレーションで、地球の未来の気候が予測できると信じるのも、現代版・数学神秘主義でしょうか?

熱力学の法則に反するから、温室効果は間違っているのなら、生物はエントロピーを減少させるから、この世に存在し得ないということですね(笑)
Posted by 管理人 at 2009年07月12日 22:03
>「コンピュータ・シミュレーションで、地球の未来の気候が予測できると信じるのも、現代版・数学神秘主義でしょうか?」

そんな気がします。
赤祖父先生も書いている通り、現代版:魔法の水晶玉だと思います。
ハリーポッターの世界は、現実なんです(笑)。



懐疑派は、槌田敦を除くとエントロピーという言葉を使わないみたいです。
教祖様と違って、懐疑派はエントロピー理論が嫌いみたいです。

Posted by おおくぼ at 2009年07月12日 22:58
温暖化「危機派」も「懐疑派」も、理論や数式との整合性よりも、まずは現実のデータを見ましょうとのことですね。
長年にわたり北極を見続けてきた、赤祖父俊一先生のように。
Posted by 管理人 at 2009年07月13日 17:58
いろんな懐疑論者がいますが、私が気になるのは理科系レベルの高い懐疑論者です。

竹内薫の『理系バカと文系バカ』(PHP新書) を読むと、竹内先生は理系離れを憂いています。
私は文系ですが、理系離れは日本の将来の国力の弱体化に繋がると思うのです。

私にはトンデモ論としか思えない理屈を主張する高度な理系懐疑論者がかなりの数います。
私は不思議でしたが、最近理由がわかりました。
教科書と学校の理系教育が原因なのです。
電磁波を「熱力学の教科書」の範囲からハズしているからです。
だから優秀な頭脳の持ち主でありながら、温室効果理論が信じられないという不思議な現象が起こるのです。

日本の理系教育の将来の縮図のような気がします。
大多数の人が理科離れりなり、少数の人が教科書盲信派になってしまうのです。
Posted by おおくぼ at 2009年07月14日 21:41
中国の反日歴史教育もそうですが、教科書盲信派が世界中で目立つ気がします。
ちなみに中国は中国共産党が善で、残りは悪という勧善懲悪の内容になっています。
わかりやすい!
日本の江戸時代を連想させます。

理科系の教科書盲信派は、意外なとこにいたりします。
狂牛病をテーマにした福岡伸一の『プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステリー』 (ブルーバックス)は、ノーベル賞に噛みつきます。
理由は、プリオンの存在自体が、従来の教科書で説明できないからです。

だから理系懐疑派は、教科書盲信派だったりするのです。
文科省の責任かな?
Posted by おおくぼ at 2009年07月15日 14:29
理数系科目の成績が良い人が、理科嫌いになってしまうのでは、非常にもったいないことです。
文学部出身者が理科離れを嘆くと、お前が理系に進めば良かったのに、と言われそうですが…(苦笑)。

私は小さい頃は理科好きでして、物語などの作り話が嫌いで、科学漫画(学研のひみつシリーズ)と小学生向けのノンフィクション全集を読み漁っていました。ノンフィクション全集に書かれた「事実は小説より奇なり」という言葉に、感銘を受けました。
ただ、実験は嫌いでした。準備が面倒で(笑)。実験よりは観察が好きで、結局、理系といっても極めて文系に近い、博物学みたいなのが好きだったのでしょう。
小学校4年生の時に邪馬台国論争なるものがあることを知り、文系へ転向しました。
Posted by 管理人 at 2009年07月15日 23:12
私も実験嫌いです(笑)。
私の場合は、準備ではなく、後片付けが嫌いです。
だから、基本的に机上派です。
コペルニクスも、そうだったみたいです。
すぐあとの、チコ・ブラーエやケプラーやガリレオが観察や実験を熱心したのとは大違いです。

あと私は計算も嫌いですし、公式の暗記も嫌いです。
私の家は父が理科系の書物が好きなので、かなりの量の理科系の書物があります。
でも理科系の本を読むときは、計算は全部飛ばして読んでいます(笑)。
だから電卓やエクセルのようなソフトは素晴らしいと思っています。
またグーグルに計算機能があるので、使っています。

大学はニューアカの影響で、経済学部に行きました。
在学中は、金融工学とか、複雑系経済学に少しだけ惹かれて、経済学における数式とは?みたいなことをいろいろ考えました。
Posted by おおくぼ at 2009年07月16日 01:50
山本弘さんのブログで、懐疑論者とビリバーは相反しないという記事は、いいですね。

http://hirorin.otaden.jp/e49164.html

例えばケプラーは、生真面目な占星術士でした。
だから、いい加減な占星術士が我慢できませんでした。

Posted by おおくぼ at 2009年07月19日 05:51
最近、『 地球温暖化の予測は「正しい」か?
』(化学同人:発行)
江守正多:著を読んでいます。
NHKなどのTVによく出る人で、温暖化危機論者です。

私自身は、IPCCのシミュレーションを信頼してないし、温暖化の原因をCO2だとは思っていません。
けれど、温室効果を物理的な啓蒙書としては、いい本だと読んでいて思いました。
ネット上では、理系懐疑派の人達が、この人を敵視していたりします。
でも私から見ると、江守氏の方が理論的に正しいと思えるから不思議です。
もし、温室効果理論に興味がありましたら、読んでみて下さい。
Posted by おおくぼ at 2009年07月19日 13:32
私も、科学書の数式のページは読んでいません。
ついでに、歴史書の古文書のページも飛ばすことが多いです。早く読み終えたいので(笑)。

志水一夫氏は、科学雑誌『UTAN』に記事を書いていた頃から知っています。超常現象に対する的確な批判をしていましたが、ご自身はビリバーとは意外でした。ご冥福をお祈りします。

江守正多氏の著書も読もうと思っているのですが、残念ながらまだです。
Posted by 管理人 at 2009年07月19日 21:04
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