2008年12月23日

古代エジプトの叡智

古代エジプトは、多くの人をロマンへと誘います。
未だ全貌が解明されていないピラミッド、ピラミッドよりも先に建造されたというスフィンクス、ツタンカーメン王の墓が発見された王家の谷…

古代エジプトの信仰の中心は太陽神「ラー」ですが、他にも多くの神様が存在する多神教でした。



「太陽の哲学」を求めて 吉村作治 梅原猛

タイトルと著者で、おおよその内容は想像できます(笑)
哲学者・梅原猛氏が、古代エジプトと日本の太陽信仰を持ち上げて、戦争と環境破壊をもたらした一神教文明を批判する…と。

ありきたりと言ってしまえばそうなのですが、私自身「アニミズムと科学の融合」を標榜していますので、梅原氏と思想的に共鳴できる部分があるのは確かです。
森(杜)を聖域とすることで森林を保護してきた神道に、私は好意を抱いています。また、生物の形態を模倣したバイオミミクリーは、自然のメカニズムに則った、効率的な科学技術のあり方だと思います。

さて、本題に戻りましょう。
世界的なエジプト考古学者・吉村作治氏が、梅原氏をギザの大ピラミッドやルクソールの神殿へと案内します。
吉村氏がエジプト文明の特徴と、キリスト教や古代ギリシャ哲学との意外な関係を披露し、それをもとに梅原氏が自らの思想を語るという対談形式の本です。
世界最初の一神教とされるアクエンアテン王(アメンヘテプ4世)のアテン信仰と後世の一神教との違い、イシス神話がマリア信仰に与えた影響など、興味深い内容が語られます。

長らく王の墓だと考えられてきたピラミッドですが、ピラミッドからは人骨や副葬品は発見されておらず、王の墓ではないとするのが吉村氏の主張です。
クフ王の大ピラミッドの「王の間」には、石棺のような箱がありますが、蓋はありません。ここで梅原氏の推理が炸裂。王の間とは、石棺に前王の亡骸を入れて、新しい王が前王の亡骸とともに寝ることで、前王の魂を受け継ぐ儀式が行われた場所ではないかと。これなら王の墓ではないピラミッドに石棺があることも、石棺に蓋がないことも説明できます。
日本の皇室の大嘗祭にヒントを得たという梅原氏、さすがです。

(12月23日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
アニミズム革命
太陽の道
キリスト・コード
自然界の匠たち


「太陽の哲学」ということで、巻末で梅原氏は、太陽光発電へ人類の叡智を結集すべきだと述べています。
太陽エネルギーの可能性について、もう少し突っ込んだ話があると面白かったのですが、そこまで求めると専門家がもう一人必要になりますね。


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。