2009年02月03日

不思議の国・ロシア

賄賂、暗殺、不正選挙…まるでスパイ小説のような世界が現実に繰り広げられている国、それはロシア連邦です。



ロシアはどこに行くのか 中村逸郎

2007年12月の下院選挙では、ウラジーミル・プーチン大統領(当時)を比例代表名簿の筆頭に掲げた政党、統一ロシアが大勝。そして2008年3月の大統領選挙では、プーチンが後継指名したドミトリー・メドヴェージェフ第一副首相(当時)が、これまた圧倒的な勝利で第3代大統領に選出されました。
これらの選挙結果の背景には、やはり不正があったようです。本書には、実際に区議会議員から不正投票を指示された、区役所職員が登場します。
不正投票は行政ぐるみ。メドヴェージェフの得票率が90%に達した区では、不正を疑われることを恐れ、区長が得票率を80%に下げるよう支持を出しました。
一方、野党候補の得票を下回った村では、政府に水道を止められたとか…

メドヴェージェフ大統領とプーチン首相の、二頭立て馬車で引っ張るロシアの政治体制を、中村逸郎氏は「タンデム型デモクラシー」と呼んでいます。
しかし相変わらず存在感を示しているのは、大統領職を退いたプーチンです。
北京オリンピックに沸く2008年8月、ロシア軍のグルジア攻撃に世界は震撼しました。欧米諸国の批判に対し、メドヴェージェフは「新しい冷戦を恐れない」と、強硬な態度に出ます。
ところが、この発言はプーチンの不興を買ったようです。
強い指導者像を打ち出したメドヴェージェフに対し、プーチンはメドヴェージェフが実質的な最高権力者の座を奪おうとしていると受け取ったのです。その後、メドヴェージェフの外交姿勢は軟化しました。

プーチン政権を批判し続けたアンナ・ポリトコフスカヤアレクサンドル・リトビネンコの死は、未だ深い闇に包まれています。
謎の多いこの国から、今後も目を離すことができません。

(2月1日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
新たな冷戦
ロシアより“哀”をこめて
リトビネンコ氏は、なぜ殺された?
パイプラインの国際政治学
あかきゆめみし


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 22:49| Comment(6) | TrackBack(1) | 政治・経済交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
勉強になります。プーチン首相はどうも好きになれないのですが、国民には人気があるようですね。国家破綻した時に、ボロ儲けした「ニューリッチ」といわれる人たちを追放したとかで...。
Posted by りょうた at 2009年02月04日 17:29
りょうた様、いらっしゃいませ。

プーチンさんは、怖いくらい眼光が鋭いですね。
さすが元KGB、常に周囲への警戒を怠らないのでしょう。

プーチン政権下で、ベレゾフスキーやホドルコフスキーなど、オリガルヒと呼ばれる資産家が地位を追われました。
代わって、FSB(旧KGB)・内務省といった治安・国防機関出身の、シロヴィキと呼ばれるグループが台頭しています。
Posted by 管理人 at 2009年02月05日 21:10
こんな記事を発見。
日本は平和です!

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2009/02/post-01a3.html

人が複数いれば、意見は分かれるし、欲望もズレルし、怨みや怒りや猜疑心が生じます。

だから国家を統一するには、織田信長のような六道魔王みたいな人物が必要になるような気が・・。
でもスターリンと織田信長は、どっちがいいんでしょうか?
Posted by おおくぼ at 2009年02月21日 16:28
21世紀の地球に、近代以前の流儀でパワーゲームをやっている国が存在する…それがロシアの面白さですね。
面白いと言ってしまうのは、不謹慎かもしれませんが…

ところで、切込隊長のBLOGって、よく炎上するんでしょうか?
Posted by 管理人 at 2009年02月22日 16:39
ロシアだけでなく、アフリカも凄いです。
アフリカでは一夜にして、街が虐殺の場になります、『北斗の拳』か?
南米や東南アジアも凄かったけど、最近は下火ですね。
でも中東は凄いです。

隊長に関しては、『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』(アスキービジネス)
伊地知晋一:著
に対談が掲載されています。
以前は、隊長のブログだけでなく、2ちゃんからアマゾンの感想欄、隊長に言及したブログまで、反・隊長戦線が張られ、私のブログにも書き込みやトラックバックが来て、迷惑しました。
反・隊長のサイトもありました。
でも隊長が告訴すると脅したら鎮火しました。
山形先生も、かなりネット炎上がありましたけど・・。
次はイケダ先生の番かな?
ブログは認証制にしているけど、かなり反感を買ってるようなので・・・。
私もあちこちでイケダ先生の悪口を書いているのですが・・・。
(^^;)
Posted by おおくぼ(アマチュア国際ウオチャー) at 2009年02月22日 16:59
アフリカは、国境線が真っ直ぐなのが凄いです。民族の勢力地図を完全に無視しています。これでは戦争しますね…

アフリカの戦争を描いた松本仁一氏の『カラシニコフ』は、ダ・ヴィンチ誌上で呉智英先生が絶賛していました。
シンプルな構造でメンテナンスが不要なため、子供でも簡単に扱えるAK47カラシニコフ。アフリカで戦闘が絶えない原因のひとつです。

BLOG炎上で大騒ぎしている日本は平和ですね。
Posted by 管理人 at 2009年02月23日 21:08
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ロシアはどこに行くのか 講談社現代新書 著者:中村逸郎
Excerpt: 講談社現代新書ロシア現代政治を専攻する筑波大学大学院人文社会科学研究科教授中村逸
Weblog: 本質
Tracked: 2009-02-12 23:15
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