2009年07月12日

アーリア人って、誰のこと?

ナチス・ドイツを率いたアドルフ・ヒトラーは、金髪・碧眼の優秀なるアーリア人による世界支配を掲げ、ホロコーストを引き起こしました。
ナチス・ドイツが民族的アイデンティティを求めたアーリア人とは、実際はどのような人たちだったのでしょうか?



アーリア人

青木健 著

インド・ヨーロッパ語族は、インド・イラン系とヨーロッパ系に分けられます。
このうちインド・イラン系の人々をアーリア人と呼び、実のところヨーロッパ系白人はアーリア人ではないのです。
中国の歴代王朝やギリシア・ローマ文明はよく知られていますが、地理的にそれらの中間の位置にある中央アジアについては、ほとんど知らないのが日本人の平均的な歴史認識ではないでしょうか。

中央アジアのイラン高原に現れたアーリア人は、史上初の騎馬民族でした。
最初の騎馬民族・キンメリア人は半ば神話的な存在で、続いて登場するのが黄金の美術品で名高いスキタイ人です。定住しない騎馬民族は、文字による記録を残さなかったので、彼らの栄枯盛衰の歴史をたどるのは、なかなか困難です。
定住したアーリア人による国家は、ペルシア帝国が有名です。

現在のイランは、大統領選挙の結果をめぐって混乱が続いています。実はイランとは「アーリア人の国」の意味なのです。
ペルシア帝国の復興を掲げたパフラヴィー王朝が、1935年に正式な国号としたのですが、1979年のイスラーム革命で王朝は倒れました。

著者・青木健氏は、ゾロアスター教の研究者です。
異国的な響きに惹かれて、彼の前著『ゾロアスター教』を読んでみようと思ったのですが、より普遍性の高そうなタイトルの本書が出たので、こちらを手に取ったわけです。
しかし、本書の主題である騎馬民族の興亡を把握するのは難しく、私の理解が及ぶのはペルシア帝国程度です。
素人には敷居が高過ぎる内容でした(笑)

(7月5日読了)

【不純文學交遊録・過去記事】
草原の覇者


posted by 【電脳呆人】不純総合研究所 at 21:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 歴史・民俗交遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ナチス時代は、エコロジーが盛んでした。
純血主義と関係があるのでしょう。
自然賛歌と純血主義の関係というのは、興味深いです。
ナチスより少し前ですが、血液型による性格分類を考えたのもドイツの医学者です。
たまたま当時、ドイツに留学した日本人が、日本に伝えました。

メソポタミア文明などは面白いですね。
暦は太陰暦ですが、太陽信仰があります。
エジプトは太陽歴で太陽信仰です。
古代イスラームの天文学のレベルは高く、12世紀までヨーロッパのレベルは低かったのです。
古代ギリシャの高度な理科系文化は、ヨーロッパには受けつかれずに、イスラームで発展します。
そしてヨーロッパに流れていきます。
ヨーロッパが文明開化したのは、12世紀頃からです。
Posted by おおくぼ at 2009年07月12日 22:54
エコロジーの語を最初に使った、生物学者エルンスト・ヘッケルもドイツ人です。

イスラームによって継承された古代ギリシアの学問が、十字軍の時代にシチリア王国でアラビア語から翻訳されて、再びヨーロッパの知るところとなった、いわゆる12世紀ルネサンス。本日放送のNHK教育テレビ『高校講座世界史』が、このテーマでした。

著者はゾロアスター教の研究者なので、アーリア人の国=イランがイスラーム共和国となって、ゾロアスター教の名残が乏しくなっていることへの寂しさが、文章から伝わってきます。
Posted by 管理人 at 2009年07月13日 18:25
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