2009年01月02日

2009年、世界をより良くするために

皆様、あけましておめでとうございます。
昨年は(も)、金融危機や無差別殺傷事件といった、暗いニュースが数多くありました。今年は良い1年でありますように…
しかし、祈るだけでは社会は良くなりません。
世界には戦争・飢餓・環境破壊など、さまざまな難題が山積しています。これらの課題に私たちはどう取り組むべきなのでしょうか。



五〇〇億ドルでできること ビョルン・ロンボルグ

世界のために500億ドルを自由に使えるとしたら、なにを優先に、いくらお金を注ぎ込むべきか…ノーベル賞(スウェーデン銀行賞)受賞者を含む、世界の著名な経済学者が、デンマークのコペンハーゲンに集結して、議論を戦わせました。
地球温暖化・感染症・内戦・教育・政治腐敗…など、それぞれのテーマごとに対策の費用対効果が論じられ、さらに別の論者が反論を加えているのが本書の特徴です。
最も緊急で効果が高いと判定されたのは、HIV感染症対策でした。次いで栄養失調対策。3番目には、全く費用がかからずに経済効果が大きいとして、自由貿易の促進が挙げられています。

コペンハーゲン・コンセンサスを主催したのは、環境保護主義を批判して賛否両論を巻き起こした、統計学者のビョルン・ロンボルグ。ランク付けされた17の対策のうち、気候変動に関するものがワースト3を占めたことで、大きな注目を浴びました。
また地球温暖化論批判か…と言われそうなので付け加えておきますと、炭素税や京都議定書は費用が便益を上回るとして否定されましたが、炭素削減技術への投資は比較的高く評価されています(第2回会議では30項目中14位)。国際金融の不安定性については、複雑で不確実なことから、ランク付けすらされていません。

本書に対して、全く質の異なる問題を比べて優先順位をつけるべきなのか、費用便益だけで物事を決めてよいものかと、批判される方もいらっしゃるでしょう。
では、日々の政策決定は、本当に合理的になされているのでしょうか?
政治家や官僚や企業・団体の利権、マスコミの注目度などに左右されてはいないでしょうか?
そこに気付くだけでも、読む価値のある一冊ではないかと思います。
国際会議の報告書なので、読み物としては面白くありませんが…

COP15(気候変動枠組条約第15回締約国会議)は、今年12月にデンマークのコペンハーゲンで開催されます。コペンハーゲン・コンセンサスの影響はあるのか…非常に気になるところです。
麻生総理も「2兆円で出来ること」をじっくり考えたうえで、政策を決定してくださいね。

(1月2日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
悲観も楽観も、いけません。


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 23:48| Comment(6) | TrackBack(2) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「埋蔵金」は全部使うことになったそうです。
法案提出の段階ですけど・・。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090103AT3S2800I02012009.html

私が二酸化炭素「削減対策」で考えているのは、緑100倍計画です。
陸上の緑が増えても、二酸化炭素は減らないという計算もありますが・・・。
また緑が増えると、平均気温が上がるとという理論もありますけど・・・。
緑が増えると地球上のエントロピーは増えます。
でも緑を増やすというのは、エコだ思うので。
Posted by おおくぼ at 2009年01月03日 22:46
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
10日間、パソコンをはなれて世間をうろうろ観察していました。
今年はさらに着物姿の女性が少なくなっていますね。
あと、確かにキーワードはエコらしいのですが、大国の指導者や企業家トップの信念・良心の行方がさまよわなければ良いのですが。
そうそう、不純文学學交遊録の記事の、ビヨン・ロンボルグさん、年配者の私には、
え、テニスのビヨン・ボルグと思ってしまいました。失礼しました。
Posted by 本の虫 at 2009年01月04日 09:03
おおくぼ様

霞ヶ関の金正日こと高橋洋一氏は、埋蔵金はすべて国民に返還すべしと書いてますね。ただ、ご利用は計画的に(笑)
紙幣を刷って国民に配布するのなら、財政出動は必要ありませんが。

自然の気候「安定」装置である、森林を増やすのは大賛成です。
その結果、気温が上がったりCO2が増えたりしても、我々は粛々と受け入れるべきでしょう。それが自然の答えです。
気候の安定なんて、所詮は人間にとって都合のいい気候でしかないわけですから。

太陽光発電や原子力発電は発電時にCO2を排出しませんが、建設時のCO2排出量はどう評価されるのでしょうか。
ある国が、日本製の太陽電池でCO2削減を達成した場合、製造時のCO2排出は日本が負担していることになります。
このへんのカラクリを知りたいですね。
Posted by 管理人 at 2009年01月04日 20:08
本の虫様、あけましておめでとうございます。

テニスのボルグ選手は、長髪でヘアバンドをした人でしたっけ?
70年代生まれの私にも、かすかに記憶があります。
あとは、暴れん坊のジョン・マッケンローとか。
ビョルン・ロンボルグの名は、今後目にする機会が多くなると思います。

エコは誰もがおおっぴらに反対しないキーワードだけに、それが合理的な政策なのか、利権や不正に結びついてないか、監視することも必要でしょう。
Posted by 管理人 at 2009年01月04日 20:19
池田清彦が『ほんとうのエネルギー問題』という本を出しました。
立ち読みしかしてないんですけど・・・。
(^^::)

二酸化炭素について言えば、電気使用量が逆算して、推測している場合がほとんどです。
しかも電気使用量は増えています。
金融危機の影響で減るかもしれませんけど。

でも焼却炉などから出る二酸化炭素を実測して欲しいです。
ちなみに生物が死んで、腐ると、二酸化炭素が出ます。
原子力発電は、コストの面で不明な点が多いです。
住民への説得費や核廃棄物の管理費用やメンテ費用とか・・。
Posted by おおくぼ at 2009年01月11日 00:16
新潟県中越地震の影響で、柏崎刈羽原子力発電所の運転がストップし、2007年の日本のCO2排出量は増加しました。
原発の停止がなければ、CO2排出量を3600万トンも少なくできたそうです。
http://response.jp/issue/2008/1208/article117502_1.html

生態系において二酸化炭素は必ず発生しますから、そもそも「二酸化炭素は悪者なのか?」という疑問はありますね。
ついでに、人間が吐き出す二酸化炭素も実測して欲しいです(笑)
Posted by 管理人 at 2009年01月11日 21:36
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Excerpt: 世界最重要課題が地球温暖化であるとする人達から、もっとも忌み嫌われているであろうビョルン・ロンボルグ著の「地球と一緒に頭も冷やせ」を読んだ。この本は、何が何でも二酸化炭素削減にこだわる人達にこそ読んで..
Weblog: 札幌生活
Tracked: 2009-02-02 21:39

環境に金をつぎ込むくらいなら、他にやることはあふれている:五〇〇億ドルでできること
Excerpt: 五〇〇億ドルでできること作者: ビョルン・ロンボルグ出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2008/11/07メディア: 単行本 500億ドルで世界の問題を解決するには、どの問題について優先的に..
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