2009年03月15日

学園は事件の宝庫

少年少女が探偵役として活躍する学園ミステリは、ミステリ小説の一大ジャンルといって良いでしょう。
常識的に考えて、働いている大人が、呑気に探偵ごっこなんて出来ません。
警察庁刑事局長を兄に持ち、旅先で事件に首を突っ込むルポライターなんて、実際にはいませんよね(笑)



学び舎は血を招く

本作は『小説現代メフィスト』に掲載された、学園ミステリを集めた一冊です。
収録された作品は6編。
『メフィスト学園1』というからには、第2弾もあるのかな?

竹本健治 『世界征服同好会』
30年前の先輩たちが立ち上げた、同好会の正体とは…

楠木誠一郎 『殺人学園祭』
名門女子校の学園祭で、屋上から生徒が転落。自殺か?他殺か?

古野まほろ 『敲翼同惜少年春(センチメンタル・レヴォリューション)』
全共闘時代を思わせる舞台設定。やたらと漢字にルビを振った独特のアクの強い文体は、正直、読む気になれません…

福田栄一 『闇に潜みし獣』
夜の校舎に忍び込んだ、男女6人の高校生。その理由とは…動機も結末も(学園ミステリらしからぬ)非常にダークな作品です。

日日日 『かものはし』
日日日と書いて「あきら」と読みます。ミステリというよりは、ホラー色が強いです。

門井慶喜 『パラドックス実践』
大学でプラトンを専攻した教師が赴任したのは、その名も雄弁学園。初日から不穏な空気が…

私のお気に入りは、竹本健治氏の『世界征服同好会』。
本の山に占領された部室で、思想だの芸術だの、浮世離れしたことをくっちゃべっているだけの「汎虚学研究会」に惹かれます。こういうことって、学生時代しかできませんね。犯罪ではなく「日常の謎」を解くのも、学園ものらしくていい感じです。
異色の作品ながら意外と楽しめたのは、門井慶喜氏の『パラドックス実践』。
事件は全く起こりませんが、ロジックで読ませる小説をミステリと呼ぶなら、これも立派なミステリでしょう。

(3月10日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
メフィスト賞の傾向と対策


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学・小説交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。