2009年04月19日

草原の覇者

前回交遊した『アマテラスの誕生』に、騎馬遊牧民の話題が出ていたので、この本を。
気になったテーマを見つけたら気軽に手に取ることが出来る、山川出版社「世界史リブレット」からの一冊です(同社には「日本史リブレット」もございます)。



遊牧国家の誕生
林俊雄 著

騎馬遊牧民の一般的なイメージは、文明の破壊者、野蛮な殺戮者だったりします。
しかし彼らは合理的な社会制度を営み、ペルシアや秦・漢などの大帝国と互角に渡り合える強大な軍事力を備えていました。
本書はスキタイ匈奴を中心に、ユーラシア大陸の草原地帯を駆け抜けた、遊牧民国家の実態に迫ります。

文字の記録を残さなかった騎馬遊牧民の姿を、的確に今に伝えているのはヘロドトス司馬遷です。
ヘロドトスが『歴史』で描くスキタイと、司馬遷が『史記』で記した匈奴は、驚くほど良く似ています。ともに農耕を行わない生粋の遊牧民であり、家畜とともに移動し、戦況が不利になるとあっさり退却します。

騎馬遊牧民は、戦闘的なだけではありません。豊かな文化も今日に遺しました。
スキタイは大規模な古墳を築き、まばゆいばかりの黄金の装飾品が出土しています。ワシとライオンが合わさったグリフィンや、猛獣が草食動物を襲うシーンは、スキタイならではのモチーフです。

大陸を縦横無尽に駆け抜けた、遊牧国家から読み解く歴史に新鮮さを感じるのは、島国・日本に生まれ育ったからでしょうか。

(4月9日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
ニッポンのルーツを求めて
石塔は語る


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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