2009年01月13日

腕立て伏せをする魚

今年は進化論を提唱したチャールズ・ダーウィン(1809‐1882)の生誕200年、そして『種の起源』の出版から150年にあたります。
ちなみにダーウィンがガラパゴス諸島から連れ帰ったゾウガメは、つい最近まで生きていました(2006年に推定年齢176歳で永眠)。

「人間とは何者か?」「生命はいかにして誕生したのか?」
私たちの根源的な問いに答えようとする進化論。ダーウィン・イヤーに論争が盛り上がることを期待します。



ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト 二ール・シュービン

この本の表紙に描かれたワニのような生物、実はティクターリク(イヌイットの言葉で「大きな淡水魚」の意味)という学名の魚です。
3億7500万年の地層から化石が発見されたティクターリクは、魚類と原始的な両生類の中間的な形態をしています。鰭の内部に肩・肘・手首に相当する関節をもっていて、なんと腕立て伏せをしていたのです。
水中の捕食者(より大型の魚類)から逃れて、干潟の上を動き回っていたと考えられています。

私たち人間のカラダは、魚類から多くを受け継いでいます。進化とは無から有を生み出すのではなく、既存の構造(ボディデザイン)を上手く利用してなされてきました。
しかしながら、私たちが未だ魚類であるがゆえの不都合もあります。脚や腰を痛めるのは、直立二足歩行の代償です。肥満になるのは、食糧が枯渇した際にエネルギーを蓄える、狩猟採集生活時代の名残りだと考えられます。
ちなみにしゃっくりとは、鰓と肺の両方をもつオタマジャクシが、水が気管に入らないようにする反応なんだとか。

太古の生物が化石として残るのは極めて稀なことであり、ティクターリクのような進化のミッシングリンクとなる種の化石が発見されるのは、さらに奇跡的な確率です。地球の歴史には、私たちのまだ知らない生物が数多くいたことでしょう。
新たな発見によって、進化論もまた進化し続けます。

(1月12日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
恐竜はなぜ鳥になった?
カラダは世界遺産
ダーウィンが来た!


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 自然科学交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ。
亀は万年と言いますが、ほんとにすごい長生きするんですね。
そんな前だとまだ明治維新に到達してないんですから、おそれいりますね。
Posted by ギレン閣下 at 2009年01月18日 01:36
ギレン閣下、本年も宜しくお願いします。

一匹のカメを通して、ダーウィンと現代の私たちがつながってしまうとは、感慨深いものがあります。ガラパゴスゾウガメは、まさに進化の生き証人ですね。
Posted by 管理人 at 2009年01月19日 11:54
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