2008年10月14日

昔話は「心のアリバイ」

「昔、昔、あるところに…」
昔話には、子供にはとても聞かせられない恐ろしい背景が隠されています。
(例えばカチカチ山には、子供向けバージョンと残酷バージョンがあります)

歴史上の人物や事件に意表をついた新解釈を加えたミステリ(バカミス?)を多く発表している鯨統一郎氏には、女子大生がグリム童話になぞらえて難事件のアリバイ崩しを展開する『九つの殺人メルヘン』という作品がありました。続編は日本の昔話です。



浦島太郎の真相 鯨統一郎 著

日本酒をワイングラスに注いで出す嫌味なバー「森へ抜ける道」。
常連客は、元刑事で探偵事務所を営む工藤とフリーライターの山内。
それにバーのマスター・島を加えた3人は、42歳の厄年トリオ(ただし前作での年齢)。
そして週に一度現れて、ひとりでグラスを傾けるのは大学でメルヘンを研究している清楚なお嬢様、桜川東子(本作では大学院生)。

工藤が抱える不可解な事件。それらはいずれも容疑者に犯行へと至る動機が見当たりません。桜川東子は犯人が秘める「心のアリバイ」を崩します。
アリバイ崩しのヒントとなるのは、いつも日本の昔話。
「浦島太郎」「桃太郎」「カチカチ山」「さるかに合戦」「一寸法師」「舌切り雀」「こぶとり爺」「花咲爺」の8つ物語に隠された、登場人物の心の闇を暴きます。
ウソだとわかっていながら、ついつい信じてしまいたくなる鯨統一郎氏の新解釈です。

厄年トリオの酒の肴は、いつも懐かしの映画やアニメなど文字通り「昔話」ばかり。
1970年代に青春時代を過ごした人は、思わずニヤリとする内容でしょう。
もちろん、わからない世代の方でも十分楽しめます。

(10月13日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
♪ずいずいずっころば〜し



九つの殺人メルヘン


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 19:45| Comment(0) | TrackBack(1) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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